Marquis-Hill【診察室のBGM 160】


米国で権威のある音楽雑誌「ダウンビート」で、2016年に挾間美帆等とともに「ジャズの未来を担う25人」に選出されたトランペッター Marquis Hill 

昨年秋の
アルバム「Modern Flows Vol. 2」で日本デビューとなりましたが、既にマーカス・ミラーの世界ツアーにも参加するなど実力はお墨付きです。
派手に吹きまくるのではなく、渋くダークな音色で表現力豊かにトランペットを響かせます。
曲は、サックスとの掛け合いが多く、それにヴィブラフォンが印象的に絡み、時にラップを含むヴォーカルが入るという変化に富んだ内容です。

今回紹介するのは男女のヴォーカルが交互に掛けあう「Kiss And Tell」
ゆったりと響くヴィブラフォンと小刻みにリズムを刻むシンバルで始まる印象的なイントロに続いて、女性と男性のヴォーカルが代わる代わる登場します。
その合間を、シンプルなメロディーであくまで脇役に徹するトランペットが、枯れて味わい深く鳴りわたります。
単純化された構成だからこそ、技量の素晴らしさが伝わってくる一曲ではないかと思います。