常套02ちょっと気になっている患者さんがいるのですが、カルテをめくってみると ( 当院はまだ紙カルテです ) やはりここ4ヶ月ほど来院されていません。
最後の診察の時に、サプリメントの販売員に「飲んでいる薬が多いからやめるべきだ、と言われた」といった内容のこと話していたのが頭の片隅に残っていたのです。
私は極力薬を出さないようにしていますが、血圧も糖尿病もそれぞれ複数の薬を使ってようやくコントロールできていた方で、とても減薬できるような状態ではありません。
医療から切り離して、儲けさえすればいいという悪徳業者の常套句だという説明もしていたのですが‥。

病院に行けば、血圧測定や血液検査で病気がコントロールが出来ているかどうかは一目瞭然です。
薬をやめれば病院に通わなくなり、そういうデータを取ることもありません。
体調が悪化しても「好転反応」なんていう言葉を使います。
これは、サプリによる副作用や体調悪化を誤魔化すために使われる用語だと思っていいでしょう。
漢方薬を使用する頻度が多いのですが、確かに一時的に普段と違う症状が出現することがあります。
私自身が花粉症に対して小青竜湯という漢方薬を初めて服用した時に、2~3日の間、胃に違和感を覚えました。
これを瞑眩 ( めんげん ) と言いますが、どうもこの現象を好転反応を言い換えたものなんじゃないでしょうか。
瞑眩ならば本当に2~3日で消えてしまいますよ。

糖尿病のある私の遠い親戚でも次のようなケースがあります。
あるスポーツをやっていて体を痛めてしまい、思うように治らずにいた時に、ある知人からトレーナーを紹介してもらいました。
そのトレーナーに付いてもらったところ、体の不具合も改善してきたためすっかり心酔。
ところがです。
数ヶ月して、あなたの糖尿病はこういうトレーニングをすれば治るから病院に通うのはやめなさい、と言われたのです。
言われるがままに内服をやめ、トレーナーの勧める高額なサプリや機器を購入して過ごすこと2年。
その間にどんどん痩せて細っていったのです。
どうしても気になって病院に行ってみたら、血糖がとんでもないことになっていたのでした。
通院を再開して、今では元気に過ごしていますが、親戚はこの経験をおおいに反省しています。

病気やけがに付け込んで、巧みな言葉で近づいて信頼を得てから、一儲け。
途中で体調の異変があっても、すぐに発見されないようにこれまた口八丁手八丁で医療と切り離してしまうのです。
サプリメントや健康食品で病気は治りません。
健康と財布の中身を奪われないように、皆様もくれぐれもお気をつけて。