その中で、私が一番頭を抱えているのが、ニザチジンという胃薬の相次ぐ製造販売中止です。
ニザチジンは塩酸の分泌を抑えるH2ブロッカーと呼ばれるタイプの胃薬で、唾液分泌促進作用と消化管運動賦活作用を併せ持つという特徴を持っています。
唾液分泌作用は塩酸セビメリン ( エボザック ) よりも強力で、ドライマウスの方に非常に好評です。
また、機能性ディスペプシアに用いるアコチアミド ( アコファイド ) は、ニザチジンを改良し、酸分泌抑制作用を取り除き、消化管運動賦活作用を強化した薬剤です。
アコチアミドは1日3回毎食前に服用する必要がありますが、ニザチジンは1日1~2回でも十分です。
ニザチジンについては過去に詳しく書きましたので参考にしてください。( → こちら )
ニザチジンのおかげで助かっている患者さんがたくさんいらっしゃいます。
これに代わる薬は他にありません。
何とか供給再開を願いたいものです。