野口内科 BLOG

  鹿児島市武岡に開業して42年の野口内科です。
  医療・健康に関する情報はもちろん、近隣の話題、音楽・本のことなどを綴ってまいります。

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コレステロール

〖 今月のつぶやきから 96 〗


乳がん年の瀬とは思えない比較的暖かな気温が続いています。
ただ、明日から3日間は寒くなるようなので体調管理には怠りのないようにして下さい。

収集した医療関係の情報を、備忘録代わりにツイッター上でつぶやいています。
それを月末に振り返り、絞り込んでブログ上にまとめてお届けしているのが「今月のつぶやきから」。
今回で96回目になるので、丸々8年が経過したことになります。

今年最後は、以下の9題をお届けします。

最初は、乳がんに関連するもの。

① ギリシャ人女性を対象にしたものですが、A型で他の血液型よりもリスクが高いという報告です。

② 5~8週ごとに髪を染めるアフリカ系米国人で乳がんリスクが60%も高くなるという解析結果です。

次に、身近なウイルスが意外な疾患に絡んでいるという情報です。

③ これは以前にも伝えたことがある話だと思いますが、アルツハイマー型認知症の発症要因としてヘルペスウイルスが絡んでいるという話がまとまっています。

④ 帯状疱疹 ( 水痘 ) ウイルスが、群発頭痛に関与している可能性があり、ワクチンで軽減する可能性が示されています。



次は、とても重要な話。
風邪に抗菌薬 ( 抗生物質 ) は効かないということをしっかり理解していただきたいと思います。

⑤ 抗菌薬を適切に使わないと、本当に必要な時に助けられないという事態を起こすのです。

⑥ 正しい医学知識を身につけていない方が多いのは、日頃の診療の中でも実感しています。


最後は、個人的に興味を引いた話題を3つ。

⑦ 苦痛を伴うことなく疾患を診断する可能性がまた一つ加わりそうです。

⑧ 中性脂肪を低下させる薬が、網膜の血管新生を抑制するというのは興味深いです。

⑨ コレステロールの食事指導については、以前から疑問に感じていました。
高い人は食事を気にするよりも、有酸素運動を心がけて下さいね。

トマトジュース140104101

これは何の数字かというと、2009年から2011年にかけての私の LDL-コレステロールの数値です。
徐々に上がってきていた悪玉コレステロールの数値が、2009年に初めて140台となり、善玉コレステロールとのバランスもとても悪かったのでフルバスタチン 30mg の内服を開始しました。
その後 2年間は薬の効果があって100台に落ち着いていたわけです。

毎年、6月に行なっている血液検査。
さてさて今回も結果が出ましたが、今年の LDL-コレステロールは何と 89
昨年より更に 1割減っていました。

実はちょうど一年前に当ブログで紹介したのですが、トマトのリコピンにコレステロールを下げる作用があるというのを知って、毎朝トマトジュースを飲むようになったのです。
今年 2月にはトマトに脂肪燃焼効果を促進する物質が見つかり、一時トマトジュースが品薄になったのは記憶に新しいところ。
コレステロール低下だけを期待して飲み始めたので、簡単に太らなくなりウエスト周りが随分すっきりしてきた思わぬ副次的効果にも驚いています。
トマトジュースを飲むようになった以外何も特別なことはやっていないので、この継続が奏効したものとしか考えられません。
ちなみに1日に飲むジュースの量は150ml 程度、冬場は体が冷えるので100ml程度とそんなに多くはありません。
もちろん、フルバスタチンは服用し続けていますのであしからず。

( 追記 ) 2015年よりジョギングを始めたところ、服薬なしでも LDL-コレステロールが100~110、そして40前後だった HDL-コレステロールが60台になりました。運動は大事ですね。
 

〖 医療情報 Pick Up おさらい 48 〗
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今月も「医療情報 Pick Up」でお届けした情報は一つだけでした。


コレステロール薬で/成人入院患者の/インフルエンザ死が4割減少 (J Infect Dis. 2011 doi: 10.1093/infdis/jir695)

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スタチンと呼ばれる高脂血症の治療薬は以前から抗ウイルス作用があるとされており、今回もそれが証明されるデータが示されたことになります。
しかし、一方で「スタチンには感染予防効果も感染関連死亡を予防する効果もない」とする相反する論文も11月に発表されています。( BMJ 2011; 343 doi: 10.1136/bmj.d7281 )
こちらの論文ではウイルス以外に細菌感染なども含めてしまっているため異なる結果が出たのだと思います。



さて、長い間スクロールする掲示板を活用して様々な情報をお届けして参りました。
その中の一つ「医療情報 Pick Up」は膨大な医療情報の中から一般の方も興味を持っていただけそうなものをセレクトしてお届けして参りました。
ちょうど丸4年を迎えたのですが、今回で終わりにしたいと思います。
その代わり、
Twitterを活用して面白そうな話題を紹介する形をとって行く予定です。
これまでのやり方だと短文にまとめる手間があったのですが、twitterだと手軽に情報を紹介することが出来るからです。
右側のカラムの「tweet してます」欄にて読んで頂けるようになっていますし、関連するサイトにアクセスしやすくなるかと思います。

年明けからは新しい企画もやっていこうと思っておりますので、「野口内科 BLOG」を今後ともよろしくお願い申し上げます。

         □ 関連記事  医療情報Pick Up  47

2011083021082813964.gif〖 医療情報 Pick Up おさらい 44 〗

一日に目を通す医療に関する情報は数知れず。
その中で皆様に興味を持って頂けそうなものをお届けしている「医療情報 Pick Up」。
今月更新したのは以下の 2つでした。


・善玉の/コレステロールが/高いと大腸がんの/リスクが低下 ( Gut 2011; 60: 1094-1102. )

・テレビ視聴/1日平均6時間で/平均余命5年短縮/豪州成人の調査で ( Circulation
2010; 121: 384-391. )
 

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4年前に大腸がんについて当ブログで特集したその初回は、「メタボリック症候群から大腸がんへ」というものでした。
運動不足や肥満が大腸がんの原因になるとされていますし、大腸がんのベースとなる大腸ポリープは糖尿病との関連が言われ、HbA1c が 1%上昇するとポリープ有病率が33%増えるとの報告があります。
そこへコレステロールとの関連性が発表になったわけで、大腸がんはまさにメタボリックシンドロームの延長にある疾患といえます。

前回も座位の時間が長いとリスクが高いという情報を載せましたが、テレビを見てばかりで運動せず、大腸がんに罹ってしまって寿命が縮まっているのかも知れません。



         □ 関連記事  医療情報Pick Up  43

201106271453163579.gif〖 医療情報 Pick Up おさらい 42 〗

今月「医療情報 Pick Up」では以下の3つの情報をお届けしました。
このうち 2つは身近にある食べ物の話題でしたけれども、いずれも興味深いですね。


・女性のしわと/骨密度に逆相関関係/米国の研究で ( 2011 米国内分泌学会発表演題 )

・トマトに含まれる/リコピンに/コレステロールを/低下させる作用 ( Maturitas 2011; 68: 299-310.)

・リンゴの皮の/ウルソル酸が/筋肉成長を促す/マウスの実験で ( Cell Metab. 2011 Jun 8;13(6):627-38.)
 

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さて、最初の話題が正しいとすると、骨粗鬆症を医学的な検査ではなく外見である程度予想できることになります。
「医療情報 Pick Up」ではお届けしていないのですが、思春期においては BMI よりも手首囲を測定するほうがインスリン抵抗性をより反映するという報告も最近ありました。
しわの数や手首のサイズなどは医療機関でなくても簡単に調べることができ、これが骨折やメタボを予測する指標に活用できる可能性があるということになります。
また、こういう研究を積み重ねていくと、患者さんが診察室に入ってきた瞬間に外見からその人の体でどういうことが起こっているのかある程度分かってしまうという時代が来るのかも知れませんね。



         □ 関連記事  医療情報Pick Up  41

2010103023473624036.gif〖 医療情報 Pick Up おさらい 34 〗


だいたい 3日に一度の記事更新を目標にしている当ブログですが、実際はそれより多く書いてきました。
しかし今月は意識したわけではないのですが見事に 3日ごとに記事が並びました。
どうでもいい話でした。

今月の医療情報 Pick Up で紹介した情報は以下の通りです。

・人工甘味料入り/炭酸飲料を/1日2杯以上摂取で/腎機能低下リスクが/上昇 ( Clin J Am Soc Nephrol. 2010 Sep 30 )

・低用量アスピリンで/大腸がんの発生率が/70%低下/20年の追跡調査で ( Lancet. 2010 Oct 22 )


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甘味料については、この春に加工食品の甘味料を多量にとると善玉コレステロールが低下し、中性脂肪が上がるというデータが示されています。( JAMA 2010; 303: 1490-1497)
糖だけではなく脂質系や腎臓の働きにも影響を及ぼすわけですから、甘いものを摂り過ぎることのないように十分気をつけましょう。

また、解熱鎮痛薬を用いた大腸がんの予防については 3年前に当ブログで詳しく解説しています。 ( → こちら )
安価なアスピリンで癌がある程度予防できるのですが、一方で胃潰瘍や腸からの出血という時に命取りになる大きなリスクも背負うことになるので十分留意する必要があります。



         □ 関連記事  医療情報Pick Up  33

〖 医療情報 Pick Up おさらい 31 〗


ブログの左側のカラムのお知らせ欄でニュース速報風にお届けしています「医療情報 Pick Up」。
今月お届けした情報は以下の 3点でした。

・ 高齢者において/ビタミンD不足で/メタボリック症候群/リスク上昇 ( at The Endocrine Society's 92nd Annual Meeting )
・ 思春期の女性で/睡眠時間が短いと/コレステロール上昇の/危険因子に ( Sleep 2010; 33: 956-961 )
・ ブロッコリーの芽に/含まれる/スルフォラファンに/乳癌幹細胞抑制効果 ( Clin Cancer Res. 2010; 16: 2580-2590 )


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2010073011274316163.gifつい先日、介護施設入所の高齢女性の8割はビタミンD不足であるという報道がありました。
ビタミンDとカルシウムとの併用で2型糖尿病のリスクが低くなるという厚生労働省の発表も以前ありましたね。( → こちら )
ブロッコリーに関しては以前にもネタを取り上げています。
いろいろな癌に対してのデータが出ているようで、今回はさらに乳癌に関しての研究成果が発表されたわけです。

食べ物によって人生が左右されるようです。
皆様の今日の食卓には何が並んでいるでしょうか。



         □ 関連記事  医療情報Pick Up  30

2010053022543219259.gif〖 医療情報 Pick Up おさらい 29 〗


今月お届けすることができた「医療情報 Pick Up」の情報は以下の2点。

・添加甘味料の/摂取が多いと/悪玉コレステロールが/高くなる傾向あり ( JAMA. 2010 Apr 21;303(15):1490-7. )

・前夜の睡眠が/不足すると/インスリン抵抗性が/上昇 ( J Clin Endocrinol Metab 6月号掲載予定 )


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いずれもメタボに関わってきそうな研究結果です。

メタボ検診が始まって 3年目に入りましたが、腹囲を中心に問題点が指摘されています。
肥満は悪、という考えがあるのでしょうか、この腹囲が基準を超えているかが診断に絶対必要なのです。
たとえ血糖値や血圧、脂質全てに異常があっても腹囲だけ基準値以下ならメタボリック症候群としてのお咎めなし。
しかしその必須である腹囲の基準値に対しては異論の声が高まっています。
肥満に介入するより禁煙指導のほうがよほど効果的とする声もあり、将来はいろんな部分に改定がなされるでしょうね。



         □ 関連記事  医療情報Pick Up  28

hu7stcbt.gif先日、とある講演会に出席してきました。
演者は神戸時代の大先輩で、現在は東京の某大学の教授をされています。

もちろん、専門の高脂血症についての話。
悪玉コレステロールであるLDL コレステロールが酸化されて超悪玉コレステロールとなることが動脈硬化の原因で、いかにして酸化を防ぐかという話でした。

研修医時代や研究室では会話することがあったものの、直接講義を受けたことがなく、専門分野の話を聞くのは実は初めてでした。
多岐にわたる分野の雑学を交えて面白く話を聞くことができました。
「昨年度の医療費が33兆円に上ったことを批判的に報道する新聞もあったが、日本人はパチンコに年間30兆円使っている」とか
「マクドナルドは500円あれば腹いっぱいになるが、回転寿司に行って500円ではおなかが膨れない」とか
これは使えるぞ、というフレーズがいっぱいありました。
また、日本人はコレステロールを下げなくても良いとする、メディアの誤った報道はかなり批判されていました。
ちゃんと下げないといけませんよ。

神戸時代、私は教授のご近所さんだったことや息子さんと同じ病院に勤めていたことなどの縁もあり、講演会終了後に久しぶりにお話させていただき、楽しいひとときを過ごしました。

jufp2epz.gif普段の血液検査の結果から、簡単な計算式を用いて他のデータを推量することをよく行います。
代表的なのが悪玉コレステロールであるLDL-コレステロールを算出する方法で

(LDL-コレステロール) = (総コレステロール) - (HDL-コレステロール) - (中性脂肪)/5

という式を用います。ただし中性脂肪の数値が 400を超えないことが条件です。
脳を老化させないためにできるだけ暗算で出すように心がけています。

さて最近、日本人の推算 GFR (eGFR) を算出する簡易式が日本腎臓病学会から提唱されました。
GFR とは糸球体濾過量といって腎臓の働きを知る目安になるものです。

eGFR = 0.741 × 175 × (年齢の -0.203乗) × (血清クレアチニンの -1.154乗)
    女性はこれに × 0.742


これはどこが簡易なのか、容易に覚えられませんし普通の電卓では計算できません。
もっとも計算図表があるのでそれを使えばすぐに eGFR が求められるようにはなっています。
これまでは Cockcroft-Gault の式等が用いられていました。

eGFR = (140 - 年齢) × 体重 ÷ (72 × 血清クレアチニン)

これなら計算図表がなくても算出できるのですが、日本人では数値が高めに出る傾向があったようです。

慢性腎臓病という疾患概念が提唱され、eGFR を計算して早い段階で腎臓病を予防することで、人工透析や脳血管障害を未然に防ぐことが可能であることがわかってきました。
昨日の講演会で、鹿児島は人口あたりの透析患者数が全国で 7番目に多いことが紹介されていました。
我々が頑張って少しでも早い段階で患者さんを拾い上げていく必要があります。
そのためにも、計算も頑張ります。



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