野口内科 BLOG

  鹿児島市武岡に開業して42年の野口内科です。
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胃癌

元気な胃先月末にピロリ菌の除菌療法について、胃炎の段階でも保険適用がなされるように製薬メーカー各社が申請を出したというニュースがありました。
これは嬉しいニュースです。
今のところピロリ菌の感染が確認できても、胃や十二指腸潰瘍がある場合、胃MALTリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病、早期胃癌内視鏡治療後胃でないと保険が使えないのです。( → 参考 )

日本人の胃癌の9割はピロリ菌が原因とされています。
つまり、ピロリ菌が日本人の胃からいなくなれば胃癌の発症は今より10分の1に減ることになります。
内視鏡検査が日常的に行われている現在、 我々は早い段階で癌を見つけて可能ならば内視鏡治療を行なって胃を切除しなくてすむように努力しています。
でも将来、こんな努力もしなくてもいい時代が来るのかも知れません。
もしかしたら胃の内視鏡検査自体もあまり行われなくなるかも。

とにかくピロリ菌感染胃炎段階での治療が実現することを望みます。


話は変わりますが、業界用語で「保険適応」と「保険適用」という言葉が混在しています。
昔は前者がよく使われており私も何の疑問もはさまずに使っていましたが、日本語として正しい後者を最近よく見かけるようになってきました。
お役所のほうでしっかりと用語の統一を図ってもらいたいなと思います。

ついでに言っておくと「癌」と「がん」は実は使い分けがあるようで、特に年配の先生方はしっかり区別されています。
しかし最近は「ガン」と表記するケースもあり、知らない方も多いようです。
どういう使い分けかは自分で調べてみましょう。

2011072608573431276.gif ◆ 診療所ライブラリー 64 ◆


日本人の胃癌の9割はピロリ菌が原因とされています。
つまり、日本人の胃の中からピロリ菌がいなくなれば、胃癌患者はは今の10分の1まで減少するということになるのです。

30年近く前にピロリ菌が発見されたことによって、胃の病気の診断や治療は大きく変化しました。
この本は、それ以前の歴史から最新のトピックスまでをコンパクトにわかりやすく網羅してあり、これ一冊あれば、他のピロリ菌に関する著書は不要でしょう。
是非手に取ってみてください。

内視鏡を扱っていると、ピロリ菌存在の有無は胃の表面の様子からだいたいわかるのですが、今の保険制度ではピロリ菌に感染しているというだけでは治療を受けることができない仕組みになっています。
ピロリ菌を早期に除菌するのと潰瘍や癌になってから医療を施すのとどちらが経済的か、そういう視点から考えても現行制度はナンセンスです。
その点にも触れられていますが、改善されるのはいつのことでしょうか。


  → 胃の病気とピロリ菌―胃がんを防ぐために

2010022617294717845.gif今回は、先日参加した講演会についての感想を書き綴ってみます。

検診で胃癌が見つかった人の透視や内視鏡の画像を過去にさかのぼって再検討したものでした。
癌が発見されたのと同じ部位に既に何か変化が起こっていたのではないかという目で以前の画像を見てみると、確かにわずかな変化があったり明らかな見落としがあったりするものです。
複数の医師が判定するにも関わらず問題なしとされているものも多く、会場の医療関係者の大多数もこれを癌と診断せよというのはちょっと酷だなと思われたに違いありません。
しかし、このようなケースをしっかり学んで医師一人一人が診断精度を上げていかなければならないなと改めて実感しました。
また、患者さんが定期的に検査を受けておられるからこそできる検討であることを感謝しなくてはなりません。

胃の検査というと内視鏡が主流となってきた現在、検診の透視のレントゲン写真を読影する若い医師が減り、読影医の高齢化が進んでいるとか。
検診のあり方を変えなくてはならない時期に来ているのかも知れません。

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