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医学の未発達の時代に猛威を振るい人々が恐れた感染症は、時には大きく歴史を動かしてきました。
この本では、よく知っている歴史上の大きな出来事の裏にもペストや梅毒などの疾患が影響を及ぼしたことを当時の政治や宗教、ライフスタイルなどに言及しつつ語られており、歴史を別の側面から学び直すことが出来ます。

日本でも東大寺建立の一つに疫病の流行があったようですね。
私が神戸に住んでいたときに近所に日本で最初の厄除八幡宮がありましたが、これも藤原四兄弟が天然痘で次々に倒れたことをきっかけに造られたようです。

感染症の中には長期に及んで人々を苦しめているものもあれば、ノロウイルスのように近年にわかに広まってきたもの、SARSのように治療法が確立されていないのに勝手に消えた ( ? ) ものもあります。
この不可思議な感染症の世界は現在でもこれからも我々に様々な形で揺さぶりをかけていくのでしょうね。

当院の書籍の貸し出し、大いに活用して下さい。


   → 感染症は世界史を動かす