◆ 診療所ライブラリー 118 ◆


読む本がんを告知された人が、自身の病を理解して上手に付きあっていくために必要な知識と心得について述べた「がんを告知されたら読む本」。
父親と奥さんをがんで亡くした経験を持ち合わせたがん治療を専門とする医師が、専門用語を極力排した平易な言葉で書いており、一般の方にはとても理解しやすいのではないかと思います。

著者が得意とする免疫療法についての情報に力点が置かれているのはやむを得ないことでしょうが、医学的な効果が十分証明されていないことや治療にコストがかかることを記していますし、そして標準治療を否定する怪しい免疫療法への警告も忘れておらず好感が持てます。

がんの治療の選択肢はいくつかありますが、偏った内容の情報や他人の進言に惑わされ、効果に疑問符がつくような代替療法に飛びつく人が少なからずいます。
この本をまず手に取って、そういう人が一人でも少なくなることを期待します。

  → がんを告知されたら読む本/a>