野口内科 BLOG

  鹿児島市武岡に開業して42年の野口内科です。
  医療・健康に関する情報はもちろん、近隣の話題、音楽・本のことなどを綴ってまいります。

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糖尿病

もう解禁してもいいだろうなという診療現場の昔話を。

♦♦♦♦♦
食欲
エピソード その1。

胃潰瘍や十二指腸潰瘍を何度も何度も繰り返していた糖尿病患者さん。
ピロリ菌除菌の治療がようやく保険適用となり、さっそく除菌を実施して成功しました。
潰瘍の再発が全くなくなり、食事がおいしくなったと本人も大喜びでした。
でも、食欲が旺盛となった結果、糖尿病がたちまち悪化。
あえなく、糖尿病の教育入院となりました。

♦♦♦♦♦

しわエピソード その2。

慢性疾患で通院していた高齢女性。
眼科医に勧められ、白内障の手術を受けることに。
明るく、いろんな物がよく見えるようになったのですが‥。
見え過ぎて、自分の顔や腕のシワやシミをとても気にするようになりました。
自然と外出を控えるようになり、慢性疾患のコントロールも悪くなってしまいました。

♦♦♦♦♦

最初のエピソード、ピロリ菌除菌の威力を実感した症例でもありました。
この経験を踏まえ、除菌が成功した場合には、食事面でのアドバイスも可能な限り行うようになりました。

2例目、いくつになっても女性は女性ですね。
そして、全てがありのままに見えたり聞こえたりするのは、必ずしも幸せなことではないのかも知れません。
 

はてな〖 今月のつぶやきから 54 〗


月末は、twitter 上でつぶやいた医療情報をいくつかピックアップしています。
今回は糖尿病に関わるものが結構ありましたので、今回はこの一点に絞って8題を以下にまとめてみました。








大腸〖 今月のつぶやきから 39 〗


収集した情報を twitter 上でコメントを添えていち早く流しています。
今月もいろんなことをつぶやき、反響の大きかったものもありますが、テーマを絞って振り返ってみたいと思います。

まずは、糖尿病に絡んだ話題。




次に、潰瘍性大腸炎にまつわるもの 2題。


最後に、個人的に興味をひいた情報を 4つまとめておきます。


悩みここ数年、新しい糖尿病治療薬の発売が続いています。
DPP-4阻害薬というジャンルの薬が2009年から昨年にかけて 7種類が発売されました。
一段落したと思ったら、今年に入ってSGLT-2阻害薬というものが出てきました。
4月に 1剤先行して世に出てきたのですが、今月 3成分が一斉同時発売という日本の医薬品史上でもかつてないような事態で、各社の売り込みも激しいものがあります。
処方する我々にとっても非常に悩ましいことです。

このSGLT-2阻害薬は簡単に言うと、糖を尿に流すことで血糖を下げるもので、体重減少や血圧低下なども期待されています。
反面、尿量が増えて口渇や便秘、尿路感染症などが起きやすいとされています。
DPP-4阻害薬もようやくその処方の勘所を掴んできたところなので、SGLT-2阻害薬の使い方もそのうち理解できてくるだろうと思います。


さて、SGLT-2阻害薬に関してちょっと興味がある情報を最近知りましたので紹介しておきます。

まず、毛細血管の周皮細胞にもSGLT-2が存在し、これを介してナトリウムが過剰に取り込まれると細胞の膨化が起こったり増殖能が落ちたりするということ。
この現象が糖尿病性の細小血管障害や網膜症につながる可能性があり、SGLT-2阻害薬を使うことで合併症を防ぐ可能性が期待できそうです。

もう一つ、SGLT-2阻害薬を使うとグルカゴンが増えるという情報 ( → こちら )http://

このことは 9日に同級生がWeb講演会で話していたので知ったものです。
グルカゴンは糖を上げてしまうホルモンなんですが、SGLT-2阻害薬を使うと血糖は改善するわけなので、グルカゴンの上昇が一体どういう意味を持つのかは今後の課題でしょう。


〖 今月のつぶやきから 8 〗


献血いつもなら興味深い医療ニュースに対してコメントを添えることが多い私の Twitter 上でのつぶやきですが、今月は臨床の現場で遭遇したことに思案を巡らすなど、以前と比べるとつぶやく内容に少し変化があったように思います。
その中で献血に関するものに多くのリツイートをいただきました。
それ以外にも主立ったものをいくつか掲載します。

なお、直近12回分は右側のカラムの「tweet してます」で読むことができます。







HbA1cヘモグロビンA1c ( HbA1c ) という検査項目は、糖尿病の治療を受けられたりあるいは定期的に検診を受けたりされている方はご存知の検査項目だと思います。

この数値、これまで糖尿病診断の補助的位置づけだったものが2010年の診断基準改定時に診断基準の1項目として格上げされました。
その際に従来日常的に行われている日本独自の測定法による値 ( JSD値 ) から欧米で行われている測定法による値 ( NGSP値 ) に変更されることも宣言されていました。それがいよいよこの4月から実施されることになりました。
JSD値にブラス0.4することでNGSP値になるのですが、見かけの数字が上がることで糖尿病治療中の患者さんに混乱が起こるのではないかと懸念しています。
実はJSD値の方がより正確な数字を反映していると言われていて、今回の改定でわざわざ不正確な方に移行するわけです。

日本人はこういう基準を相手方に合わせることにあまり抵抗がない民族です。
数字を区切るカンマの位置は欧米の数字の読み方には合理的ですが、日本人は不便さを甘受して使っているのがいい例です。
本来なら正確さを誇る日本の測定法を世界に広めてスタンダードを勝ち得るべきだと私は考えます。
だいたい日本で使っている限り臨床医も患者さんも全く困ることはないのに、一時的ではあろうけれど現場が混乱することを実行に移す意味は一体どこにあるのでしょうか。
あるとすれば、海外雑誌に論文を出す時に数値が異なるためほんの一部の日本の研究者が頭を悩ます点だけだと思います。

日本人よ、世界のスタンダードを確立する努力をせよ。
普段から思っていることですが、今回の改定のニュースに改めて思いを強くする私でした。

2011092920402921334.gif〖 医療情報 Pick Up おさらい 45 〗

この一ヶ月でお届けした2つの「医療情報 Pick Up」はいずれも糖尿病に絡むものでした。


・チョコレート消費の/多い人は/心血管疾患や脳卒中/更に日本人では/糖尿病リスクが低下 ( BMJ 2011; 343:d4488 doi: 10.1136/bmj.d4488 )

・よく噛んで食べると/インスリン分泌を/刺激するGLP-1の/濃度が上昇 ( 第47回欧州糖尿病学会発表 )
 

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GLP-1 とは聞きなれないものだと思いますので解説します。
食べ物を摂ることで小腸から分泌され、膵臓に働き掛けてインスリンの分泌を促す物質です。
同じ量のブドウ糖を経口摂取するのと注射するのを比較すると前者のほうがインスリンの分泌がいいため、消化管から何か刺激する物質があるのではないかと以前から推測されていたのですが、最近ようやく臨床にも応用されるようになってきました。
そのGLP-1 も噛むという動作をすればするほど分泌量が増えることが今回わかったわけです。

以前、糖尿病とアルツハイマー病の関連性について書きました。( → こちら )
今月は歯の噛み合わせとアルツハイマー病についての報道もありました。
噛むという動作を意識することだけでもいくつかの疾患が防げる可能性があるということですね。



         □ 関連記事  医療情報Pick Up  44

2011092113251430453.gif ◆ 診療所ライブラリー 66 ◆


一つの病院の医師や看護師、薬剤師、管理栄養士、理学療法士、検査技師など総勢36名で書き上げた日頃の糖尿病指導内容をまとめた本。
それぞれの分野の専門性を活かし、直接患者さんと接する中で工夫されてきた真摯な指導法がそのまま文章になっています。
スタッフの手作り感が滲み出ていて、他の本とは一線を画す仕上がりになっていると思います。

担当した医師は私の大学の先輩、後輩ですので自信を持ってお勧めします。
監修に当たった先生は私が学生時代は大学の助教授をされていましたが、自らも多くの部分を記し、臨床に携わる情熱が衰えないのには感服いたします。


  → 糖尿病と上手に付き合おう

2011033019011318489.gif〖 医療情報 Pick Up おさらい 39 〗


今月は久しぶりに「医療情報Pick Up」は 3つの話題を提供いたしました。

・農家で育つ子に/喘息・アトピーが/少ない/ドイツの研究で ( N Engl J Med. 2011 Feb 24;364(8):769-70.)

・中等度の有酸素運動/週150分以上で/がんや糖尿病/心血管疾患の/リスク低下 ( WHO 発表 )

・中等度以上の/運動負荷の継続で/過敏性腸症候群の/症状緩和 ( Am J Gastroenterol. 2011 Jan 4 doi:10.1038/ajg.2010.480 ) 

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上の情報を合わせて考えてみると、田舎で元気よく遊び回っていると、あまり病気にかからないということになるでしょうか。
以前から運動によって大腸癌のリスクが低下することが知られており、以前にも当ブログで解説しています。( → こちら )
過敏性腸症候群も体を動かすことで症状が落ち着くのであればこんなにいいことはありません。
ちょうど震災の影響でこの疾患に効く漢方薬も品不足が懸念されていることですし。



         □ 関連記事  医療情報Pick Up  38

2010062915390327720.gif〖 医療情報 Pick Up おさらい 30 〗


ブログの左側のカラムのお知らせ欄で紹介している「医療情報 Pick Up」で今月お届けした情報は久しぶりに 3点でした。

・昼寝する高齢者は/糖尿病発症の/リスクが高い/中国人対象研究で ( Sleep 2010; 33: 402-407 )

・日常の早足での/ウォーキングで/女性の脳卒中/リスクが低下 ( Stroke 2010; 41: 1243-1250 )

・加糖飲料の摂取を/減らすと/血圧が低下 ( Circulation 2010; 121: 2398-2406 )


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健康管理も普段の過ごし方一つ、ということでしょうね。

紹介しなかった分で、チョコレートに関連した興味ある話題が二つありました。
まず、チョコレートを食べると血圧が下がるというもの。
ただし 1日7.5gの摂取で血圧が約 1mmHg の低下と雀の涙程度の数値です。( European Heart Journal 2010; オンライン版 )
もう一つは、うつ病の人はチョコレートを大量に食べているというものです。
チョコを食べる結果うつになるのか、うつになるとチョコが欲しくなるのかはわからないということでした。( Archives of Internal Medicine 2010; 170: 699-703 )

以前当ブログでチョコレートに関する話題を一つだけお届けしていますのでご参考に。( → こちら )



         □ 関連記事  医療情報Pick Up  29

201005181408551674.gif ◆ 診療所ライブラリー 50 ◆


例年 5月は日本糖尿病学会の時期ですが、月末に開催される今年の学会において新しい糖尿病の診断基準が発表されます。
これまで補助的な位置づけだった糖尿病の方にはおなじみの HbA1c という項目でも診断ができるようになるというのが今回の改定の目玉です。
HbA1c 自体は私が医者になった頃から日常的に検査されてはいましたが、診断や疾病管理にもはや欠かすことのできない指標となってきました。

ですから、どんなに優れた本でも診断基準の表記の部分は間もなく古くなってしまいます。
今回紹介する本もその点だけはご容赦願いたいのですが、それでもお勧めするのはこの一冊で糖尿病の一般的な知識が全て網羅されているからです。
糖尿病はいかに自己管理していくかが重要なのですが、その部分に多くのページを割き豊富な図版を用いて丁寧な解説がなされているのもこの本の大事なポイントです。
そして本の監修にあたったのが、私の所属した医局で長年教授を務め糖尿病の分野で名を馳せた先生。
私達夫婦の仲人でもあります。

あっ、そう言えば間もなく結婚記念日・・・忘れるところでした。


  → イラスト図解 糖尿病 最新治療とセルフケア

200908181403094463.gif某MRさんから、会社のホームページに新しいサイトを開設したので患者さん方にも紹介して欲しいと頼まれました。
2型糖尿病の方向けの運動療法を紹介したページです。
全体に字が小さいので読みづらいものの、一部の運動に関しては動画があってすぐに実践できますし、監修にはお世話になった先生の名前が連ねてあることもあってブログでも紹介することにしました。
当ブログの左側のカラムに「お役立ちサイト」という欄があります。
そこのトップに紹介しておきましたので、よろしければアクセスをどうぞ。
それ以外にも有益なサイトのリンクをいくつか張っていますので覗いてみてください。


200908181359534416.gifまた、先月に紹介しました新型インフルエンザのブログパーツについて。
このパーツを左側のカラムに貼り付けて 3週間も経たないうちに患者総数のカウントを厚生労働省は止めてしまったので、上段の数値は先月下旬より動いていません。
ただ、下の 2段の情報 (「官公庁による最新発表」「新型インフル関連最新情報」) は随時更新されています。
急速に広がり、とうとう日本でも死者が出た新型インフルエンザ。
こまめに情報をチェックし、日常生活に役立てることも大切です。
正しい情報を把握している人ほど感染回避の行動を実行している、とする報告もあります。( BMJ. 2009 Jul 2;339:b2651. doi: 10.1136/bmj.b2651 )
是非とも活用してください。

thyroid.gifある疾患がテレビで取り上げられたり、有名人が病気になったりするとすぐ話題になります。
最近では絢香のバセドウ病 (甲状腺機能亢進症) とハリセンボンの箕輪はるかの肺結核などが好例です。
私の子供もどういう病気なのかとすぐに尋ねてきます。

甲状腺疾患は実は非常に多い病気で、成人女性においては 20 ~ 30人にひとりの割合で存在するとされています。
病院というのは女性が圧倒的に多い職場ですが、私が以前勤めていた職員数がおよそ150人の病院では甲状腺疾患を有する人が 5人いました。
いずれも女性で、甲状腺機能亢進症が 2名、甲状腺機能低下症が 2名、残りは甲状腺の術後で薬を服用しているという内容でした。

その病院の院長やさらにそれ以前に私が勤務していた病院の院長も甲状腺疾患を専門にしていたこともあって、私も甲状腺の患者さんをかなり多く診てきております。
消化器系はもちろんですが、糖尿病も甲状腺疾患も積極的に診ておりますので、その分野の病気についてもご相談いただければと思います。

bcbwvra1.gif ◆ 診療所ライブラリー 33 ◆


タイトルは「血糖値を自分で改善」。
内服薬やインスリンを使わず、病院に行かなくてもOK、なんていかがわしい内容の怪しげな健康本ではありませんので早とちりのないように。

境界型であるとか糖尿病だが薬物治療はまだするほどでもない、と健診や外来等で言われたことのある人も多いと思います。
ではどうすればいいのか、限られた時間の中では指導が十分に行なえないのが現状です。

そういう人たちをターゲットにしたこの本には我々の言いたいことが全部網羅して書いてあります。
高めの血糖は普段の食事や運動の習慣に合格点が付けられない状態だと自覚し、快適さに甘えた自分の日常を見直すきっかけにしていただくのにうってつけの内容です。
もちろん、糖尿病の基礎知識についても学べます。

地球温暖化などで環境問題に対する意識は高まってきました。
次は飽食を始めとする日本の食習慣の現状にも目を向けてみましょう。
それは自分自身の疾病予防だけでなく、環境問題の改善にもつながります。


( ライブラリ充実のために .. ご協力いただければありがたいです )  → 血糖を自分で改善


rofeyqaf.gifブログをやっていることでいろんな経験をさせていただきます。

10月にニンテンドーDSで糖尿病の勉強や管理ができるソフト「からだサポート研究所糖尿病編」のことに少し触れたのですが、それを見たメーカーの担当者が、ブログで紹介頂きありがとうございましたと、わざわざ当診療所までやって来られました。

実際にソフトを動かしてもらったのですが、なかなか面白い内容でした。
まず、糖尿病の知識を楽しく学べること。
食事による摂取カロリーや運動による消費カロリー、血糖値等を記録できること。
外食メニューのおおまかなカロリーや食べ方等を表示してくれること。

糖尿病という疾患は自己管理のウエイトが大きいのですが、患者さんがそれを苦痛に思う部分もあります。
自分に厳しい人ってなかなかいませんから。
しかし、このソフトを使うと日々の管理が楽しくなること間違いなしです。

このソフトは残念ながら一般のお店では売ってません。
申込用紙を兼ねたパンフレットを外来に置いておきますので、興味のある方はどうぞ。

DSはこれまでのゲーム機とは違う楽しみ方を提供してくれた意義が大きいのですが、疾患管理にも活用できるなんて驚きです。


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