野口内科 BLOG

  鹿児島市武岡に開業して41年の野口内科です。
  医療・健康に関する情報はもちろん、近隣の話題、音楽・本のことなどを綴ってまいります。

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デング熱

 ◆ 診療所ライブラリー 134 ◆


なぜかは鹿児島ではそろそろに悩まされる時期に入ります。
知らぬ間に近寄ってきて血を吸うだけならまだしも、その後に痒さといったらたまりません。
日本ではまあそれだけの存在ですけど、世界的にみるとマラリアデング熱など様々な疾患の運び屋としてとても厄介な存在です。( 日本でも日本脳炎やイヌのフィラリア症は問題ですけどね。)

そんな蚊について、生態から科学的に解明された最先端の知見までを網羅してあるのが今回紹介する「なぜ蚊は人を襲うのか」です。
著者の文章能力が長けているので、図版がわずか1つしかなく難しい内容も含まれるのに、一気に読み進めることが出来ます。
遺伝子レベルでの細かい研究がなされていることや、蚊を減らすための様々な試みが行われていることなどに驚きます。
また、歴史上の人物や文学と蚊の関わりなどにも言及しており、著者の幅広い知識には感心しきりです。

私が普段から興味のを持っている温度を関知するセンサー、TRPチャンネルは蚊にもあるようです。
蚊は二酸化炭素・におい・温度の3つを手がかりに標的を探し出すようですが、ワサビの成分がその温度センサーであるTRPA1を麻痺させてしまうようですね。
ワサビが効くなら、ショウガやシナモン、マスタード、ニンニク等もいけるはずです。
今度庭にでる時はいろいろ試してみたいと思います。

感染最近、エボラ出血熱やデング熱といった感染症のニュースが続いています。
いつもこのような騒ぎの時に、正しい情報がある程度伝えられているにも関わらず、必要以上に不安に思われたりデマを真に受けたりする方がいらっしゃるように思います。
的確に判断する能力が問われます。

一方で、昨年から続く風疹や麻疹の流行には全く危機感を抱いていないのではないでしょうか。
エボラやデングといった濁点の入ったカタカナ語には力強さがありますし、聞き慣れないため得体の知れない恐怖感を覚えるのかも知れません。
風疹、麻疹は昔からある言葉ですし、濁点も入っていないので何となく耳に優しく感じます。

言葉は長い間使われていると、価値が変わってきたり失われたりする不思議な側面を持っています。
例えば「貴様」は本来は尊敬語であったはずですが、今は値打ちがありません。
「らい」という疾患名も歴史的背景が積み重なって今は差別用語とみなされています。
夜の繁華街で「社長 !!」と声を掛けられてもちっとも嬉しくありません。

言葉には使われ続けているうちに変容してしまう不思議があるのですが、風疹や麻疹は昔からとても恐れられていた疾患です。
あまりに耳にする機会が多い言葉なので警戒感が薄くなっているかも知れませんが、今でも罹ってしまうと悲劇を招きかねない病気であることを忘れないでくださいね。

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