野口内科 BLOG

  鹿児島市武岡に開業して42年の野口内科です。
  医療・健康に関する情報はもちろん、近隣の話題、音楽・本のことなどを綴ってまいります。

    診療時間 午前  9:00〜13:00
         午後 14:30〜18:30
    休診   日曜・祝日・木曜午後
    電話   099−281−7515
    住所   鹿児島市武岡二丁目28−4
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 ◆ 診療所ライブラリー 143 ◆


減塩当院の待合室には、疾患の理解に役立つようなチラシや小冊子などの資材を取り揃えています。
その中で特に人気なのがレシピなどが載っている食事関係のもの。
置いたらすぐになくなってしまうものもあります。

ライブラリーの方にも食生活に役に立つ本を複数用意しています。
糖尿病や高血圧はもちろん、おなかの手術後の献立、嚥下困難の際の工夫・・・、できるだけ広いジャンルをカバーできるように品揃えを心がけています。

最近もいくつか手に入れましたが、その中の一冊「賢い減塩の技。」。
有名な雑誌の特別編集版で、単なるレシピ本に留まっておらず、読み物としても楽しめるようになっています。
無造作に並べてある本棚なので申し訳ないのですが、探してみて是非手に取ってみて下さい。

 ◆ 診療所ライブラリー 142 ◆


恥ずかしがらずに便の話をしよう 佐藤満春前回紹介した「低気圧女子の処方せん」は気象予報士がメインで書いた本でしたが、今回紹介する「恥ずかしがらずに便の話をしよう」の著者はお笑い芸人でもあり放送作家でもある方。
トイレに関しての造詣が深いという著者による内容はいたって真面目で、医療関係者の記す専門用語をちりばめた堅苦しい文章ではなく、平易な言葉で書いてあるのでとても分かりやすいです。
もし私も何か医療関係の本を書くとしたら、このような文章を心がけたいと思います。

便や排便にまつわる一般的な解説がなされているのはもちろんですが、特に力点が置かれているのは第六章の「現代社会が抱えるうんこ問題」ではないでしょうか。
日本は便座や下水道の整備では世界最高水準にあるそうなんですが、その一方で「便育」という分野の遅れを著者は危惧しています。
排便というと、どうしてもネガティブなイメージを持ちがちです。
しかし、それを払拭して食べることと同じくらい尊い行為であると子供たちにしっかり学んでもらい、学校などでの排便をためらわない環境作りを提唱しています。
かく言う私も、学校で排便するとからかわれたりするので恥ずかしくてとてもできなかったのですが、日常的に排便を我慢することが習慣になると便秘につながっちゃいますしね。

他にも腸内環境の整え方やおしりの拭き方、介護現場での排便問題など非常に役立つ情報も多く含まれています。

♦♦♦♦♦

なお、本文中に「便秘の定義ははっきりしない」という項目がありますが、ちょうどこの本が発行された昨年秋に日本消化器病学会で「本来排出すべき糞便を十分量かつ快適に排便できない状態」と定義されました。
非常に単純明快なすっきりした定義ですよね。

 ◆ 診療所ライブラリー 141 ◆


低気圧女子の処方せん 小越久美British Medical Journal ( BMJ ) という医学誌では、毎年クリスマスにユニークな研究論文を掲載します。
今年はその中に、雨が降ると関節痛の受診が増えるかどうかを調べたものがありました。


雨が降る前などに頭痛や関節痛などが悪化する、というのは昔から知られていた現象ですが、最近は「気象病」「天気痛」といった言葉が定着しつつあります。
今回紹介する「低気圧女子の処方せん」は、その気象病について、若い女性にターゲットを絞って書かれたものです。
面白いのは、大半を気象予報士が書いている点。
著者も天気が悪くなると古傷が痛み出すそうなんですが、自身の体験談などをベースにして、気象に密接に関連する病気についてはもちろんのこと、普段の過ごし方などがふんだんに盛り込んであります。

日本において季節ごとに異なる低気圧の発生する仕組みなどを90ページにも渡って記載している点は、気象予報士ならではですね。
ドイツでは、ネット上で当日の天気で起こりやすい気象病まで知らせる「気象病予報」まで発信しているようですね。
鹿児島だと、桜島や新燃岳上空の風向きも天気予報の一部として知ることができ、生活にとても役に立っていますが、単に晴れか雨かという予想だけではない細部に至る情報はありがたいものです。
普段、医師や薬剤師が書いた文章に接する機会が多い私にとってはとても新鮮な内容でした。


さて、先のBMJの論文の報告によりますと、予想に反して関節痛や背部痛を訴えて受診する患者さんは雨の日の方がわずかながら少ないそうです。
天気が悪いと外出するのも辛くなるからではないか、と私は推測するのですが、いかがでしょうか。

 ◆ 診療所ライブラリー 140 ◆


希望のごはん クリコ今回紹介する「希望のごはん」は、いくつかのメディアに取り上げられていたのが目に留まっていました。

病気によって噛む行為が困難になった夫のために作った介護食。
病状を考えながら食事に工夫を凝らす試行錯誤の顛末も書かれていて、単なるレシピ本でもなく、単なる闘病記でもないという新鮮な感覚の本に仕上がっています。
夫婦で取り組む闘病という非日常を、日々創造しながら楽しんでいたのではないか、そうも思える爽やかな読後感でした。

これまでいろんな患者さんを診てきましたが、食べることがしっかりできている人とそうでない人では大病後の生活のクオリティーがまるで違います。
また、高齢者では健康であっても低栄養状態になっているケースも多く、蛋白質をしっかり摂るように推奨されています。
そうは言っても、食事のメニューを変えていくのもなかなか大変な作業です。
この本を通じて、マニュアル化されたようなレシピではなく、一人一人の病状に応じた工夫を凝らして美味しく楽しい食生活を過ごすことがとても大事であると改めて考えさせられました。
また、医療界ではクリティカルパスなどで、治療や検査を標準化しようとする流れが以前からあるのですが、食に限らず個々の状態に合わせて適宜最適化していく努力を回避してはいけませんね。

今回の本から、様々なことを学ばせてもらったように思います。

 ◆ 診療所ライブラリー 139 ◆


手洗いの疫学とゼンメルワイスの闘い 玉城英彦10月15日は「世界手洗いの日」であることは先日もブログに書きました。( → 手洗い )
今回取り上げるのも、手洗いが主題となっている本です。

手洗いという簡便な作業が、基本的な感染予防の手段で、一定の効果を持っていることは皆さんもよくご存知だと思います。
でも、それが当たり前でない時代があったのです。
手袋もせずに病理解剖をしたその手を洗わないまま、引き続き妊婦の診察をして産褥熱を引き起こし、次々に死に追いやっていた・・。
当時の医学の最先端にあったウィーン大学病院ですら、そんな時代があったのです。
まだ細菌が病気を引き起こすと解明されていなかった19世紀の半ばにあって、手洗いの重要性を説きながらも、それが当時の医学界に受け入れられず、非業の死を遂げたイグナーツ・ゼンメルワイス

今回紹介する「手洗いの疫学とゼンメルワイスの闘い」においては、彼の生涯を描きながら、手洗いを中心とした感染対策や疫学の重要性を非常にわかりやすく伝えてくれる、中身の濃いなかなかの名著です。
医学関係の本は横文字や図版が多く入るので横書きがいいと私は常に言っていますが、この本は文章が中心なのに横書きなのも評価が高い点です。
それにしても、手洗いをするようになって産褥熱が激減したにも関わらず、自らの手が産褥熱を引き起こしていることを頑なに認めようとしなかった当時の医師たちは、ゼンメルワイスが去った後に手洗いを止めてしまい、再び産褥熱の増加を招いても手洗いの重要性を認識できなかったというのは不思議でなりませんね。

彼の功績は、彼の死後にジョゼフ・リスターによって脚光を浴び、評価されるようになります。
今では「感染防護の父」と崇められ、ハンガリーの首都ブダペストの医科大学はその偉業を称え、彼の名前を冠しています。( ハンガリーの現地読みでは「センメルワイス」のようです )
時代が追いついていなかった面があるとはいえ、成した仕事が生きている間には全く評価されないなんて悲しいですし、まだまだ彼の名前を知らない人が多いのも残念でなりません。
このすばらいし本に目を通していただき、イグナーツ・ゼンメルワイスの名前を是非覚えていただきたいと思います。
そして、普段から手洗いをしっかりと励行していただきたいと願っています。


【産褥熱】 分娩終了24時間以降、産褥10日以内に2日以上、38°C以上の発熱が続く場合と定義されています。臨床的には子宮を中心とした骨盤内感染症とほぼ同義語として使用されます。

 ◆ 診療所ライブラリー 138 ◆


胃がんの原因はピロリ菌です 内藤裕二怪しげな健康情報を載せた本ならともかく、ちゃんとした医学的情報に基づいた本で「胃がんの原因はピロリ菌です」と、ここまで断定的なタイトルをつけたものは珍しいのではないでしょうか。
一般向けとしてはかなりボリュームがある情報量で、我々も教科書として使えるくらいの内容ながら、図版も駆使してピロリ菌除菌の重要性をわかりやすく説いています。

私が研究室にいる頃、消化器の分野ではピロリ菌に関する研究が花盛りでした。
ピロリ菌が胃粘膜を傷めるメカニズム、除菌にはどのような薬剤の組み合せと期間が良いか、除菌によって胃がんの発症は防げるか・・・。
様々なことがわかってきて、今は中学生や高校生の頃に早めに除菌しましょうという流れが出来つつあります。
鹿児島県でも本年度から高校1年生を対象としたピロリ菌検診が始まりました。( → ピロリ菌検診、そして除菌を妨げる因子 )
こういった取り組みが全国的に広がると、日本から胃がんという疾患がほとんど駆逐されると思います。

それにしても未だによくわからないのが、ピロリ菌にどうやって感染するのかということ。
井戸水が、なんて話もありますが、人間の体外でピロリ菌はどうやって過ごしているのか、さっぱりわからないのですから。

 ◆ 診療所ライブラリー 137 ◆


下肢静脈瘤発生頻度としては10人に1人と言われている下肢静脈瘤
決して珍しくない疾患だけに、通院中の患者さんからも時々相談を受けることがあります。
残念ながら内科では対応の難しい疾患なのですが、おおまかに静脈瘤の成因や日常での過ごし方などを説明し、必要があれば処置のできる病院を紹介しています。

今回紹介するタイトルもズバリ「下肢静脈瘤」という本では、この疾患について写真やイラストを交えてわかりやすく解説がなされています。
治療法については、レーザー治療の説明にかなり偏り過ぎているのですが、他の方法についても簡単に触れられているので、まあ良しとしましょう。

下肢静脈瘤が気になる方は、待ち時間の間にこの本を手に取ってみて下さい。

 ◆ 診療所ライブラリー 136 ◆


天気天気が悪くなると関節が痛む、という訴えを臨床現場で数多く聞いてきました。
私の膝は天気予報ができる、とまでおっしゃった方もいました。
なぜだろう、と思いながらもその原因を深く考えたことがないのは平凡な医者の証ですね。

気圧や湿度と慢性的な痛みとの関連が徐々に分かってきていますが、今回紹介するのは、長年の研究から「天気痛」という概念を提唱した医師の著書です。
やや専門的な内容も含まれますが、ポイントは、気圧のセンサーが内耳 ( 前庭神経 ) にあり、酔い止めや漢方薬を服用すると、天気に絡む症状を緩和することができるという点です。

五苓散という漢方薬は頭痛に効く場合があるのですが、頭痛に対してもう一つ使い方のコツを掴めないでいました。
しかし、この天気痛という概念を知ってからは、五苓散を効果的に活用できるようになりました。
なぜ効くかは、本書を読んでいただければわかるのではないかと思いますが、関節リウマチの方にも天気が悪くなる前に服用してもらって効果を上げています。
五苓散は、嘔吐や下痢といった消化器症状によく使いますが、非常に応用範囲が広く、お気に入りの漢方薬の一つです。

 ◆ 診療所ライブラリー 135 ◆


胃もたれ私が医者になった頃に多かった胃・十二指腸潰瘍胃がんなどは、ピロリ菌の除菌療法が普及したことで、随分減ってきました。
かわりに上部消化管疾患で目立ってきたのが、逆流性食道炎機能性ディスペプシア

前者は以前からあったものの、ピロリ菌陰性の人が増えたり食の欧米化が進んできた結果、目立って増えてきました。
後者は、以前なら検査しても異常ないため、気のせいだと片づけられてきた疾患です。
潰瘍やがんからいわゆる不定愁訴に研究者の目が向いてきて、疾患概念が確立してきました。
しかし「ディスペプシア」という横文字をうまく日本語に表現できないせいもあって、患者さんはもちろん、消化器を専門としない医師にももうひとつ理解が進んでいない病気です。

この両者を中心に、胃の不調についてまとめられているのが今回紹介する『「胃もたれ・胸やけ」は治せる』です。
イラストがふんだんに使われていますし、非常にわかりやすく概念や治療法、生活習慣の改善などがまとめられていて、お勧めです。

いつも思うのですが、医療系の情報は横文字や数字が多いので、断然横書きが読みやすいと思います。
この本では、多くを占める図表中においては横書き、本文は縦書きです。
こういうのを難なく読み進めることができる日本人って希有な人種ですよね。


なお、機能性ディスペプシアについては、Rome III という国際診断基準の時代のものでしたら、当ブログ「心窩部にまつわる話」に書いてありますので参考にして下さい。

 ◆ 診療所ライブラリー 134 ◆


なぜかは鹿児島ではそろそろに悩まされる時期に入ります。
知らぬ間に近寄ってきて血を吸うだけならまだしも、その後に痒さといったらたまりません。
日本ではまあそれだけの存在ですけど、世界的にみるとマラリアデング熱など様々な疾患の運び屋としてとても厄介な存在です。( 日本でも日本脳炎やイヌのフィラリア症は問題ですけどね。)

そんな蚊について、生態から科学的に解明された最先端の知見までを網羅してあるのが今回紹介する「なぜ蚊は人を襲うのか」です。
著者の文章能力が長けているので、図版がわずか1つしかなく難しい内容も含まれるのに、一気に読み進めることが出来ます。
遺伝子レベルでの細かい研究がなされていることや、蚊を減らすための様々な試みが行われていることなどに驚きます。
また、歴史上の人物や文学と蚊の関わりなどにも言及しており、著者の幅広い知識には感心しきりです。

私が普段から興味のを持っている温度を関知するセンサー、TRPチャンネルは蚊にもあるようです。
蚊は二酸化炭素・におい・温度の3つを手がかりに標的を探し出すようですが、ワサビの成分がその温度センサーであるTRPA1を麻痺させてしまうようですね。
ワサビが効くなら、ショウガやシナモン、マスタード、ニンニク等もいけるはずです。
今度庭にでる時はいろいろ試してみたいと思います。

 ◆ 診療所ライブラリー 133 ◆


失敗内科医は、患者さんの症状から診察や検査結果を基に診断を下して薬を処方する、というのが主な仕事です。
薬は正しく使ってこそ薬になるのですが、患者さんが想定外の判断をしてしまうことが多々あります。
これまでで一番驚いたのは、友人に処方されたインスリンを借りて試しに打ってみた、という糖尿病の患者さんの行動でした。
インスリンは、それぞれの患者さんの血糖の状態に応じて、種類や打つタイミング、量を決めますので、好き勝手に注射すると重篤な低血糖を起こし、昏睡に陥ることすらあります。

今回紹介する「失敗から学ぶ薬を使う時の12のルール」の中では、自己判断での薬の減量・中断、他人に薬を譲るなど、日常でよく遭遇する事例を12個挙げ、それを通して薬の基本的知識や適正使用の大切さが楽しく学べる構成になっています。
イラストが多く平易な文章が心がけられているので、小学生でも読めるのではないかと思います。

我々もこの本に書かれているような事態が起きる可能性も考慮しつつ、処方がややこしくならないように心がけたいですね。

 ◆ 診療所ライブラリー 132 ◆

ゲーとピーお子様用の読み物、拡充」でもお知らせしましたが、待合室の子供用の本を増やしました。

そのの中の一冊「ゲーとピー」。
タイトルからお察しの通り、嘔吐と下痢について、やさしくユーモラスに説明してある絵本です。
「ゲー」だの「ピー」だの、幼少時から慣れ親しんでいる我々にはすぐにピンとくる擬態語ですが、擬態語は全てが辞書に網羅されているわけではありません。
だから日本語を学ぶ外国人の方には習得のネックになっているのではないかと思います。

すべてひらがなで書かれていますが、後半はちょっと文字数が多いので、小さいお子様には読み聞かせてあげるのがいいかも知れません。
この絵本を通して病気や体の仕組みについて興味を持ってくれたらうれしいです。
待ち時間の間に是非手にしてみて下さい。
もう20年近くも前に発売されたものですが、絵本は簡単には絶版にならないのがいいところですよね。

 ◆ 診療所ライブラリー 131 ◆

貧血大国
消化器疾患を扱っていると、無縁でいられないのが貧血
大量の吐血・下血はもちろん、本人も気付かぬままに消化管からじわじわと出血が続くことも、貧血を招く原因となります。
内視鏡による止血操作や貧血治療は日常茶飯事のことです。

♦♦♦♦♦

貧血はありふれた疾患であるにもかかわらず、はっきりとした診断基準がありません。
WHOによる貧血の定義は、血液中のヘモグロビン ( 血色素 : 以下Hb ) が減ることをいい、その数値が示されています。
しかし、この数値をわずかに下回った程度では全く自覚症状はないはず。
ある教科書には「末梢組織に十分な酸素を運ぶだけの赤血球の量が維持できない状態」を貧血と定義していて具体的な数値はありません。
数値だけでなく、動悸や息切れといった酸素が全身に十分量行き渡らない結果として起こる症状の有無も大事なポイントになるのです。

貧血の中で最もよくみられる鉄欠乏性貧血も同様に数値的な明確な定義がありません。
Hb・MCV・血清鉄・フェリチン・TIBC・UIBCといった項目を参考に、年齢や臨床症状などを加味して治療をやっていきますが、医師によっても考え方がまちまち。
何でこの程度の数値で鉄剤が処方されてるんだろう、と思うこともしばしばあります。

♦♦♦♦♦

今回紹介する「貧血大国・日本」では、貧血について多角的に捉えてとことん掘り下げています。
妊娠中の貧血は子供の将来にも悪影響を及ぼすのに、鉄不足を予防する公的対策が日本には欠けていることを、世界各地の取組みとの比較で浮き彫りにしているのは、他の本にない特徴かと思います。
また、海苔に意外と鉄分が含まれているというの知りませんでした。
おにぎりに海苔を巻いたり、ふりかけを活用したりするのもいい方法なのですね。

私にも参考になる部分が多かったですし、貧血に悩む方には是非一読をお勧めしたい本です。

 ◆ 診療所ライブラリー 130 ◆


じんましん蕁麻疹はごくありふれた病気で、5人に1人が一生のうちに1度は罹るとされています。
しかし、その大半は原因不明のもの。
私自身もなったことがありますが、なぜ起こったのか皆目見当がつきませんでした。

そのありふれた蕁麻疹に焦点を当てて、対処法や治療法、予防法などを解説しているのが今回紹介する「大人も子どもももう悩まない じんましん」です。
蕁麻疹の専門外来をやっていて、原因を追及したいという人やストレスで症状が悪化している人などを数多く診てきた著者が、蕁麻疹に悩む一般の方のつらい気持ちを少しでも和らげたいと筆を執ったようです。
前書きに当たる部分でいきなり蕁麻疹について箇条書きにまとめ、次にQ&A方式でよくある疑問点に答え、そして目次、本文という形態をとっているのは非常に面白いですね。
また、とても平易な文章なので理解もしやすいと思います。

なお、図譜が少なめでモノクロのページが大半なのですが、レイアウトが秀逸なので、疲れず、退屈せずに読み進めていくことができます。
ページの余白や行間のとり方は、普段のワープロ作業に参考にさせていただきたいと思います。

  → 大人も子どもも もう悩まない! じんましん

 ◆ 診療所ライブラリー 129 ◆


どうして今年もいろいろな災害がありました。
熊本地震があり、東北や北海道は台風で大きな被害に見舞われ、糸魚川では大火が・・。
誰もが好き好んで被災者になりたいわけではありません。
猛威に大切なものを奪われる辛い体験は一瞬に留まらず、様々な課題の克服にはかなりの時間を要します。

東日本大震災からは5年が経ちますが、まだまだ解決しなければならないことが山ほどあります。
ドクター小鷹、どうして南相馬に行ったんですか ?」は、大学を辞めて被災地の病院に飛び込んだ神経内科医と精神科医が往復書簡の形式でのやり取りを書籍化したもの。
二人のやり取りからは様々な問題点が浮き彫りになってきます。
悩みつつも類い稀なる行動力で難問を少しずつ解決していく神経内科医の姿には感銘を受けます。
被災地支援に大切なのは他人との協調であり、変化していく状況やニーズに対応するためにも人間関係の構築が大事だと繰返し述べています。

阪神淡路大震災では、復興住宅の割り振りにおいて地域のコミュニティを無視して低所得者や高齢者を優先して入居させました。
その結果、人間関係が希薄でお互いを支え合うことができない状況を生みました。
外見上、震災の傷跡が見えないように街がきれいに整備されても、心の傷を癒すわけではありません。
人と人の接点の数をできるだけ多く持つことの大切さを改めて考えさせられる、そんな一冊でした。


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