野口内科 BLOG

  野口内科は鹿児島市武岡に開業して46年を迎えました。
  当ブログでは、当院からのお知らせ、医療・健康に関する情報の他に、近隣の話題、音楽・本のこと等を綴ってまいります。

    診療時間 午前  9:00〜13:00
         午後 14:30〜18:00 (金曜は〜18:30)
    休診   日曜・祝日・木曜午後
    電話   099−281−7515
    住所   鹿児島市武岡二丁目28−4
    院長   野口 仁

         ▶▶▶ アクセスMAP
         ▶▶▶ バス路線図

アリルイソプロピルアセチル尿素

犬と散歩〖 今月のつぶやきから 123 〗


珍しく、6日ぶりのブログ更新となります。
単にネタがなかっただけで、体調が悪かったわけではありませんのでご心配なさらないで下さい。

Twitter 上でつぶやいた医療情報の中からいくつかをピックアップして月末にお届けしているこのシリーズ、今月は10個の話題を振り返ります。


最初は市販の鎮痛薬についてです。
日本で市販されている解熱鎮痛薬の中には、副作用や習慣性があることが使用が禁止されている「アリルイソプロピルアセチル尿素」「ブロモバレリル尿素」という成分が含まれているものがあります。
なぜ野放しにされているのかさっぱり分かりませんが、成分表示を見て自衛するしかありません。

① 頭痛は原因に応じた適切な薬を使う必要がありますが、少なくとも自己判断で上記成分の含まれている薬を連用しないように注意しましょう。

② 経済学の視点から書かれた記事ですが、厄介な成分を入れて高価格で売る節操のない商売って何とかならないのでしょうか。


次に、ウォーキングや筋トレの適切な運動量についての情報。

③ 年齢に応じた1日の至適なウォーキング量が示されました。

④ 1週間当たりの至適な筋肉トレーニング時間についての情報で、やり過ぎは良くないようです。


今度は、心房細動についての2題。

⑤ 心房細動治療の最大の治療目的は大きな血管が詰まる疾患を予防することですが、今一般的に行われている抗凝固療法でも不十分という報告です。

⑥ 日本人の睡眠時間は短いですからねぇ・・。


認知機能に関する話題も2つ。

⑦ ヒトとペットの繋がりも認知症予防に一役買うみたいですね。

⑧ 新型コロナはただのカゼ、なんて言う人がいまだにいますが、後遺症に苦しむ人達の声にも耳を傾けてみて下さいね。


最後に、脂質に関係する情報です。

⑨ 中性脂肪を下げる薬の成分を点眼して、失明を防げる可能性が出てきました。

⑩ 悪玉コレステロールを下げるスタチンと呼ばれる薬については、外来で口を酸っぱくして説明していますが、服用するメリットがたくさんあるのです。

桜島大根〖 今月のつぶやきから 85 〗


2019年に入ってインフルエンザに罹患する方が増え、外来は大忙しです。
そのため医療情報を拾い集める時間が十分にとれず、今月のツイートはかなり少なめでした。

いつもテーマを決めて月末に twitter でのつぶやきをピックアップするのですが、今回はテーマを定めず個人的に興味深かった情報を10個まとめてみました。

① 予後の決して良くない肝内胆管癌。
一方、糖尿病の治療にあたってインクレチン関連薬は重要な薬なので、因果関係が知りたいところです。

② 地元の特産品の一つ、桜島大根に血管を緩める働きがあるという報告。

③ 炎症性腸疾患が前立腺がん発症にどのような関わりを持つのか、解明が待たれますね。

④ がんがわかるよ、と言って検診やドックなどで勧められることもある腫瘍マーカーですが、余計な検査を強いられるだけのことがほとんど。

⑤ 糖尿病、特に1型糖尿病の治癒につながりそうな報告ですね。

⑥ 人の触るものは細菌が多いことは知ってますが、これは指摘されるまで盲点でした。

⑦ 複数の腸内細菌が絡んで、胆管の炎症が起こることを突き止めた報告です。

⑧ 総合感冒薬に鎮痛剤、市販薬だからと言って安心できるものではないのです。

⑨ メタボの指導にあたって、一言混ぜておきたい情報です。

⑩ 先月はマグネシウムに関する情報がありましたが、今回は亜鉛欠乏が高血圧に絡むという話です。

痛い九州南部の梅雨入りが本日発表されました。
明日以降しばらく雨は降らない予報なのですが、発表のタイミングというのは難しいのでしょうね。

さて、梅雨時に頭痛がひどくなるという方がいらっしゃいます。
この場合、市販の頭痛薬で済ましてしまう方も多いと思いますが、注意を要する成分があります。
それは「アリルイソプロピルアセチル尿素」というという物質です。

新セデス錠・ロキソニンSプレミアム錠・イブクイック頭痛薬DX・ノーシンピュア・バファリンプラスS等、ちょっとグレードが上だぞ、と思わせるようなネーミングの商品ににこの成分が含まれています。
ちなみに、我々の処方するSG顆粒にも含まれています。

アリルイソプロピルアセチル尿素には痛み止めとしての働きはなく、鎮静や催眠作用があるのですが、鎮痛の補助作用があるとか。
しかし、この成分、習慣性があることや副作用の観点から海外では使われていないのです。
繰返し使っていると依存性を生じ、乱用してしまう危険性を孕んでおり、頭痛薬が手放せなくなってしまう状態になる可能性があります。
もちろん、乱用していなくても眠気を誘う成分ですから、運転などには注意が必要となってきます。
安易な使用は是非とも避けたいところです。
( この成分を配合している他社の痛み止めは効くぞ、という噂が立つと売上げに響くので、こぞってラインナップしているのだと思いますが、日本の製薬会社はこの成分の依存性を利用して薬をたくさん消費してもらおうと企んでいるのでは、と勘ぐりたくもなってきます。)


頭痛には様々な種類があり、それを見極めて乱用に繋がらないように薬を適切に選んでいく必要があります。
ちなみに、梅雨など天候がからむ頭痛には五苓散という漢方薬が効果を発揮することが多いです。
慢性的な頭痛にお悩みの方は一度ご相談くださいね。

↑このページのトップヘ