現在、全国には82の医学部があります( 防衛医科大学も含む ) 。
医学部人気は相変わらずで、入るのに敷居が非常に高い状態が続いています。

医師以前から地方の大学に都会出身の学生が押し寄せて、卒業すると都会に戻っていくので、地方での若手の医師確保が問題になっていました。
それを解決する手段の一つとして「地域枠」という制度があります。
これは、地域の医師確保を目的に都道府県が大学医学部の学生に奨学金を貸与する制度で、特定の地域や医療機関に計9年勤務すれば奨学金の返還が免除されます。
鹿児島県でも、既にこの地域枠から誕生した医師が県内各地で活躍しています。


先日、お隣の宮崎県からこんなニュースが飛び込んできました。

地域枠4人に1人が県外流出 宮大医学部卒業

制度に強制力がなく、県外で働く場合は奨学金を一括返済しなくてはなりません。
しかし、制度の主旨を理解して入学したはずですから、返済すればいいという話ではありませんよね。
本年度からは、地域枠の学生は卒業後に県内の病院でしか研修が受けられなくなるようですが、研修施設の質の向上も求められます。

さて、地域に医師の頭数だけ揃えばいいという話ではありません。
診療科によっては医師不足は相変わらずです。
鹿児島県では、産婦人科・小児科・麻酔科・救急科・脳神経外科・整形外科を目指す学生にも修学資金を貸与しています ( → こちら ) 。

個人的には、地域枠同様、入学時に特定の診療科の医師になることを前提とした枠を設けてもいいのではないかと思っています。
産婦人科医や小児科医になりたいという強い意志を持ちながら、なかなか入学できないでいる人たちがいます。
医師になるのに、大学入試の際の学力はそれほど役に立ちませんから。