野口内科 BLOG

  野口内科は鹿児島市武岡に開業して46年を迎えました。
  当ブログでは、当院からのお知らせ、医療・健康に関する情報の他に、近隣の話題、音楽・本のこと等を綴ってまいります。

    診療時間 午前  9:00〜13:00
         午後 14:30〜18:00 (金曜は〜18:30)
    休診   日曜・祝日・木曜午後
    電話   099−281−7515
    住所   鹿児島市武岡二丁目28−4
    院長   野口 仁

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エタノール

洗剤今日は、校医をしている小学校で職員の方々向けに手指消毒について簡単にお話させていただきました。
エタノールについては、先日ブログに書いた内容を簡単に。( → 手指消毒用アルコールについて )
また、石鹸などの界面活性剤がどのようにウイルスを破壊するか、トローチも実は界面活性剤であるということも解説しました。( → トローチはのどの痛みをとる ?? )
食器用洗剤の正しい使い方やシャンプーの上手な泡立て方についても触れてみました。

そして、意外な活用法として液体洗剤などが害虫退治に使えるという話も。
昆虫は気門という場所で呼吸をしていますが、ここが塞がって窒息してしまうのです。
また、昆虫に対してエタノールは麻酔効果があり、動きが鈍くなります。
ゴキブリなどすばしっこい動きの虫には、まずエタノールを噴霧し、その後液体洗剤を使うと効果的かと思います。

エタノールのカビ取り効果については「手指消毒用アルコールについて」でも簡単に書いていますので参照して下さい。 

手指消毒用アルコール ( エタノール ) について質問を受けることがあるので、簡単にまとめてみました。

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エタノールがどうやって細菌やウイルスに効果があるのか、はっきりしたことはわかっていないのですが、細胞膜の破壊や蛋白質の変性によるものとされています。
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手指消毒一番多い質問は、50%台の製品でも効果はあるのかということ。
そして、無水エタノールの希釈は精製水でなくてはダメなのかということです。

エタノールの濃度は40%くらいから殺菌・殺ウイルス作用を示しますが、ベストは70%とされています。
80%を超えてくるとパフォーマンスが低下するようです。
この理由として、水とエタノールが会合してエタノールの疎水面が最も大きくなるのが70%位のところだから、と推測されています。

実用的にも70%前後が乾き具合も程好く使いやすいです。
50%台だと速乾性に劣りますが、その分乾くまでしっかりゴシゴシすればいいと思います。
観察していると、多くの人が擦込み式の消毒剤を手に取った後、数回手をこすり合わせて終わっていますが、石鹸で洗う時のように丁寧に擦り込まないと意味がないですよ。
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高濃度のエタノールを希釈する場合は、精製水が推奨されていますが、水道水でも問題ありません。
消毒液の種類によっては水道水の中の不純物の影響を受けるものもあります。
そもそも手指消毒用のエタノールは、飲用に転用されることがないようにいろんなものが添加されています。( 需要に応えるべく様々なメーカーがエタノールを作っていますけど、手荒れを防ぐ保湿剤が含まれていないものもあるようですね。)
ちなみに、消毒用とは言え、エタノールには酒税相当分の価格が上乗せされているそうです。
しかし、5月1日に国税庁が、高濃度エタノール製品に該当する酒類のうち、一定の要件を満たしたものに酒税を課さないことが決定されています。

時間と共にエタノールは揮発して濃度が低下するので、やや高めの濃度に調整しておくのがいいと思います。
あるいは、50ml程度を利用し、残りは火の気がなく直射日光の当らない場所で保管しておいて下さい。
小分けにしてその都度調整すれば、濃度の低下も最小限で済みます。

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なお、エタノールはカビにも有効です。
梅雨時、私はエタノールを活用してカビ取りを行ないます。
面白いように簡単に除去できます。
一般的なカビ取り剤は、次亜塩素酸ナトリウムが使われていますが、刺激が強いので私の好みではありません。 

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