今年、iPadが発売されてから蔵書をスキャナーで取り込んでPDF化することが流行っていて、それに伴い裁断機が売れているようです。私も日に日に溜まる医学関係の雑誌を中心に古いものからPDF化する作業を夏ごろからやり始め、本棚が随分すっきりしてきました。

ところで裁断機は裁断すること以外に使いようがなく、使ったからといってうまく裁断できるとも限りません。普段の収納にも意外と困るものです。
診療所に裁断機はあるのですが、この作業に私は一切使っていません。使うのはアイロンと定規とカッターナイフのみですが、私なりの定規とカッターの使い方をお教えします。

無線綴じの場合、PDF化する本の背表紙にアイロンをあてて糊を溶かしてページをばらしていくのはご存知だと思いますが、ここで使うアイロンは専用にしましょう。糊がどうしてもアイロン面についてしまい、本来の用途に使えなくなってしまうからです。アイロンは1000円前後の安いもので十分です。
当然ながらステープラーで止めている中綴じタイプの雑誌はリムーバーを使って針を外します。

2010121022240121666.gifさて、カッターを使って糊のついているページの端を切り落とすのですが、次の方法に慣れてくると50枚くらいまとめて切ることができます。

まず、定規は30cmの厚めのアクリル製で目盛りのない方が斜めにカットされている物を用意します。
刃が定規に乗り上げてしまわないよう、図のように幅の長いほうを上向きにするのが正しい使い方。
定規の端が内側に切れ込んでいる分、カッターの刃は常に垂直になるように意識します。
縦方向に自分の遠いほうから手前に引くのは言うまでもありません。

一息に何枚も切り離そうとしないことが重要なポイントで、まず1枚目に鉛筆で軽く線を引くような感じでカッターを動かします。刃先が鋭い状態だとこれだけでも 2-3枚切れてしまいますが、あくまでガイドとなる線を引くんだという気持ちで。
2回目は若干力を入れて1回目と同じラインをきっちりなぞるようにカッターを引きます。
3回目からもう少し力を入れて本格的に切っていきますが、2回で作ったガイドの溝を外さないようにします。
これを何回か繰り返すとやがてきれいに切り離すことができますので、思いっきり力を入れないで下さいね。
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最初は10枚くらいから練習することをお勧めします。
下にカッターマットなどを敷くなどの準備は怠りなく。
私は不要になる雑誌の裏表紙などを活用しています。

注意したいのは、切り始めの部分はうまく切り離せないことが多いということ。写真は36枚切ってみた時の失敗例ですが、ティッシュペーパーの 1枚目がうまく取り出せないのと同じくらい難しい・・・。そろそろ最後の一枚まで刃先が通りそうだなという時の力の入れ方にちょっとしたコツがあるのですが、これはなかなか文章にしにくいので体得していくしかありません。

後はスキャンするだけ。余程大量の本を裁断するのでもない限り、この方法で十分目的が達成できます。

皆様のご健闘をお祈りいたします。



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