2010080613403431256.gif「気象庁は、滅多なことでは異常気象とは言いません。でも、今年は掛け値なしに異常気象です」とは、梅雨の集中豪雨が続いた頃の気象庁の見解でしたけど、この夏の暑さもただ者ではありません。

犠牲者が多数出るほどの猛暑を囃し立てるように、武岡中央公園ではクマゼミが威勢よく鳴いていて、当院の診察室もその砲火を浴びています。
この元気の良さは人間にはとても真似できません。

しかし今年は様相が違っていて、鹿児島では少数派になっていたアブラゼミの姿もけっこう多く見かけます。
これも異常気象が絡んでいるのでしょうか。

そう言えば、暑いにも関わらず、近年武岡周辺でもその姿を多く見かけていたキオビエダシャクは2、3匹しか目にしていません。
春先の冷たさが影響したのでしょうか。

芭蕉の「閑さや岩にしみ入る蝉の声」の句が詠まれたことで有名な山形の立石寺を随分昔訪ねたことがあります。
東北には珍しいとても暑い日で、セミも相当うるさく鳴いていました。
静けさの中でセミが岩にしみいるように鳴いている、と解されている句ですが、実際現地でセミの声を聴いてこれは違うなと思いました。
人間の五感は同じ刺激を受けるとだんだん鈍くなってきますが、芭蕉もあまりのうるささに聴覚が馴化してしまった様を詠んだのでは、と勝手に思ったことを思い出します。

暑さに対して鈍感にならないのは不思議です。