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今年の早い時期から10回に分けて書いてきた「宿便について考える」という連載の中では 過敏性腸症候群 ( Irritabel Bowel Syndrome ; IBS ) のことについて多くを割きました。

私がこれまでに観た映画の中で、IBS にまつわるエピソードが印象に残るものが二つあります。
一つは「シコふんじゃった」という映画。
緊張すると下痢を催すという相撲部員を演じていたのは竹中直人でした。
もう一つは「チェスト」という映画ですが、これは地元鹿児島では誰もが知っている錦江湾横断遠泳を題材にしたものでした。
子どもの同級生が何人かエキストラで出ていたよしみで観に行ったのですが、この中でもしょっちゅうトイレに行く小学生が描かれていました。

前者では IBS が比較的面白おかしく描かれていたと思うのですが、後者ではちょっとどうかなと思わせる部分がありました。
折角の遠泳のシーンでえげつない描写があったことです。
笑いを入れたつもりなのでしょうが、IBS の症状に悩む人はどう思ったかを考えると少し不愉快な気分になりました。
映画というのは脚本が重要だとつくづく思います。

最近は、IBS を啓蒙するテレビコマーシャルも流れています。
日本人の 5人に 1人は IBS に罹っていると言われていますが、便通に悩むことなく積極的に治療を受けてください。
私はこの疾患に関心を持って多くの方を診てきていますので、何かお手伝いできることがあると思います。
また、周囲の人もこの病気を笑いのネタにせず、十分に理解していただきたいなと思います。


宿便について考える 第十回 「宿便とは」