野口内科 BLOG

  鹿児島市武岡に開業して41年の野口内科です。
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健診

d7mn47cn.gif「こんないい加減なことでいいの ? 1」の続きです。


いわゆるメタボ健診でもう一つ問題になっていること。
それは検査項目から血清クレアチニンが外されたことです。
これはとても大事な検査項目なのです。
慢性腎臓病という概念が提唱され、年齢と血清クレアチニンからおよその糸球体濾過量を計算することで早期に腎臓の機能低下を拾い上げていこうというのが世界的な流れ。

メタボ健診の草案段階ではこの血清クレアチニンは検査項目に挙がっていたのですが、尿検査がありませんでした。
その点を指摘したら尿検査は復活したものの、代償として血清クレアチニンが外されたという顛末らしいのです。

ここで見え隠れするのは要するにコストの問題。
前回指摘した腹囲計測も含めて、国民の健康を真剣に考えているのか疑問といわざるを得ません。

外すならBUNという項目ではなかったでしょうか。
BUNと尿蛋白だけで、どう患者を指導していけばいいか現場では非常に難しい判断を迫られています。

ちなみに日本人のGFR推算式 (eGFR) が新しくなります。
6月からはこちらが使われるようになります。

eGFR = 194 × (年齢の -0.287乗) × (血清クレアチニンの -1.094乗)
    女性はこれに × 0.739


相変わらず難しい式です。


4kdpk5lt.gifいわゆるメタボ健診で話題の中心になっているのが、腹囲測定。
この腹囲測定について厚生労働省からこんなお達しがありました。

・着衣のままや自分での測定も認める
BMI が 20以上 22未満の人は医師の判断で自己申告もOK
・BMI が 20未満の人は測らなくてもかまわない

未然に成人病発症を防ごうという目的でこの腹囲という項目を新たに取り入れたはずなのに実にいい加減な話です。

先日、BMI が 22なのに腹囲が90センチという男性もいました。
腹部肥満に関する身体測定値は BMI にかかわらず実測値が大事であるとする研究報告もあります。

大体、「メタボ健診は健康保健組合には実施する義務があるのに、受診者には腹囲測定を受ける義務はない」ということからしてどれだけ本気なのか疑問に思います。

男性 85センチ以上、女性 90センチ以上と決めた数字には根拠があると言えばあります。
CTでおヘソの位置で内臓脂肪の面積が 100 ㎠ となるときの腹囲です。
しかし、数字をはじき出すのに対象とした人数があまりにも少ない (男性 544人、女性 194人) こと、そしてなぜ 100 ㎠ なのかということ。
このあたりには問題がないとは言えないでしょう。

健診で多くの人のデータをとることで新しい知見が得られたり、基準値が見直されたりするのではないでしょうか。
一体何のための検査項目なのか、実施するのなら全員を対象にしなければ意味がないと思います。

2 に続く


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