野口内科 BLOG

  鹿児島市武岡に開業して42年の野口内科です。
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8月14日・15日はお盆休みをいただきます。ご了承下さい。



小青竜湯

kafun6.gif私が花粉症となって10年以上経ちます。
思えば、神戸の郊外に位置する病院に勤務していたときのことでした。
その病院のすぐ裏手が杉林。
間近に大量の花粉を浴びたのがきっかけだったのでしょう。

以来シーズンともなると涙はぼろぼろで両鼻は詰まり、夜は全く眠ることができないこともしばしば。
様々な抗アレルギー薬を試してみましたが、鼻水が垂れるのは落ち着くものの鼻詰まりは悪化し、夜間の不眠と相まって副作用の眠気が仕事に支障をきたす始末。
そんな中で一か八かで試したのが小青竜湯という漢方薬。
素晴らしい出会いでした。
症状を完璧に抑えこむわけではありませんが、眠気は来ないし何より鼻の通りが良くなることには驚きです。

このことをきっかけに、漢方薬を日常の診療に役立てる機会がぐっと増えました。
漢方薬は作用機序がわからん、と毛嫌いする医師も多いのですが、治療手段の幅が拡がり患者さんに喜ばれることも随分経験しています。

ちなみに小青竜湯は花粉症の 3人に 2人位の割合で有効な印象です。
これが効かない方には別の漢方薬を組み合わせて処方しています。
鼻詰まりや薬による眠気に悩まれている方は漢方薬を一度試してみてはいかがでしょうか。

agml.gif先日、漢方薬の葛根湯が原因ではないかと考えられる胃炎の症例に遭遇しました。
前庭部を中心にしてびらんが目立っていました。

以前、葛根湯により急性胃粘膜病変 (AGML) を生じたとする文献を読んだことがあります。
葛根湯に含まれる麻黄
この中にプソイドエフェドリンという物質が存在します。
これに解熱鎮痛薬 (NSAIDs) 様の作用があるとされているのです。

このため私は麻黄を含有する漢方薬に関しては食後の服用を勧めています。
私自身花粉症なのですが、この時期お世話になる小青竜湯にも含まれています。
漢方薬は食前または食間に服用することとなっていますが、私の経験上食後に飲んでも十分に効いてくれています。

先の症例の方、検査の少し前に風邪気味で薬局で葛根湯を購入し食前に飲んでおられたようです。
漢方医に言わせると、症を間違えて処方するからだ、となるのでしょうが、薬局でも市販されている薬。
薬剤師さんや購入者自身が葛根湯に適した「実証」であるかどうかまで判断するのはむずかしいと思います。
漢方薬にも副作用があることは十分留意してください。

ちなみに、プソイドエフェドリンはオリンピックで禁止薬物に指定されています。
シドニー五輪の際、16歳の女子体操選手から検出され金メダルを剥奪されるという事件もありました。

(なお、写真と症例は関係ありません)

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