野口内科 BLOG

  鹿児島市武岡に開業して42年の野口内科です。
  医療・健康に関する情報はもちろん、近隣の話題、音楽・本のことなどを綴ってまいります。

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8月14日・15日はお盆休みをいただきます。ご了承下さい。



天気痛

 ◆ 診療所ライブラリー 141 ◆


低気圧女子の処方せん 小越久美British Medical Journal ( BMJ ) という医学誌では、毎年クリスマスにユニークな研究論文を掲載します。
今年はその中に、雨が降ると関節痛の受診が増えるかどうかを調べたものがありました。


雨が降る前などに頭痛や関節痛などが悪化する、というのは昔から知られていた現象ですが、最近は「気象病」「天気痛」といった言葉が定着しつつあります。
今回紹介する「低気圧女子の処方せん」は、その気象病について、若い女性にターゲットを絞って書かれたものです。
面白いのは、大半を気象予報士が書いている点。
著者も天気が悪くなると古傷が痛み出すそうなんですが、自身の体験談などをベースにして、気象に密接に関連する病気についてはもちろんのこと、普段の過ごし方などがふんだんに盛り込んであります。

日本において季節ごとに異なる低気圧の発生する仕組みなどを90ページにも渡って記載している点は、気象予報士ならではですね。
ドイツでは、ネット上で当日の天気で起こりやすい気象病まで知らせる「気象病予報」まで発信しているようですね。
鹿児島だと、桜島や新燃岳上空の風向きも天気予報の一部として知ることができ、生活にとても役に立っていますが、単に晴れか雨かという予想だけではない細部に至る情報はありがたいものです。
普段、医師や薬剤師が書いた文章に接する機会が多い私にとってはとても新鮮な内容でした。


さて、先のBMJの論文の報告によりますと、予想に反して関節痛や背部痛を訴えて受診する患者さんは雨の日の方がわずかながら少ないそうです。
天気が悪いと外出するのも辛くなるからではないか、と私は推測するのですが、いかがでしょうか。

 ◆ 診療所ライブラリー 136 ◆


天気天気が悪くなると関節が痛む、という訴えを臨床現場で数多く聞いてきました。
私の膝は天気予報ができる、とまでおっしゃった方もいました。
なぜだろう、と思いながらもその原因を深く考えたことがないのは平凡な医者の証ですね。

気圧や湿度と慢性的な痛みとの関連が徐々に分かってきていますが、今回紹介するのは、長年の研究から「天気痛」という概念を提唱した医師の著書です。
やや専門的な内容も含まれますが、ポイントは、気圧のセンサーが内耳 ( 前庭神経 ) にあり、酔い止めや漢方薬を服用すると、天気に絡む症状を緩和することができるという点です。

五苓散という漢方薬は頭痛に効く場合があるのですが、頭痛に対してもう一つ使い方のコツを掴めないでいました。
しかし、この天気痛という概念を知ってからは、五苓散を効果的に活用できるようになりました。
なぜ効くかは、本書を読んでいただければわかるのではないかと思いますが、関節リウマチの方にも天気が悪くなる前に服用してもらって効果を上げています。
五苓散は、嘔吐や下痢といった消化器症状によく使いますが、非常に応用範囲が広く、お気に入りの漢方薬の一つです。

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