野口内科 BLOG

  鹿児島市武岡に開業して41年の野口内科です。
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アムロジン

<< ジェネリック薬品を考える 第3回 >>


前回はノルバスクとアムロジンが微妙に違う ( のではないか ) という話をしましたが、それに関連してちょっと補足です。

日本には、一つの薬剤を複数の企業が異なる名称で売るという独特の商習慣があります。
これを「一物二名称」と呼んでいます。
主なものを表にしてみましたが、その多さに改めてびっくりしました。 
ノルバスクとアムロジンのように全く別工場で作られているものもあれば、同じ工場で製造して刻印とパッケージを別にしているだけというものもあります。

薬の一物二名称併売することによって販路が拡大するとか、自社の商品ラインナップが充実するとか、売る側にはメリットがあるかも知れません。
しかし、処方する我々や薬局、実際に服用する患者さんにはほとんど意味がありません。
これらの名称をしっかり頭にたたき込んで、同じ薬剤であることを認識しておかなければならない我々も相当苦労します。

この一物二名称について厚労省は、「別会社が別に承認をとって販売するもので保険衛生上の問題があるとは考えにくい。メーカーが競うことで情報提供が充実することや、競争原理が働き市場実勢価格が下がれば薬剤費の適正化にも繋がるなどの利点がある」といった内容の見解を示し、日本独特の習わしを改めさせようという意志が全く見られないのです。
厚労省が態度を改めないのなら、製薬会社側が申請時に異なる名称を用いないよう配慮してもらうしかありません。
実際、同一名称で併売している薬品 (エディロール・リピートール等) もいくらでもあるのですから。

一方、いわゆるジェネリック医薬品に関してですが、最近は独自の商品名が認められずに一般名を用いる方向にあります。
ここ2、3年で発売されたものは当然のこと、古くから発売されオリジナルの名称も定着していたジェネリック医薬品も、無味乾燥な一般名への変換が徐々に促されています。
これは厚労省の指導によるものなのですが、先発品に限って独自の商品名が付けられる特権があるわけですね。

厄介な一物二名称ですが、ちょっとした使い道もあります。
当院では「ノルバスク」は5mg、「アムロジン」は2.5mgの剤形を採用することで、処方時の用量ミスを回避するという形をとっているのです。
この点は、院内処方の強みですね。


( 追記 2018.5.22 ) ジェネリック医薬品を採用した現在では、5mgも2.5mgも「アムロジピン」になってしまいました。 

<< ジェネリック薬品を考える 第2回 >>


ノルバスクとアムロジンまず手始めに先発品同士を比較します。

取り上げるのは「ノルバスク」と「アムロジン」です。
最もよく使われているカルシウム拮抗剤と呼ばれるタイプの降圧剤で、ご存知の方も多いでしょう。
いずれもアムロジピンベシル酸塩を主成分としたもので、前者はファイザー製薬が、後者は大日本住友製薬が製造販売しています。
大日本住友がファイザーから製造に絡む一切のライセンス供与を受けているはずなので添加物まで含めて全く同一。
ですから「アムロジン」は「ノルバスク」との同等性を示す試験を実施しておらず、両者の添付資料のデータは全く同じになっています。
この点がジェネリック医薬品と大きく異なるところです。
ちなみに右側の写真、上が「ノルバスク 5mg」下が「アムロジン 5mg」です。

ところが、です。
( ここから先に書く内容については、あくまで伝聞で確たる証拠はありませんが、信頼性の高い情報ソースから得たものであることをお断りしておきます。)
実は、最高血中濃度到達時間 ( Tmax ) が両者間で1時間ほどずれていて、その違いを利用して「ノルバスク」と「アムロジン」を使い分けている医師もいるというのです。

この情報が本当だとしたら、なぜこのようなことが起こるのか。
ここからは勝手な推測になります。
「ノルバスク」と「アムロジン」は別々の工場で作られているのですが、そのせいなのか「アムロジン」の錠剤の方が硬いという五感で分かる相違があります。
添加物や製造のノウハウまで全く同じように作っているはずなのに、成分の調達先が違うとか、製造ラインでの温度・湿度が違うとか微妙に異なるのでしょうね。
複数の人が、同じ食材・同じ調理器具を使ってレシピ通りに料理しても全く同じものができない。
そんな例えをしてもいいものなのかわかりませんが、先発品といえども微妙な違いが出てくるようですね。

なお、水無しで飲める口腔内溶崩錠として「ノルバスクOD」「アムロジンOD」がありますが、こちらは同じ工場で作られ、刻印とパッケージが異なるだけ。
大日本住友製薬が独自の技術で開発した「アムロジンOD」をファイザー製薬側が「ノルバスクOD」のブランドで売らせてくれ、と言ってきたようです。
複雑です。

なお、下の図はノルバスクの添付文書にあるグラフ。
アムロジンでも全く同じものが使われているのですが、 通常の錠剤と口腔内溶崩錠の比較しか掲載されていません。


ノルバスク

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