● 薬の説明書のイラスト 295 ●


11月は鏡に関する記念日が2つあります。
まず11日に「鏡の日」があり、30日に「いい鏡の日」があり。
前者は全日本鏡連合会が11月11日の対称性に着目して制定したもので、後者はいい ( 11 ) ミラー ( 30 ) という語呂合わせみたいですが、調べてもどのような経過で制定されたのかわかりません。

医療の現場では「鏡」と名の付くものがたくさんあります。
私が普段使う内視鏡はもちろん、腹腔鏡、耳鏡、額帯鏡、喉頭鏡‥。

ところがです。
歯科医の使う歯鏡は鏡に間違いありませんが、上に記したものは鏡とは似ても似つかぬものばかりなのです。

内視鏡や腹腔鏡は、細長くしたビデオカメラのようなもの。
耳鏡は、外耳や鼓膜を観察する道具で漏斗形をした金属に過ぎません。
額帯鏡
額帯鏡は、医師を表現するイラストでは聴診器と並んで描かれることの多い医療器具ですが、使用するのは耳鼻科の先生だけ。
円形の部分は確かに鏡のようになっていますが、光源を反射させて見たい部分を明るく照らす道具です。
光を思い通りに患部に当てるのにはコツと慣れが必要で、私は全く使いこなせません。

喉頭鏡は気管内挿管の際に用いますが、気管内チューブを確実に気管へ挿入するためのガイドの役割をする器具で、鎌のような形をしていて、鏡の役割は全くありません。

いずれも英語で「scope」という語尾が付きます。
見るための器具、というのが的確かと思うのですが、なぜか「鏡」という字があてがわれています。

何はともあれ11月後半の薬の説明書のイラストはです



kagami