脳今月14日の地元紙のトップニュースは「『古細菌』感染症の原因に」。
これまでヒトへの感染性が知られていなかった古細菌が原因で進行性の認知症が起こり、ある抗生物質投与で改善したというものでした。

新聞記事ではなく、発表された論文 ( → こちら ) の要点は
・舌の不随意運動を伴う進行性の認知症
・髄液検査で単球の増加
・MRIで側頭葉や脊髄などに炎症性の変化
・脳生検で血管周囲にマクロファージとともに古細菌
・ST合剤とステロイドによる治療で改善
といったところになると思います。

感染症の病原体を特定するのに「コッホの原則」というのがあります。
今回の論文ではそれを十分に満たしていないという意見もあるのですが、古細菌という生物が人間の病気を引き起こすことを示したことは間違いありません。
同様の症例が見出せるかとか感染のメカニズム、古細菌が絡む別の疾患が存在しないか、など今後の展開にも非常に興味が持たれる画期的な発見です。

(このニュースが出るまで、古細菌って正直知りませんでした)