かとり02内視鏡を胃まで入れてみると、消化途中の朝食の残渣の上に緑色の細かい粒がふりかけのようにまぶされていた・・・先頃経験したご高齢の症例。
この方、ある人が自宅を訪ねて行ったら、ちょうど蚊取り線香をおいしそうに頬張っておられたそうです。
それで慌てて病院を受診され、検査と相成った次第。

時折、口にした異物を内視鏡で除去する作業を行うことがあります。
一番多いのは薬をPTP包装ごと飲み込んでしまうもの。
最近は包装が1錠ごとに切り離せなくなっているのでめっきり減ってきましたが、包装の角で食道等を傷つけないように取り出すのに気を使います。
乾電池とか魚骨などもよく見かけますが中にはスプーンを飲み込んじゃったという信じられないようなケースもあったりします。

今回の蚊取り線香は内視鏡を長くやっている中でも全く初めての経験でしたが、検査前の予想通り粉々になっていて取り出せるような断片は一つもありませんでした。
調べてみると基本的に人体に害はないようなので、そのままご帰宅となりました。

高齢化が進むと思わぬものを内視鏡で取り出さなきゃいけないケースも増えるかも知れませんね。