野口内科 BLOG

  鹿児島市武岡に開業して42年の野口内科です。
  医療・健康に関する情報はもちろん、近隣の話題、音楽・本のことなどを綴ってまいります。

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リレンザ

インフルエンザ新年が明けて、外来ではA型インフルエンザの方が急増しています。
年末年始の民族大移動が感染を拡散させるのだろうと思います。


治療薬としてはこれまで

◎ タミフル ( 内服薬 )
◎ リレンザイナビル ( 吸入薬 )
◎ ラピアクタ ( 点滴 )

の4種類がありましたが、昨年の流行の終わる頃に「ゾフルーザ」という、これまでとは作用機序が異なる新薬が発売されました。
たった1回服用するだけで済むということでテレビや新聞などで盛んに報道されており、この薬を指名する方もいらっしゃいます。


しかし、注意点もあります。
まず、A型インフルエンザウイルスの遺伝子変異が他の薬と比較して高頻度 ( 23.3% ) にみられること。
変異することで薬の効きが悪くなるようで、WHOはゾフルーザが発売されている日本・米国と未発売のオーストラリアを比較して、この変化を監視しています。
日本小児科学会では推奨を見送りましたし、現段階では採用しないとする医療機関もあります。

また、薬価の問題もあります。
通常、3割負担でおおよそ1400円強しますが、体重が80kg以上の方は倍量服用する必要があり、当然負担も倍になります。
これに対して、昨年9月に発売されたタミフルのジェネリックである「オセルタミビル」は3割負担で400円ほど。
タミフルのジェネリックなら、窓口での支払いが1000円ほど安くすむのです。

そして、1例だけゾフルーザを内服後に嘔吐してしまった方がいらっしゃいました。
保険診療上、もう一度処方することができないのです。
一発勝負の怖さですね。


以上のような情報を提示し、さらにどれを選んでも症状が軽くなるまでの時間にほとんど差がないことを説明した上で、どの薬を選択するかは、患者さんと相談して決めています。

ま、罹らないに越したことはないので、基本的なうがいや手洗いを徹底して予防に努めて下さいね。


200905181744548443.gif新型インフルエンザがいよいよ身近な存在となってきました。
このインフルエンザにどのように対処していくべきかは、今後の状況に応じて変化していくものと思います。
今のところタミフル、リレンザが有効ですからパニックにならないことです。

さて、週刊誌などでインフルエンザにこれらの薬剤以外に漢方薬が有効であることが報じられました。
当診療所では、10代の患者にタミフルを使うなという通達以降はこの世代には麻黄湯を基本にした処方を行なっており、かなり有効である感触を得ています。

漢方薬以外にも注目すべきものがあります。
それはコレステロールを下げるスタチンと呼ばれる薬剤。
米国のおよそ7万6000人を対象にした研究で、スタチンを使用している人はインフルエンザ、肺炎、慢性閉塞性肺疾患での死亡率がかなり低いことが示されています。( Chest. 2007 Apr;131(4):1006-12 )
また、スタチンとカフェインの複合薬が鳥インフルエンザに有効であることも発表されています。( http://www.gclew.com/modules/press_release/index.php?page=article&storyid=77 )

インフルエンザだけでなくC型肝炎に対しても、既存の治療法にスタチンを加えることでウイルスの抑制効果が更に高まることがわかってきています。

細菌に効く抗生物質はアオカビから単離されたペニシリンが最初です。
スタチンもアオカビから見いだされた物質。
これがコレステロールを下げる作用だけでなく、ウイルスの増殖を抑える作用があるとしても不思議ではないと私は考えます。

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