今回は「アルキン酸塩の話のつづき」の続きになる話です。
欧米の教科書には、傷口は消毒してはならないと記載されているそうです。
消毒薬の使用目的は、もちろん傷口からの感染予防。
今使われている消毒薬は、ばい菌を殺すのにとても優秀なものばかりなのですが。
では、なぜ消毒してはいけないとなったのでしょうか。
傷口から出てくる血液や浸出液には、
・ばい菌から体を守る、白血球や免疫グロブリン
・傷を治す成分
などが含まれているのですが、これらが消毒薬でダメージを受けてしまうからです。
衛生上よかれと思ってやっていたことが、自然に備わった機能も阻害し、かえって傷の治りが遅くなり、傷跡も目立ってしまう結果となることがわかったのです。
消毒の第一はとにかく傷口をきれいにすること。
傷口についた異物やはがれかけた皮膚等が感染の元になるので、徹底的に洗い流したり、切り取ったりすることがとても大切になります。
そして「アルキン酸塩の話のつづき」で紹介したような湿潤療法を行えばいいのです。
さて、この "傷を治す成分" の代表格として、皮膚や血管等の細胞の増殖を促す「成長因子」というものがあって、たくさんの種類があることが知られています。
成長因子で刺激を受けた細胞は、移動していったり、分裂して数を増やすなどして傷を塞ぎにかかります。
湿潤療法では滲み出してきた成長因子を、ハイドロコロイドが壊すことなくトラップして逃がさないので、傷が早く治るというわけです。
成長因子の一つに「上皮成長因子」(EGF)というものがあります。
これを発見した学者はノーベル賞を貰っていますが、
次の機会にこのEGFから見た、教科書にも載っていない意外な傷の治し方をお話します。
続きはこちら
□ 関連記事 EGFに関するこんな商品が出回っているようですが・・・
欧米の教科書には、傷口は消毒してはならないと記載されているそうです。
消毒薬の使用目的は、もちろん傷口からの感染予防。
今使われている消毒薬は、ばい菌を殺すのにとても優秀なものばかりなのですが。
では、なぜ消毒してはいけないとなったのでしょうか。
傷口から出てくる血液や浸出液には、
・ばい菌から体を守る、白血球や免疫グロブリン
・傷を治す成分
などが含まれているのですが、これらが消毒薬でダメージを受けてしまうからです。
衛生上よかれと思ってやっていたことが、自然に備わった機能も阻害し、かえって傷の治りが遅くなり、傷跡も目立ってしまう結果となることがわかったのです。
消毒の第一はとにかく傷口をきれいにすること。
傷口についた異物やはがれかけた皮膚等が感染の元になるので、徹底的に洗い流したり、切り取ったりすることがとても大切になります。
そして「アルキン酸塩の話のつづき」で紹介したような湿潤療法を行えばいいのです。
さて、この "傷を治す成分" の代表格として、皮膚や血管等の細胞の増殖を促す「成長因子」というものがあって、たくさんの種類があることが知られています。
成長因子で刺激を受けた細胞は、移動していったり、分裂して数を増やすなどして傷を塞ぎにかかります。
湿潤療法では滲み出してきた成長因子を、ハイドロコロイドが壊すことなくトラップして逃がさないので、傷が早く治るというわけです。
成長因子の一つに「上皮成長因子」(EGF)というものがあります。
これを発見した学者はノーベル賞を貰っていますが、
次の機会にこのEGFから見た、教科書にも載っていない意外な傷の治し方をお話します。
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