野口内科 BLOG

  野口内科は鹿児島市武岡に開業して46年を迎えました。
  当ブログでは、当院からのお知らせ、医療・健康に関する情報の他に、近隣の話題、音楽・本のこと等を綴ってまいります。

    診療時間 午前  9:00〜13:00
         午後 14:30〜18:00 (金曜は〜18:30)
    休診   日曜・祝日・木曜午後
    電話   099−281−7515
    住所   鹿児島市武岡二丁目28−4
    院長   野口 仁

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 ◆ 診療所ライブラリー 200 ◆


自律神経のしくみ様々な体の不調で病院を受診して、自律神経失調症という言葉で片づけられたり、あるいはご自身でそう思い込んだりしていないでしょうか。

自律神経ってどんなものか説明できない場合は、是非この本を読んで下さい。
説明文中に太字・アンダーラインを駆使して視覚的にも重要ポイントがが飛び込んできますし、時にユーモラスなイラストで容易に理解が深まると思います。
しっかり知識を身に付けた上で、本当に自律神経の乱れがあるのか、その結果として体の不調に繋がっているのかを考えてみましょう。

日常生活に役立つ情報も満載です。
このブログでも過去に書きましたが、体内時計を調えるための朝食の重要性 ( → 参考 ) や、飲酒で寝つきは良くなるけど眠りは浅くなること ( これは普段から私が口を酸っぱくして言っていること ) なども解説しています。
これも以前書きましたが、温度を感じるセンサーTRPV1のこと ( → 参考 ) にも触れているのはちょっと驚きでした。

自律神経についてのマメ知識がたくさん身に付くこと間違いなしの一冊です。

 ◆ 診療所ライブラリー 199 ◆


かゆみをなくすための正しい知識寒くなるとかゆみを訴える方が増えてきます。

今回紹介する本に書かれている「皮膚の役割とかゆみの対処法」や「かゆみを引き起こす病気や習慣」「薬に頼らないかゆみ対策」といった項目は、一般の方々にはとても実用的で、特に冬季に役に立つこと間違いなしです。

一方、個人的に興味深く読んだのは、第一章の「かゆみのメカニズム」です。
以前は「かゆみは痛みの弱い感覚」というのが通説でした。
実際、幼い頃に医師である父からそう教えてもらったことがあります。
しかし、かゆみが強くなって痛みに変化したり、その逆で痛みが和らぐ過程でかゆくなるといった経験をしたことがなく、ホントかなと思っていました。
でもやっぱり、医学部の講義でも同じ説明がなされました。
それがひっくり返ったのが1997年。
かゆみを伝える神経が発見されたのです。
掻くとかゆみが落ち着くメカニズムがわかったり、かゆみをピタリと止める新薬の開発へとつながったりしていきます。
そのあたりの話が満載の第一章はちょっと専門的なのですが、面白いです。

 ◆ 診療所ライブラリー 198 ◆


耳が遠くなった最近導入した電子メモパッドは多いに役に立っていますが、耳の遠い方とのやり取りには苦労することが多いです。
難聴をきたすと、様々な問題が生じます。
先日も、同居の難聴の方との会話が減った・言ったことが伝わっていないのか認知症なのか分からないと言った相談を受けました。

今回紹介する本では、音の聞こえる仕組みから難聴の種類を解説しているだけでなく、難聴と認知症の関係や、難聴から生じる周囲社会との関係性の希薄化から来る孤独感やうつなど、様々な面を掘り下げています。
そして、生活を豊に快適にするデバイスとしての補聴器の積極的な活用を解説しています。

ご自身だけでなく、近しい人の難聴が気になったら是非手に取っていただきたい本です。

 ◆ 診療所ライブラリー 197 ◆


和食の食べ方を知れば、神戸在住時、須磨寺で月に1回開催される骨董市にたびたび足を運びました。
土地柄、外国人が多く、興味深そうに和箪笥を覗き込んだり、ハッピを手に取ったりしている光景を思い出します。
この人達はどういう風に日本の古い物を生活に活用するのだろうかと想像すると、それまで関心を向けてこなかったそういうアイテムが急に輝いて見えました。
外国人の目を通して日本の古いものを再認識することは、これまでもたびたび経験しています。

今回紹介するのは日本で活躍しているオーストラリア人が書いた本で、和食の良さを改めて思い知らされる内容になっています。
豆腐・枝豆・しらたき・わさび・太巻きなど、海外で注目度が高まり取り入れられつつある食材も多いことの紹介等を通して、和食が世界一のアンチエイジングフードであり美しさをかなえてくれる食事であると説いています。
そして、和食という食文化を維持できるのは日本人だけだと強調しています。

この本を読んで、普段の食生活を見直してみませんか。
鹿児島はおいしい食材の宝庫ですし。

 ◆ 診療所ライブラリー 196 ◆


人体科学雑誌のNewtonが発刊している「最強に面白い !!」というシリーズは、物理や化学と並んで人体に関連するものもいくつか出ています。

その中の一つ「人体 取扱説明書編」
見開きで、イラストをふんだんに用いて体の仕組みを分かりやすく説明しています。
横書きなのも好感触です。
解剖学に基づいて、スマホ首への対処法・腰への負担の少ない座り方・呼吸筋の鍛え方なども解説しており、これは皆様方の日常生活に役に立つものと思います。

個人的には、医学史にも精通している著者による解剖学の歴史がお気に入りです。
最近は医学の歴史にハマっていたので、とてもタイムリーでした。
いずれ、ブログのネタになるかも知れません。

 ◆ 診療所ライブラリー 195 ◆


胃は歳をとらないピロリ菌のこと・機能性ディスペプシアのこと・逆流性食道炎のこと。
主にこの3つのことについて、常に研究の最先端をいく著者がわかりやすく解説している本です。


知覚過敏という言葉を聞いて、真っ先に思い浮かべるのは歯ではないかと思います。
実は、食道や胃においても重要な要素であることがわかってきています。

まず、胃食道逆流症のうちの一つ、非びらん性胃食道逆流症。
逆流性食道炎と同じような症状があるのに内視鏡で異常が認められない疾患です。( →  参考「トウガラシを口に入れてもすぐに辛く感じないのは」)
参考で示した過去の記事を参照していただきたいのですが、食道と胃のつなぎ目の部分の知覚過敏が原因とされており、意外にも胃腸の粘膜に大敵とされるロキソニンなどの解熱鎮痛薬が有効なことがあります。

次に、機能性ディスペプシアの中の心窩部痛症候群
これも胃の知覚過敏が原因で、胃酸の刺激や胃の収縮を痛みとして感じ取っているとされています。
心窩部痛症候群に解熱鎮痛剤を試したことはありません。
というのも、柴胡桂枝湯という漢方薬が奏功するケースが多いからです。


一般の方々には聞きなれない疾患も科学的な根拠に基づいて非常にわかりやすく解説しているこの本、お勧めです。

 ◆ 診療所ライブラリー 194 ◆


オンナたちの甲状腺女性にターゲットを絞った甲状腺疾患を解説する本です。
横書き、オールカラーにポップなイラスト入り。
一般向けの医学解説書でこんな仕上がりの素晴らしい本はそう滅多にありません。
印象的な本のタイトルは、内容がすぐに連想できますしシンプルでいて考え抜かれていますね。

胎生期から思春期、妊娠・出産期、老年期など、人生のステージに応じた流れに沿いながら、甲状腺の様々な疾患や検査法を解説していく内容になっています。

特に不妊治療や妊娠を維持するための甲状腺機能チェックの重要性や、過度なダイエットに起因する低T3症候群の解説などは、女性の方にとっては貴重な情報源になると思います。

一般の方々だけでなく、医学生や医療関係者にも知識の再確認に役立つのではないかと思います。

 ◆ 診療所ライブラリー 193 ◆


栄養素キャラクター図鑑基本となる栄養素がキャラクターとなって、その働きやどんな食材に含まれているか、相性の良い栄養素などを見開きで解説。
全ての漢字にふりがなが振ってあるので、小学生でも楽しみながら栄養素について学ぶことができるようになっています。
成人の方々とっても十分に勉強になる内容で、特にサプリメントなどで過剰に摂取した場合の注意点などが書かれているのには好感が持てます。

キャラクター図鑑は、人体・からだと免疫・食物アレルギー・漢方薬・感染症・食品添加物・元素など、様々なジャンルのものが刊行されているようなので、順次取り揃えていこうと思います。
待合室でのひとときを、楽しく学べる時間としてください。

 ◆ 診療所ライブラリー 192 ◆


飲んでる薬
阪神淡路大震災をきっかけに普及したお薬手帳を開くと、他の病院で出されている薬を知ることが出来ます。
そうすると、一体何を目的にしているのか訝しい処方内容を目にすることがあります。
私の処方もお薬手帳を通して他の医師や薬剤師の知るところになるわけですが、その時に患者さんの疾患背景がしっかりと浮かび上がるような内容になっているのではないかと自負しています。
患者さんの状態と薬の効果。副作用・相互作用をよく吟味して、投薬の必要性の評価を折りに触れて行っていると、自然と処方内容がシンプルになってきます。
私の減薬の考え方については「内科学会雑誌の減薬に関する症例提示、まだまだ手ぬるいと思います」に書いていますのでご覧になって下さい。


特に高齢者における多剤併用 ( ポリファーマシー ) の問題はここ数年クローズアップされてきています。
しかし、高齢者の身体特性を意識した薬の使い方がまだまだ十分とは言えないのが現状。
今回紹介する本は、処方を受けている側の患者さんやそのご家族向けの内容になっていて、このポリファーマシー問題について認識していただけるものと思います。

ポリファーマシーは処方する我々医師の方が十分に配慮しなくてはならない問題ですが、高齢患者さんの側もご自身に処方された薬についてしっかり理解して、ご自身の問題として気をつけていただきたいと思います。

 ◆ 診療所ライブラリー 191 ◆


認知症の人が見ている世界「認知症の人は、理由もなく不可解な行動や言動を取るのではありません。むしろ、認知症の人は懸命に考えているのです。その心の内が見えれば、不可解な言動にも理由や意味があることがわかります。」
と、冒頭で述べる理学療法士がこれまでに経験してきた認知症ケアをマンガ形式で紹介する本です。

認知症の方と接していると高頻度に起こる様々な状況が網羅されています。
非認知症の世界からは理解しがたい言動の裏にある認知症の世界を読み解くと、接し方がまるで変わってくることが手に取るようにわかる内容です。
ケアする側の心がけ一つ、話し方一つで認知症の方も安心感が増し、それはケアする側のイライラ解消にも繋がります。
そのノウハウがいっぱい詰まった良書です。

 ◆ 診療所ライブラリー 190 ◆


「食べる」介護のきほん在宅でご家族を介護されている方が少なくないと思います。
日常生活動作に介助を要する場面が多々あることでしょう。
その中でも食べることは楽しみの一つでもあり、生活の質に最も結びつきやすいものです。

その食事を自身で摂れなくなった高齢者に対する食事の介助法や口腔ケアについてわかりやすく解説してある本書。

著者は身内の介護の経験があり、栄養士の資格を持つ歯科医。
ということで、非常に実用的な内容です。
特に、食べてくれない・口を開けてくれない・飲み込むのに時間がかかる・むせてしまう、といった困った状況に対しての適切なアドバイスも記載されています。
そして、上手な手抜きを勧めています。
理屈を知って効率的に介助をすることで身体的にも時間的にも介護の負担軽減に繋がるというコンセプトが貫かれています。

コロナ禍では、マスクを着用しない食事の時間は短く済まれたいもの。
本書を読んで上手に活用していただきたいと思います。

 ◆ 診療所ライブラリー 189 ◆


うんこのつまらない話ここ数年、病院で処方できる便秘薬の種類がグッと増えてきました。
センナなどの大腸刺激性薬や酸化マグネシウムといった薬が日本の治療の主役だった状況に変化が表れつつあります。

便秘の分類法も変わってきています。
昔は「弛緩性便秘」「痙攣性便秘」などに分けていました。
今は、症状からは「排便回数減少型」「排便困難型」、病態からは「器質性便排出障害」「大腸通過遅延型」「大腸通過正常型」「機能性便排出障害」と分類します。


紹介するのは、便秘の定義や分類方法、新薬の使い方、食事、排便時の姿勢の工夫など、少ないページ数ながら最新情報満載の本です。
一般の方はもちろん、便秘治療の最新情報がまだ頭の中でスッキリ整理できていない医療関係者の方々にもお勧めの一冊です。

特に、一般の便秘と便秘型過敏性腸症候群はきっちり見極めて治療していくことの重要性が説かれています。
また、 最近登場した薬がどういう方に適しているかも的確にまとめられています。

 ◆ 診療所ライブラリー 188 ◆


くすりの科学知識雑誌Newtonの別冊は4月にも紹介しましたが、豊富な図版を駆使しし易しい文章で難しい科学の世界を理解させてくれるスキルは相変わらずです。

改定3版として10月に発売されたこの本では、「創薬の世界」「画期的な薬のできるまで」と並んで「予防薬としてのワクチン」という特集が組まれています。
ここでトピックスとして書かれているのが mRNAワクチンについて。
核酸ワクチンの仕組みやアレルギー反応についての解説が丁寧になされていて、新型コロナワクチンに対する懸念をいまだに持っている人の不安解消に繋がるものと思います。

また、病院に行くとよく処方される薬を約190種類取り上げられており、薬の事典としても活用することができます。

多くの漢字にはルビが振られており、小学生でも図版を見ながら薬のことが学べるのではないかと思います。
冬休みの読書にこの本を加えてみてはいかがでしょうか。

 ◆ 診療所ライブラリー 187 ◆


いつでも君のそばにいる今回紹介する本は、理屈抜きにすごい葉っぱの切り絵の作品集。
ページをめくるたびに、精緻を極めた作品に驚くばかりです。

ADHDだという作者が、自身の集中力やこだわりを前向きに生かすために取り組み始めたそうで、ネット上で作品を発表していくうちに大きな反響を呼び、この本を発刊するに至ったようです。

ADHDって病気でもないし、障害でもない、その人の個性です。
その個性を遺憾なく発揮できる場面と巡り合うことができれば、人類の未来さえ変える力になることもあります。

表紙を飾っている作品を拡大しておきます。( クリックで更に拡大 )
興味のある方は、是非本を手に取ってみてください。

いつでも拡大

 ◆ 診療所ライブラリー 186 ◆


暮らしの感染対策バイブル猛威を振るった新型コロナウイルスの第五波。
医療が逼迫し、入院できず自宅やホテル療養を余儀なくされた人たちが溢れていたのもウソのように落ち着いてきました。
この沈静化の理由がよくわかっておらず、ワクチン接種の進行や人々の行動変容などが推定されているのはご存知の通り。
個人的には、デルタ株に取って代わる強い感染力を持つ変異株が登場していないことも大きな要因だと考えています。
いろんな規制も緩和されてきていますが、油断は大敵です。
実際、海外では感染者が増加傾向にある国が増えてきています。

今回紹介する本は、新型コロナに限らずインフルエンザやノロウイルスなどの感染予防にも役立つ本です。
手洗いやマスクの装着法、外出時や家庭内での注意点、そして新型コロナに関する豆知識などを、Q&A方式で分かりやすく解説してあります。
感染予防の基本や普段の生活の中でちょっと疑問に思うことを、パラパラめくって再確認してみましょう。
そして、第六波に飲み込まれることのないように。
一家に一冊、必携の本だと思います。

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