野口内科 BLOG

  鹿児島市武岡に開業して41年の野口内科です。
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カレー

先月のことですが次のような研究結果がニュースになっていました。

カレー粉に含まれるスパイスがPM2.5による炎症を抑える可能性

カレーカレーをよく食べる高齢者は呼吸機能が保たれるという報告に着目して行われた実験です。
ヒトの気道上皮細胞をディーゼル排気微粒子を混ぜた溶液に浸した後、カレーに使われる様々なスパイスを添加して培養し、炎症の際に増えるインターロイキン-6や細胞外活性酸素種の変化をみたというものです。
その結果、カレー粉、クローブやウコンの抽出物、コリアンダー、桂皮に炎症反応を抑える効果が確認できたとか。

そういう報告を聞くと、カレーを買いに走る人もいらっしゃるかも知れませんが、注意が必要です。
例えば、今回の研究は培養した気道上皮細胞にスパイスを直接添加しているのですが、実際にカレーとして食べた場合にスパイスの成分がどれだけ気道に到達するのか。
また、炎症の主体は気道上皮細胞ではなく、肺胞マクロファージという細胞ではないのか。
論文になっていないので詳細がわからないのですが、報道されている断片からもいろいろ突っ込みたくなる部分がありますし、何よりプレスリリースしたのがハウス食品なのは留意したい点。
カレーを売ってる食品メーカーだからダメ、ということはありませんが、研究デザインや結果などをつぶさに検討した上で、カレーを積極的に摂るべきかどうかを判断したいものです。


ココアついでに、バレンタインデーも近いので、ココアに関する情報も見てみましょう。
ココアを飲用するとナチュラルキラー細胞の活性が上がる、という報告がありますので森永製菓のホームページ ( HP ) を参照してみて下さい。( → こちら )
それを基に、チョコレート・ココア業界でインフルエンザの予防になるという宣伝がなされていたりします。
しかし、これもどうでしょうか。
的確に問題点を捉えている厚生労働省のコラムがありますので、そちらを読んでみてください。( → こちら )
紹介した森永製菓のHP、実はココアを飲むとインフルエンザの予防になるとは一言も書いてありません。
でも、多くの方は勘違いしてしまう巧みな内容になっています。

ただ、私は風邪で漢方薬を処方する時に、ココアに混ぜて飲むといいですよ、とお勧めすることがあります。
漢方薬の独特の味がマスクされて飲みやすくなるのです。( → 小児への漢方の飲ませ方に一工夫 )
もしかしたら、相乗効果があるかも知れないとちょっぴり期待をしている部分もあります。
 

wxq2ouyq.gif ◆ 診療所ライブラリー 29 ◆


紹介が遅れましたが、これは書くべき人が書いた本。

診療所のライブラリーに書籍を揃えながら、困っていたのが最近増加の一途をたどっている疾患、胃食道逆流症 (逆流性食道炎) に関する本の少なさでした。

大学の先輩にあたるこの分野の第一人者が昨年秋に出した待望の本で、たいへん分かりやすく胃食道逆流症について解説しています。
講演などで披露するカレーの話や唾液の役割などなどについても言及しており、一般の方から専門職の人まで有用な中身の濃い本だと思います。
医学関係の本は数字や横文字がどうしても多くなるので横書きに限る、と思っていますが、その点も文句なし。

ちょっと残念なのは背表紙。
青地に赤い文字で本のタイトルが書かれているため、本棚に並んでいると字が目立たないし、目の悪い方には読みづらいと思います。
なので、本屋で誰も手にしてくれないのではないかとちょっと心配です。


( ライブラリ充実のために .. ご協力いただければありがたいです )  → つらい「胸やけ」スッキリ―胃食道逆流症といわれたら

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