◆ 診療所ライブラリー 182 ◆


がん検診がん検診ってややこしいです。

対策型検診と任意型検診があって、対策型は死亡率を減少させることを目的に公費で行われるものです。
しかし、日本では死亡率減少が十分に示されていない検査を対策型検診に組み入れている自治体もあります。

任意型は、検診を受ける人が選択するものですが、ラインナップの中には結構いい加減なものがあります。
意外に思われるかも知れませんが、一番厄介なのが血液で調べる腫瘍マーカー
この数値が高くても必ずがんがあるわけではないですし、どの部位に異常があるのか特定することができません。
今回紹介する本の中にも書いてありますが、腫瘍マーカーが有意義に活用できるのは、実際にがんがある人の治療効果の判定や再発のチェックなのです。


この本は、各種のがんについての解説をしながら、広く定着している検査手段の上手な活用法や問題点を的確に理解することができます。
著者の得意とするマンガもフルに活用していて、一般の方にも非常にわかりやすいものになっています。

巻末には「がん検診懐疑派への反論」という一章があります。
対策型検診に携っている医師と臨床医の間で意見が合わないことがあって、そのあたりにも論理的な見解を述べてあります。

誰もが納得し満足のいく検査手段はないのですが、がん検診を賢く利用しながら日頃の健康意識を高めることができる。
そんな一冊です。