野口内科 BLOG

  鹿児島市武岡に開業して42年の野口内科です。
  医療・健康に関する情報はもちろん、近隣の話題、音楽・本のことなどを綴ってまいります。

    診療時間 午前  9:00〜13:00
         午後 14:30〜18:30
    休診   日曜・祝日・木曜午後
    電話   099−281−7515
    住所   鹿児島市武岡二丁目28−4
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8月14日・15日はお盆休みをいただきます。ご了承下さい。



内視鏡

2011031816445923421.gif今回発生した大震災の影響が一般医療にも影響を与え始めています。
甲状腺機能低下症に対して用いるチラーヂンSという薬が工場の被害で供給がストップしてしまいました。
甲状腺疾患はおよそ30人に 1人存在し、その中で機能低下症は半数を占めると言われているほど患者さんの多い疾患ですが、実際に服用されている方は60万人ほどとのこと。
本当はTSH ( 甲状腺刺激ホルモン ) 値をみながら投与量を調節する必要があるのですが、この緊急事態のもと供給が再開されるまで減量せざるをを得ないかと思われます。
この方法でも重篤な機能低下症状は防げるとされていますのでご理解の程よろしくお願いします。
なお、「チラージンS」ではなく「チラーヂンS」が正しい商品名です。

また、当院は直接関係ありませんが、内視鏡トップシェアのオリンパスの工場が被災し修理などが出来ない状況のようです。
消化液や消毒液に晒されるなど過酷な環境下で働く精密機械、結構修理する頻度が高いだけに今後各地の内視鏡検査に影響が出てくる可能性があります。

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当院の土曜日の内視鏡検査及び超音波検査は第三土曜日に限って実施しておりますが、今月は都合により26日、第四土曜日へ変更させて頂きます。
何とぞご了承下さい。


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第三土曜日に限って行なっております当院の土曜日の内視鏡や超音波検査ですが、今月は22日、第四土曜日に変更とさせて頂きます。
1月15日の検査はお休みとなりますのでご注意下さい。


2010112500310011847.gif ◆ 診療所ライブラリー 56 ◆


一般の人向けに内視鏡の開発の歴史や内視鏡による治療法などを総合的に紹介する本は意外にもほとんどないので期待していた本です。

まず、現在に至るまでの内視鏡の歴史が語られ、ここ数年で登場した経鼻内視鏡やカプセル内視鏡、小腸内視鏡などにも触れています。
そして画像強調観察や内視鏡を用いた早期胃癌の切除法も解説。
と、まあここまではいいのですが、最後は日本における薬や医療機器の審査・承認システムの問題に言及しています。

一つの本の中で二つの内容をやってしまっては焦点がぼけてしまいます。
前半部分だけをもっと一般の人も分かりやすい文章でたくさんの図版を使って解説すれば、とてもいい本になっていたと思うのですが。
ただ、内視鏡の歴史の部分は外来での待ち時間でサッと読めてしまうのと思いますので、是非目を通してみて下さいね。

ちなみに内視鏡の開発秘話については、このブログを書き始めてすぐの頃に紹介した吉村昭の「光る壁画」( → 内視鏡を題材にした小説 )という作品がお勧めです。


   → 最新内視鏡医学

土曜日の内視鏡や超音波検査は毎月第三土曜日に限って実施しておりますが、今月は25日、第四土曜日に変更とさせて頂きます。
4月18日の検査はお休みさていただきますのでご注意下さい。

また、今月第 4週は祝日が 2日 ( 20日と23日 ) ありますのでこちらもご注意願います。

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  << 胃食道逆流症 第1回 >>


2010051422303218312.gif内視鏡を扱うようになってからちょうど20年経ちました。
この間に内視鏡の機器自体も進化して、観察・診断が中心だった用途が治療の領域にまで広がってきています。

わずか20年の間に日本の消化器疾患も随分様変わりしてきました。
内視鏡に携わり始めた頃は胃・十二指腸潰瘍の症例は日常茶飯事で、肝硬変に伴う食道静脈瘤も珍しくはなかったのですが、最近これらの疾患にお目にかかる機会がめっきり少なくなってきています。

逆に増加の一途を辿っているものもあります。
それを代表するのが胃食道逆流症
日本人の 2-3 割がこの疾患に伴う症状を自覚しているとされ、胃・十二指腸潰瘍の症例数よりも多くなってきました。
実際、上部消化管内視鏡検査をすると 15% 前後の人に食道炎の所見が確認できるとも言われていますが、今年はこの疾患について数回に分けて当ブログ上で考察していきたいと思います。


2010022617294717845.gif今回は、先日参加した講演会についての感想を書き綴ってみます。

検診で胃癌が見つかった人の透視や内視鏡の画像を過去にさかのぼって再検討したものでした。
癌が発見されたのと同じ部位に既に何か変化が起こっていたのではないかという目で以前の画像を見てみると、確かにわずかな変化があったり明らかな見落としがあったりするものです。
複数の医師が判定するにも関わらず問題なしとされているものも多く、会場の医療関係者の大多数もこれを癌と診断せよというのはちょっと酷だなと思われたに違いありません。
しかし、このようなケースをしっかり学んで医師一人一人が診断精度を上げていかなければならないなと改めて実感しました。
また、患者さんが定期的に検査を受けておられるからこそできる検討であることを感謝しなくてはなりません。

胃の検査というと内視鏡が主流となってきた現在、検診の透視のレントゲン写真を読影する若い医師が減り、読影医の高齢化が進んでいるとか。
検診のあり方を変えなくてはならない時期に来ているのかも知れません。

5f9d2xnu.gif「ムカムカする」「胃が重い」「胃がもたれる」「酸っぱいものが上がってくる」・・・。
胸やけとは具体的にどのような症状を言うのかを患者さんに聞くと、実は胃のもたれや吐き気、腹部膨満感などを表現していることもあるため、真の胸やけ症状であるかどうかを判別するのも医師の問診上の大切なポイントとなります。
このことは先日紹介した本にも記載されています。

先週参加した講演会では、この点について面白い話がありました。

それは、胸やけについて看護師や医学部の学生にもアンケートをとったところ、消化器医との間に認識の開きがあるというものでした。
胸やけを起こす代表的な疾患である胃食道逆流症 (逆流性食道炎)の病態から考えて、胸やけとはこのような症状だろうと医師の間では概ね共通した概念を持っているのですが、医療現場にいる人たちとの間にもズレがあるというのは大変興味深い話でした。

また今月上旬に新聞にも載った胃癌の内視鏡的術後の除菌についても話がありました。
早期胃癌を内視鏡で治療した後にピロリ菌の除菌をする群としない群に分け、3年間経過をみたものです。
除菌した群で癌の再発が4%にみられたのに対し除菌しない群ではその3倍の12%に達したということでした。
除菌しても再発があるのは、ピロリ菌感染で既に癌が生じた人を対象としており胃粘膜の状態が相当悪いからだと考えられます。
除菌しても 5年くらいは年に 1回の内視鏡で経過をみていくことが望ましいだろうという意見で、これは日常の診療に大いに参考にすべきものでした。


pr82g0sp.gifウーロン茶が内視鏡検査に活用され始めたことはこのブログで何回かとりあげましたが、今度はコーラについての話題が出てきました。

胃を手術で一部を切除した方では約 1割に胃の動きが鈍くなって食べた物がいつまでも残っていることがあり、内視鏡検査の妨げになる場合があります。
検査前にコーラを飲んでもらうとその問題が解決するらしいのです。
毎年 5月に米国で開催される Digestive Disease Week という消化器病関連の学会において、韓国の医師が発表しました。

以前よりコーラの泡が塊になった食物残渣を溶かすという報告があったそうで、胃切除後の方に内視鏡の前にコーラを700ml 飲んでもらうとほとんど胃の中に残渣がみられず、胆汁の逆流もなかったとのこと。
下部消化管の検査にも応用が効くのではないかとも考えられているようです。

ただし、研究対象がたまたまコーラであっただけで、他の炭酸飲料でも有効な可能性があります。
それに胃の小さくなった人に700 ml の炭酸飲料はちょっとつらいのではないでしょうか。
ともあれ、興味ある報告です。

検査の際だけでなく、胃の術後で食べ物がいつまでも残ってしまう人には食後にコーラを一杯飲むように勧めている医者もいるとか。
でもコーラにはかなり糖分が含まれていて、その含有量は 10% 強といわれています。(参考)
700 ml だと 75 g は含まれている勘定です。
血糖の高い方はもちろん、一般の方も十分に注意する必要があります。


t0jokuzh.gif内視鏡検査にウーロン茶
ちょっと前に当ブログでもとりあげましたが、いま内視鏡医の間でかなり話題になっているようです。
先月聞きにいった講演会でも紹介されましたし、製薬会社のMRさんも情報提供してくれるなど、またたく間に認知されるようになってきました。


当院でこの3ヶ月、ウーロン茶を使用してみて次のようなことが言えると思います。

まず、経鼻内視鏡よりも大腸内視鏡においてより効果が高いようです。
大腸内視鏡で先端に透明フードを使われる方は、これもあらかじめウーロン茶に浸しておくと汚れが付きにくくなります。

経鼻内視鏡でも水に比べるとはるかにレンズ面の汚れの落ちはいいです。
ただし、吸引力の弱い経鼻内視鏡で唾液を取り除こうとすると唾液が納豆の糸のように伸びて処置に困ることがありますが、これはウーロン茶といえども解決しません。
検査中、唾液は嚥下せずに外に出してもらうようにしなければなりません。

施設によっては、安価な物とはいえウーロン茶の代金を誰が負担するかという問題も生じるでしょう。
実際、内視鏡医がポケットマネーから捻出している所もあるようです。
この点はウーロン茶を水で半分に希釈しても効果に変化が感じられませんので、コストを気にされる場合は参考にしてください。
もっとも市販のウーロン茶の濃度も種類によって様々なのでしょうが。

ウーロン茶よりもプーアル茶の方が効果が高いという話もあるようですが、今後多くの医師によって色々な工夫がなされていくことでしょう。





ab85t8i4.gif7月31日に亡くなった作家の吉村昭氏の作品には、
医学分野を扱ったものがいくつかあります。

今や世界中の医療現場に欠かせないものとなった消化管内視鏡は、
日本人の手によって作られた事を皆さんご存知だったでしょうか。
「光る壁画」は、その胃カメラの開発過程を描いた小説です。

吉村氏は驚くほど綿密な取材を基にして、
決してくどくなく、ノンフィクションでもない、確かな表現手法で優れた小説をたくさん作り上げています。
人類の貴重な財産となった内視鏡がどのようにして作られたか、希代の小説家の文章を通して楽しんでみてはいかがでしょうか。

医学分野を扱ったものには「ふぉん・しいほるとの娘」「日本医家伝」、心臓移植を扱った「神々の沈黙」、解体新書の成立過程を描いた「冬の鷹」などがあります。

どれも面白いですよ。


d_zarpgq_1.gifさて副院長をさせていただいております私は、
平成15年まで神戸で内視鏡を中心として医療に携わってきました。
鹿児島に帰ってきてからもたくさんの方々の内視鏡検査をさせていただいております。

内視鏡を通して、神戸と鹿児島の違いを感じることがあります。
まず第一に内視鏡検査において高齢者の方が実に多いこと。今日はこのお話です。

神戸での15年間では、89歳の方の検査が最高齢だったのですが、
鹿児島では何と103歳。他にも2例100歳代の検査を経験しました。
先月だけに限っても90歳代の方の検査を当院で2例行なっています。

これほど多くの高齢者の内視鏡をごく当たり前のように経験させていただいているのは、
単に鹿児島が高齢県であるというだけではないと思います。
鹿児島に帰ってきて、こちらの内視鏡医のレベルが相当に高いことを実感しております。
地元で長年にわたり内視鏡を用いた医療に、多くの先生方の努力が払われた結果、
皆さんが検査に対して、あまり拒否反応を示さないのだろうと考えています。

普段の生活において、こんなにご高齢の方と接する機会はめったにありません。
医療に携わっていればこそ出来る貴重な経験だと思います。
診療所を訪れる高齢者の方々からは、私の方が日々元気を頂いている気がします。
感謝、感謝。

野口内科では
  胃内視鏡  月・木・金   の午前中
  大腸内視鏡 月・木・金・土 の午後

に実施しております。

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