2010121913541010803.gif内視鏡検査を続けていると珍しい症例に遭遇することがあります。
今年は胃と大腸の内視鏡でそれぞれ印象に残るものがありました。

胃の方は現在も治療中のためコメントは差し控えさせていただきますが、大腸の方では今年のある時期に宿便性直腸潰瘍と思われる症例を経験しました。
昨年連載した「宿便を考える」というシリーズの中で触れたばかりでしたが、内視鏡ばっかりやっている医師でもめったにお目にかかることのない非常に稀な疾患です。
寝たきり、向精神薬使用などの便秘になりやすい条件がいくつも重なって、浣腸してもほとんど排出されないカチカチの便が直腸に鎮座ましましていました。
そのため視野が十分に確保できない悪条件下での観察だったのですが、直腸粘膜に広範囲に潰瘍が存在しており、宿便性直腸潰瘍と診断した次第。

これからも内視鏡を中心とした診療で皆様のお役に立っていければいいなと考えております。