野口内科 BLOG

  野口内科は鹿児島市武岡に開業して46年を迎えました。
  当ブログでは、当院からのお知らせ、医療・健康に関する情報の他に、近隣の話題、音楽・本のこと等を綴ってまいります。

    診療時間 午前  9:00〜13:00
         午後 14:30〜18:00 (金曜は〜18:30)
    休診   日曜・祝日・木曜午後
    電話   099−281−7515
    住所   鹿児島市武岡二丁目28−4
    院長   野口 仁

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TRPチャネル

トウガラシトウガラシを口に入れてもすぐには辛さを感じませんが、なぜでしょう。
これには、今年のノーベル医学生理学賞を受賞したDavid Julius氏が発見した温度を感知するセンサー TRPV1 ( トリップ・ヴィ・ワン ) が絡んでいます。

辛さは舌で味覚として感じるのではありません。
口の粘膜の内側にある TRPV1 は43℃以上の温度を感じるだけでなく、トウガラシの辛味成分 カプサイシン にも反応します。
カプサイシンが粘膜を透過して TRPV1 に届くのに少し時間がかかるので、辛いと感じるまでにタイムラグがあるのです。

♦♦
 
TRPV1 は痛みの刺激センサーでもあります。

私の専門分野の消化器疾患の一つに、非びらん性胃食道逆流症 というものがあります。
心窩部の痛みや胸やけなど、逆流性食道炎と同じような症状があるのにもかかわらず、内視鏡検査で何も異常が見つからない場合に診断されるものです。

この疾患の原因の一つとして、食道と胃のつなぎ目部分の知覚過敏が考えられています。
この知覚過敏に絡んでいるのも酸にもはんのうする TRPV1 とされています。

♦♦♦♦♦
 
TRPTRPV1 を含むTRPチャネルについて簡単に触れておきましょう。
TRP は transient receptor potential の略でトリップと読むのが一般的です。
外部の環境温度を感知するセンサーで哺乳類では9種類が知られており、それぞれ担当する温度領域が異なります。

43度以上を感知する TRPV1 と17度以下を感知する TRPA1 が活性化すると、温度を感じると同時に痛みというシグナルにもなります。
生物が至適温度で生きていく上でとても大切な仕組みです。

TRPチャネルは温度だけでなく、植物由来の成分等でも活性化されることがわかっており、メントールはおおむね25度以下を感知するTRPM8 を活性化しますが、高濃度だと TRPA1 を抑え込んで痛みを感じにくくしてしまいます。
ちなみに、TRPV1 はトウガラシや酸などで、TRPA1 はワサビやシナモンなどでも活性化されます。

体が温まる食材や冷える食材がありますけど、私はTRPチャネルが絡んでいるものと勝手に推測しています。

また、TRPV1 や TRPA1 をコントロールできる薬ができれば、究極の痛み止めになるのではないかと期待されていますが、実用化には至っていないのが現状です。

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今年のノーベル医学生理学賞受賞理由となった研究、結構身近に感じていただけたのではないでしょうか。

さて、トウガラシを食べて辛さに飛び上がり、すぐさま水を飲んでも辛さが続きますよね。
水は口の粘膜を透過しませんから、粘膜の内側に入り込んだカプサイシンはどうすることもできません。
ただ、口の中に残っていてこれから粘膜に入り込んで TRPV1 を刺激するであろう予備軍を洗い流す意味はあると思います。

〖 今月のつぶやきから 90 〗


腹囲測定鹿児島のこの先の天気予報を見てみると、傘マークがずっと続いています。
大きな災害が起ることがないように願いたいです。

ツイッター上でつぶやいた医療情報を月末にテーマを絞ってお届けしているこのシリーズ。
今回は11の話題を振り返ってみます。


最初は腸内細菌を中心とした情報を4つです。

① 我々が使うαGIと呼ばれる糖尿病治療薬と似た働きをする乳酸菌。
カイコの実験でわかったようですが、カイコと言えば桑。
桑に含まれるデオキシノジリマイシンという成分にも同じような働きがあります。

② 口腔内を清潔にすることで脳梗塞が防げるのなら、副作用のある抗血小板薬もお役ご免になるかも知れませんね。

③ 血液中の全てのA型抗原を確実に取り除けなければ、実用化は難しいと思いますが。

④ あらゆる一流アスリートの腸内細菌を調べて応用すると、世界記録が次々に塗り替えられるかも知れません。


次は、体重関係の話題を5つ。

⑤ 寝室のテレビや照明をつけたまま寝る女性は、調査期間内に体重が5キロ以上増加する確率が17%高かったという報告。 メラトニンというホルモンが乱れて、体内時計や食事摂取に影響したのではと推測しています。

⑥ 地中海食に関しては様々な報告がありますね。

⑦ 腹囲の数値が最優先事項になっているメタボ健診のあり方に一石。

⑧ 糖尿病の新たな治療薬開発に繋がるといいですね。

⑨ 子供の肥満は、親の生活習慣や食育に対する関心度を反映していることがアンケートから見えてきました。


最後は、痛みに関する情報を2つ。
副作用の少ない鎮痛薬開発に繋がるといいですね。

⑩ 嗅覚を刺激して鎮痛効果が得られるとは驚きです。

⑪ TRPチャネル ( → 参考 ) をコントロールするのが究極の痛み止め、と言われています。
しかし、なかなか臨床応用まで進んでいません。

〔 まだまだ使えるH2ブロッカー ・ 第四回 〕


♦♦♦ ラフチジン、最後発としての実力は ♦♦♦

胃薬( ラニチジンではなく、ラフチジンの話題です。あしからず。 )

ラフチジンは最後発のH2ブロッカーですが、発売されてしばらくの間、私は処方することはありませんでした。
1991年にH2ブロッカーよりもより確実に酸分泌を抑える PPI ( Proton Pump Inhibitor ) と呼ばれるタイプの薬が日本でも使えるようになり、それ以降、胃・十二指腸潰瘍治療の主流に躍り出ました。
そんな中でラフチジンが登場したのは2000年です。
何を今さらH2ブロッカーなのだろうという思いがありましたし、付いた商品名がプロテカジンストガーで、ネーミングセンスが決して良くなく、特に前者は言いにくいのなんの。( 参考 : 一物二名称 )
そして、発売当初は逆流性食道炎に対する適応がなくて用途が限られていました。

それでもラフチジンを使うようになってきたのは、他のH2ブロッカーにはない特徴に魅力を感じるようになったからです。
メーカーが発売に踏み切ったのも、この捨てがたい実力を埋もれさせてはならないと考えたからでしょうか。
その魅力とは何か、みていこうと思います。


♦♦♦ ラフチジンは肝臓で代謝される ♦♦♦

肝臓ラフチジンは肝臓で代謝される唯一のH2ブロッカーです。
残る5種類のH2ブロッカーは腎臓で代謝されるので、腎機能の低下している人には減量するか中止しなくてはなりません。

このシリーズ第二回「シメチジン、厄介さが半端ない」でも紹介しましたが、H2ブロッカーを高齢者に使用することは勧められていません。
おさらいしますが、「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン」の中で75歳以上の高齢者に対しては、「認知機能の低下・せん妄のリスクがあり、可能な限り使用を控える。特に入院患者や腎機能低下患者では、必要最小限の使用にとどめる」と記載されています。
また「高齢者では腎機能が低下しているものが多く、腎排泄型の本剤は血中濃度が持続する可能性が高いため、ヒスタミンH2受容体拮抗薬が必要な場合は少量から慎重に投与する」とも書かれています。

このガイドラインでは、肝臓で代謝されるラフチジンを別扱いにしていませんけど、私は高齢者でH2ブロッカーを必要とする場合にはラフチジンを選んでいます。

ただし、CYP3A4という酵素で代謝されるため、薬の相互作用に注意しなくてはなりません。
クラリスロマイシンなどCYP3A4の働きを抑える薬との併用に配慮する必要があります。
CYPとは、チトクロームP450 ( CYP ) と呼ばれる薬物代謝に重要な役割を果たす酵素の一群のこと。
主に肝臓にあって、薬物の分子構造を変化させて体の外へ排泄しやすいようにしてくれる役割があります。


♦♦♦ ラフチジンはトウガラシ ? 酸分泌抑制が安定していて胃の粘液も増やす ♦♦♦

さて、H2ブロッカーにしろPPIにしろ、24時間安定して胃酸の分泌を抑えているわけではありません。
強力とされるPPIは夜間の胃酸分泌が十分に抑えきれない現象がみられます ( Nocturnal Gastric Acid Breakthrough ) 。
一方、H2ブロッカーで最もよく使われるファモチジンは20mgを1日2回服用しても胃酸の分泌を抑えているのは1時から7時の間のみという報告があります。

ラフチジンは、他のH2ブロッカーとは違って日中の胃酸分泌も抑える働きを持ち、10mgを1日2回服用すると胃の中のpHが3以上を維持する時間が6割以上あります。


胃潰瘍また、胃酸の分泌を抑えるだけにとどまらない作用があります。
胃の粘液を増やす作用胃粘膜の血流増加作用です。
胃・十二指腸潰瘍の治療では、粘液や血流という胃の粘膜を保護する役割のある要素 ( 防御因子 ) も重要だとされています。
酸分泌抑制薬に防御因子増強薬を一緒に使っても、潰瘍治癒に対して上乗せ効果はないともされていますが、一方でこんな報告もあるのでみてみましょう。( → こちら )
動物実験ですが、ラフチジンではシメチジンやファモチジンにはみられなかった次のような作用が確認されています。

 ● 用量依存的に潰瘍面積を縮小
 ● 酢酸潰瘍の実験モデルで治癒後の再発を抑制
 ● 潰瘍瘢痕部の再生粘膜への炎症細胞浸潤が著明に抑制

これらの差異は、ラフチジンが防御因子を増強する作用を持っているためと推測されています。

トウガラシこのラフチジンの働きは、カプサイシン感受性知覚神経を介したものと考えられています。
カプサイシンはトウガラシの辛味成分ですよね。
外部の環境温度を感知するセンサーであるTRP ( Transient receptor potential ) チャネルというものがあります。
このうち43℃以上を感知するTRPV1と呼ばれるものは、カプサイシンや酸によっても刺激を受けることが知られています。
このTRPV1を持つカプサイシン感受性知覚神経を働かなくすると、ラフチジンを使っても胃粘液も胃粘膜の血流が増えないのです。
ラフチジンはTRPV1に直接作用することはないようですが、何らかの機序でこの神経を活性化するようです。


さて、H2ブロッカーとともに、レバミピドやテプレノンなどの防御因子増強剤を服用されている方も多いと思いますが、H2ブロッカーをラフチジンに変更したら、防御因子増強剤の併用は不要です。
ニザチジン同様、ラフチジンはポリファーマシー対策にも役に立つ薬剤と言えます。


このカプサイシン感受性知覚神経を活性化する働きによって、ラフチジンが痛みやしびれにも応用されていることについて次でみていきます。

なお、TRPチャネルについては、以前当ブログで解説していますのでそちらを参照していただきたいと思います。( → トローチの添加物の鎮痛作用を考えるけど‥ )


♦♦♦ ラフチジンは痛みやしびれにも ♦♦♦

舌舌痛症という病気があります。
その名の通り、舌がチクチク、ピリピリする疾患です。
ニザチジンの回で触れた唾液分泌の低下が絡んでいることもあるようですが、ほとんどの場合が原因不明で、有効な治療法もありませんでした。
しかし、舌にもカプサイシン感受性知覚神経が存在することから、ラフチジンを投与してみたところ、多くの症例で良好な結果が得られたことが報告されています。( → こちら )

手の震えまた、パクリタキセルやドタキセルなどの抗がん剤によって、手足の痺れや知覚異常といった末梢神経障害を起こすことがあります。
この副作用の予防や治療にラフチジンが効くという報告が数多くあります。
臨床試験も行われていたと思うのですが、結果はどうだったのでしょうか。


当院の患者さんで、坐骨神経痛や脊椎管狭窄症、糖尿病性末梢神経障害を持つ方々に、偶然ラフチジンを処方したことがあります。
すると、痛みやしびれが楽になったとの声が複数ありました。
先日も、三叉神経痛で食欲を落とした方に処方したら、痛みが随分楽になったと喜んでおられました。
また、HTLV-1関連脊髄症 ( HAM ) の方に、これまたたまたま処方したら、下肢に今までにない違和感を感じるようになったので飲むのを止めた、と言われたことがありました。
HAMは、成人T細胞白血病を起こすウイルス感染者の一部で両下肢の麻痺や膀胱直腸障害を示す疾患で、九州など西日本に多い疾患ですが、ラフチジンが知覚神経に何らかの作用を及ぼしたのでしょうね。

こういう経験から、ラフチジンは舌痛症や抗がん剤による末梢神経障害以外にも応用が効くのではないかと感じています。
既に線維筋痛症という疾患に活用している医師もいるようです。

個人的に興味があるのは、非びらん性胃食道逆流症 ( NERD ) という疾患です。
内視鏡検査で全く異常がないのに胸やけなどを訴えるものなのですが、NERDの症状に胃食道接合部のTRPV1が絡んでいると推定されているのです。
ラフチジンが効きそうに思うのですが、消化器を研究する医師が着目していないのが不思議です。


その他、慢性片頭痛の方では頭皮血管のTRPV1発現が亢進しているとか。( → こちら )
また、咳反射にTRPV1が絡んでいるので ( → こちら ) 、慢性的な片頭痛や咳に悩む方にもひょっとしたら効くのかも知れません。( あくまで私の勝手な推論です。)



♦♦♦ ラフチジンは胆汁による胃粘膜障害も回復させる ♦♦♦

胆汁もう一つ、カプサイシン感受性知覚神経とは関係なく着目しているのが、タウロコール酸による胃粘膜のダメージを回復させるという作用です。
タウロコール酸は胆汁に含まれる成分で、胃粘膜に悪影響を及ぼすことが知られていますし、胃の手術後などでは胆汁が原因となる逆流性食道炎があるのです。

胆汁による胃粘膜への影響についても、なぜか消化器医は重視していない傾向にあるように思いますが、内視鏡検査時に胃に胆汁の逆流を認めたら、ラフチジンの投与も検討してみたいところです。


♦♦♦ ラフチジン、これには注意 ♦♦♦

脳薬物相互作用については前述しましたので省略します。

また、腎機能に影響されないので、高齢者には使いやすいのではないかと述べてきましたが、注意点があります。
ラフチジンは脂溶性 ( オクタノール/水分配係数 95.70 ) で、脳血液関門を通って脳内に移行しやすいのため、精神神経症状を起こす可能性があるのです。( → こちら )
この点に関しては、処方した患者さんを注意深く診ていますが、今のところ問題を起こしたケースはありません。

♦♦♦♦♦

さて、H2ブロッカーについて考察してきたこのシリーズはこれでおしまいです。
たった4回の連載でしたが、中身はかなり濃かったのではないでしょうか。
特に、ニザチジンとラフチジンは、酸分泌抑制という本来の役割を超える作用を持っている点に興味を持っていただければ、苦労して書いた甲斐があります。


( 2022年7月12日更新 )


〔まだまだ使えるH2ブロッカー・第一回〕シメチジン、面白い作用を持っているけど
〔まだまだ使えるH2ブロッカー・第二回〕シメチジン、厄介さが半端ない
〔まだまだ使えるH2ブロッカー・第三回〕ニザチジン、唾液も出すし胃腸も動かす 
 ※ 参考 胃薬なのに別の病気の治療に

 ◆ 診療所ライブラリー 134 ◆


なぜかは鹿児島ではそろそろに悩まされる時期に入ります。
知らぬ間に近寄ってきて血を吸うだけならまだしも、その後に痒さといったらたまりません。
日本ではまあそれだけの存在ですけど、世界的にみるとマラリアデング熱など様々な疾患の運び屋としてとても厄介な存在です。( 日本でも日本脳炎やイヌのフィラリア症は問題ですけどね。)

そんな蚊について、生態から科学的に解明された最先端の知見までを網羅してあるのが今回紹介する「なぜ蚊は人を襲うのか」です。
著者の文章能力が長けているので、図版がわずか1つしかなく難しい内容も含まれるのに、一気に読み進めることが出来ます。
遺伝子レベルでの細かい研究がなされていることや、蚊を減らすための様々な試みが行われていることなどに驚きます。
また、歴史上の人物や文学と蚊の関わりなどにも言及しており、著者の幅広い知識には感心しきりです。

私が普段から興味のを持っている温度を関知するセンサー、TRPチャネルは蚊にもあるようです。
蚊は二酸化炭素・におい・温度の3つを手がかりに標的を探し出すようですが、ワサビの成分がその温度センサーであるTRPA1を麻痺させてしまうようですね。
ワサビが効くなら、ショウガやシナモン、マスタード、ニンニク等もいけるはずです。
今度庭にでる時はいろいろ試してみたいと思います。

<< 風邪薬についての考察 第5回 >>


病院で処方されるトローチの添加物の中に鎮痛効果が期待されるものがあります。
一つは「カンゾウエキス」。
市販の漢方薬に「甘草湯」という商品があります。
生薬を複数組み合わせるのが基本の漢方薬の中にあって甘草だけという異色の薬ですが、これは激しい咳やのどの痛み・腹痛などに即効性があるとされます。
医療用として存在しないため、私自身使用経験がないので
効果の程は知りませんが、甘草についてはステロイドホルモンが分解されるのを防いで抗炎症作用を高めていることが知られています。

TRP次に「l - メントール」の働きをみていきますが、それを理解するのに必要な「TRPチャネル」についてごく簡単に触れておきます。
TRPは transient receptor potential の略でトリップと読むのが一般的です。
外部の環境温度を感知するセンサーで哺乳類では9種類が知られており、それぞれ担当する温度領域があるようです。
43度以上を感知する TRPV1 と17度以下を感知する TRPA1 が活性化すると温度を感じると同時に痛みというシグナルにもなります。
生物が至適温度で生きていく上でとても大切な仕組みです。
TRPチャネルは温度だけでなく、植物由来の成分等でも活性化されることがわかっており、メントールはおおむね25度以下を感知するTRPM8 を活性化しますが、高濃度だと TRPA1 を抑え込んで痛みを感じにくくしてしまいます。
ちなみに、TRPV1 はトウガラシや酸などで、TRPA1 はワサビやシナモンなどでも活性化されます。

前回書いた通り、病院で処方されるトローチの主成分「デカリニウム塩化物」は痛みを緩和する作用を持ち合わせませんが、添加物で鎮痛…。
いや、ちょっと待ってください。
まずトローチには若干メントールの香りを感じとることができますが、舐めていても口の中がスースーする気配は全くありません。
恐らく香りづけ程度の含有量でしかないのでしょうか。
カンゾウについても、甘草湯では一包に1.425gものカンゾウエキスが含有されています。
トローチの大部分がカンゾウの成分なのであれば痛みに効果があるでしょうが、これも甘味料としてわずかに加えられているだけのようで、鎮痛効果が期待できるほどのものではありません。
実際、病院で処方されるトローチを舐めても、のどの痛みは改善しないのが何よりの証拠です。

さて、市販のトローチに目を向けてみると各社の商品には様々な工夫がなされています。
次回はそれをみていきたいと思います。


 ⇨ 第4回 「トローチはのどの痛みをとる ??
 ⇨ 第6回 「医療用より多彩な市販のトローチ」 

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