野口内科 BLOG

  野口内科は鹿児島市武岡に開業して46年を迎えました。
  当ブログでは、当院からのお知らせ、医療・健康に関する情報の他に、近隣の話題、音楽・本のこと等を綴ってまいります。

    診療時間 午前  9:00〜13:00
         午後 14:30〜18:00 (金曜は〜18:30)
    休診   日曜・祝日・木曜午後
    電話   099−281−7515
    住所   鹿児島市武岡二丁目28−4
    院長   野口 仁

         ▶▶▶ アクセスMAP
         ▶▶▶ バス路線図

運動

 ◆ 診療所ライブラリー 158 ◆


医師に「運動しなさい」と言われたら最初に読む本患者さんに運動を促す機会はよくあります。
でも、短い診療時間の中で個々に応じた具体的なメニューを指導するのは難しいものです。
体の痛みや家族の介護など様々な理由を抱えていて、かけられる負荷や時間などが一人一人異なるのが最大の理由。
そこで、ウォーキングから始め、それを習慣づけること。
習慣づいてきたら距離や負荷を増やしていくこと、などを勧めています。
しかし、その一歩すら踏み出せない方が実に多いこと‥。

今回紹介するのは、青山学院大学陸上部の指導で有名になった著者の本。
パラパラめくると、他の本に比べてエクササイズのイラストが少ないな、というのが第一印象なのですが、QRコードがあってウェブで動画にアクセスできるようになっています。
静止画よりも動画の方がそれぞれの動きのポイントを把握しやすいですよね。

前回紹介したロコモティブシンドロームなどにも言及がありますし、普段運動していない人に対してはいきなり強い負荷をかけるとあちこち傷めやすいので軽い運動からステップアップすることなども促しています。

体を動かすことは、生活習慣病の改善だけでなく予防にもつながります。
どうしても不十分になりがちな私の運動指導を具体的に教示してくれるお勧めの一冊です。

老いにくいのか ◆ 診療所ライブラリー 73 ◆ 


運動をする、あるいは身体活動を高めることで脳に新しいニューロンが増える。
特に海馬という部分でニューロンが増えれば記憶や感情等にも好影響が出る。

そう説くのがこの本ですが、認知症の解説や地中海ダイエットの脳への効果まで幅広く言及していて、日常の過ごし方がいかに自分自身の将来に関わってくるかが理解していただけるのではないでしょうか。

動物という生命の基本は消化管で、消化管が効率良く食べ物を摂取するために中枢神経を発達させた、と私は考えています。
中枢神経の一端が膨れて脳となり、そこから嗅脳や眼球が作られてきたり運動機能が備わってきたりしたのも、全ては食べ物を追い求め生命を維持するためだとすると、何の苦労をすることもなく食にありつける今の日本の生活環境はどうでしょう。
食べ物を探し求めることもなく身体活動が低下すれば統合司令部である脳が衰えるのは当然だと思います。
脳を老いさせたくないのであれば、運動することで刺激を与え続けることはとても大事なことなのです。

快適な環境や習慣がもたらす弊害をしっかり認識して普段の身体活動を盛んにしていただくきっかけに、是非この本を一読して下さい。
 
 → なぜ、歩くと脳は老いにくいのか

↑このページのトップヘ