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医食同源という言葉があるように、健康と食事は切っても切れない仲。
診療所のライブラリーにも何冊か食事に関係する本を並べてあります。

数年前に食の偽装問題が相次ぎましたが、その根底にあるのは安くておいしいものを要求する消費者自身に問題があるのではないかと、様々な食材をレポートして考察するのが今回紹介する本です。

口蹄疫や鳥インフルエンザ問題の時に驚いたのは一つの施設の限られた空間に飼われている家畜の数の膨大さ。
醤油や豆腐、納豆など日本人の大豆の消費は多いのに極めて低い自給率。
普段からとても疑問に思っていることがたくさんありました。
消費者の要求する低価格を実現すべく追い求めた食料の供給の実態が一体どういうものなのか、この本で垣間見ることができます。
一方で、しっかりとした理念を持って本物にこだわる生産者もいることがいくつかレポートされています。

この本と同時期に読んだ本に「世界の食料ムダ捨て事情」がありますが、こちらは大量廃棄される食糧問題の深刻さをえぐり出したもの。
二つの本を通して、自然の恵みを忘れかけた飽食時代の日本人はとんでもないものを口にし、まだまだ食べられるものを捨てている現実を知ることになりました。

福島原発事故を契機に節電に対する意識は高まってきましたけれど、消費者自身が食習慣の現状にも目を向けて改めるべきところは改めていかなければなりませんね。
それは地球環境にも優しいことですし、メタボ改善や疾病予防にも繋がっていくのです。


  → 日本の「食」は安すぎる 「無添加」で「日持ちする弁当」はあり得ない