野口内科 BLOG

  鹿児島市武岡に開業して41年の野口内科です。
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消化管出血

<< 出血をきたす消化器疾患 第7回 >>

これまでは上部消化管の疾患を取り上げましたが、これからは下血につながる大腸疾患をみていこうと思います。

で、今回スポットを当てるのは大腸ポリープですが、大腸ポリープからの出血はそれほど頻度の高いものではありません。
ポリープが小さいうちはまず問題なることはありませんけれども、ある程度大きななってくると表面が傷つきやすくなり出血する場合があります。
それでもご自身で気づくほどの下血につながることは多くありません。

ただ、稀なケースとなりますが、大きくなったポリープの一部または全部がポロリと剥がれ落ちてしまうことがあります。
私の経験例では30代の方でかなりの下血があったため、内視鏡検査をしたところ頂上付近がえぐれたような形をしたポリープを直腸で発見。
これ以外に明らかな大腸病変を認めなかったため、ポリープの一部が脱落して下血に繋がったと判断しました。

11_10_29また、写真に示したのは下血して時間がある程度経過した例ですが、S状結腸にあったポリープの頂上付近に窪みがあって一番凹んだ部分に白っぽい変化があるのが分かると思います。
この部分も恐らく一部が脱落した跡ではないかと思われます。( 青い矢印 )

胃も含めてポリープが剥がれて脱落する瞬間を捉えることはまず不可能ですから、臨床経過と併せてポリープの形状を観察して推測するに留まりますが、内視鏡検査をするからこそ何が起こったかを知ることができるのです。

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2011062423524230491.gif吐血や下血などの消化管出血を扱うのは内視鏡医にとっては決して珍しいことではありません。
今年だけでも何例か経験し、内視鏡を使っての緊急的な止血操作を行なっています。

1960年代だと、胃や十二指腸潰瘍からの出血に対しては手術を行なうことがほとんどだったのですが、薬物や処置具の開発とともに内視鏡を用いた止血法が普及するに至り、今や外科の出番は皆無に近い状態です。
潰瘍とピロリ菌の関わりがわかってきてからは、その対策が確立されたことやピロリ菌感染率の低下などもあって潰瘍そのものの数が減ってきているのですが、止血を目的とした内視鏡処置の出番はまだまだあります。

消化管から出血をきたすのは、何も潰瘍だけとは限りません。
毎年何らかのテーマを決めて消化器疾患を取り上げていますが、今回のシリーズでは食道から大腸まで出血や貧血を引き起こす代表的な疾患についていくつか取り上げていこうと思います。


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