del3nggf.gif ○○ 学会レポート 5 ○○


従来の内視鏡より径を細くして挿入ルートをちょっと変えるだけで、こんなにたくさんの研究テーマになるのだなと感心したのが経鼻内視鏡についての演題の数々です。

学会最終日は午前から閉会まで経鼻内視鏡三昧の一日を過ごしました。

面白かったのは、経鼻内視鏡を用いた胆管膵管造影について。
胆管への挿入率が4分の3程度にとどまるものの、憩室内乳頭ではかえって操作がやりやすいことや経鼻胆管ドレナージも容易であることなどが紹介されました。
あらかじめ乳頭切開した症例ではそのまま胆管内に内視鏡を挿入できるというのも興味ある点でした。
経鼻内視鏡の可能性を感じさせる報告でした。

経口内視鏡に比べて体に楽であるというのを Rate pressure product という指標を用いて比較したデータも複数の施設から出されました。
これは 心拍数 × 収縮期血圧 / 100 で表されるもの。
数値が高いと循環器系などへの負担が大きいことを意味します。
経鼻内視鏡ではこれが安静時とほとんど変わらないのに比べ、経口内視鏡においては有意に増加するという結果が示されました。
数値化することで改めて楽に受けていただける内視鏡であることが裏打ちされたわけです。

経鼻内視鏡の会場は比較的高齢の聴講者が多かったように思います。
若手医師たちは、同じ時間帯に別会場で行われていたカプセル内視鏡や内視鏡手技をテーマにしたプログラムに足を運んだのだと思います。
最終日の午前中は内視鏡医が興味を持つ演題がいくつも重なってしまい、参加者から不満の声も聞かれていました。