WHO鳥インフルエンザに関する研究論文の掲載が米政府の横槍で見送られた事に関して18日にWHOで緊急会議が行なわれ、全文を掲載するように勧告がなされました。
鳥インフルエンザがヒトへ感染しやすくなる遺伝子の変異を見いだした論文なのですが、これは今懸念されている致死性の高い鳥インフルエンザの脅威に抗する手がかりとなるものでしょう。
一方で米政府の言うようにテロへの悪用の不安もあります。

問題なのはネイチャーやサイエンスといった超一流の科学誌が、 掲載前に米政府にお伺いを立てていること。
ということは鳥インフルエンザについての論文提出がなされたら報告するような仕組みを事前に作っていたとしか考えられません。
学術誌側が政治圧力に屈しているのも残念ですが、自由を謳歌しているはずの米国がテロの恐怖におびえながら研究や論文発表の自由を制限していることは皮肉としか言いようがありません。 

科学の発展が我々に恩恵をもたらすことは紛れもないことである反面、使う人間のよこしまな考えから不幸が生み出されることもまた事実なんですけどね。