《 大腸がん 1 》


これから何回かに分けて大腸がんについて述べてみたいと思います。


というのも、悪性新生物による死亡数をみると
2003年から日本人女性では大腸がん (結腸がんと直腸がんの和) が第1位。
また部位別のがんの罹患数をみても、地域によっては男性で第1位となった所も。
日本において増加の一途をたどっている疾患だからです。

大腸がんがどうして増えているのか。
dngmlsg7.gif腸がんの危険因子として様々な要因が取り沙汰されています。
ただし、確実とされているものは、予防因子としての「身体活動」と危険因子としての「肥満」だけなのです。

最近、厚生労働省の研究班からも、
運動量の多い人は、ほとんど運動しない人に比べ発症危険度が 30% も低くなるという報告がなされました。
ちなみに、運動することで乳がんや前立腺がんも減らせる可能性が示唆されています。
また、太り過ぎ (BMI 27 以上) は男性で 1.4 倍も大腸がんリスクを高くする、との報告もあります。

実はメタボリック症候群と大腸がんの関連を示すような因子が次々と知られるようになってきました。
食べることばかりで運動をせず、どんどん内臓脂肪を溜め込む。
その結果、動脈硬化に絡むものだけでなく、実に様々な病気が発症するのだという認識を新たにして、
日頃から、自制心のある食行動と意識的に体を動かすことに励んでください。




訂正) 以前、生活習慣病、その常識で防げますか? の本の紹介のところで
食物繊維はいくら摂っても大腸がんの発症率に変化はないとしていました。事実この本にはデータが示してあります。
その後調べてみると、摂りすぎても変化はないものの、摂取が少なすぎると発症率が高くなるとの研究結果がありました。
また、野菜や果物の摂取自体は大腸がんの予防因子としての可能性が高く、食物繊維以外の成分が注目されています。