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日本人の胃癌の9割はピロリ菌が原因とされています。
つまり、日本人の胃の中からピロリ菌がいなくなれば、胃癌患者はは今の10分の1まで減少するということになるのです。

30年近く前にピロリ菌が発見されたことによって、胃の病気の診断や治療は大きく変化しました。
この本は、それ以前の歴史から最新のトピックスまでをコンパクトにわかりやすく網羅してあり、これ一冊あれば、他のピロリ菌に関する著書は不要でしょう。
是非手に取ってみてください。

内視鏡を扱っていると、ピロリ菌存在の有無は胃の表面の様子からだいたいわかるのですが、今の保険制度ではピロリ菌に感染しているというだけでは治療を受けることができない仕組みになっています。
ピロリ菌を早期に除菌するのと潰瘍や癌になってから医療を施すのとどちらが経済的か、そういう視点から考えても現行制度はナンセンスです。
その点にも触れられていますが、改善されるのはいつのことでしょうか。


  → 胃の病気とピロリ菌―胃がんを防ぐために