◆ 診療所ライブラリー 169 ◆


誤嚥性肺炎最近、食べ物や薬をのどに引っかけてしまうことが増えてきました。
今日紹介する本の中にも「飲み込む力の低下は40代、50代から始まって」いると書いてありますが、それを実感する日々です。
でも、のどの筋肉は何歳からでも鍛えられるとか。
紹介されているとても簡単な体操を活用していこうと思います。

ご存じかも知れませんが、日本人の死因の上位に肺炎が挙げられます。
一時は死因第三位になったこともあり、また年齢が上がるほどその比率は高くなっていくので、肺炎対策は重要です。
「高齢者の肺炎の7割は誤嚥と関係がある」ということで、本書では誤嚥性肺炎の原因やその対策方法をイラスト入りで非常に詳しく解説してあります。
高齢者を介護する立場にある方も多いと思いますが、とても実用的な本なので是非一読して下さい。


ただ、ちょっと気になる間違いを指摘しておきます。
胃食道逆流症 ( 逆流性食道炎 ) についてなのですが、「横向きに寝る場合は、右を下にして寝ると、胃から腸への食物の移動が促され、逆流を予防します」と書いてあります。
このような解説を時々見かけるのですが、全くの逆で、左を下( 左側臥位 ) にしなければいけません。
下のイラストを見て下さい。

胃左側臥位右側臥位の胃

左から、立位・左側臥位・右側臥位にした時の胃の向きです。
大事なのは食道と胃の位置関係で、中央のイラストの左側臥位だと食道が上方にきます。
立位で胃は左側 ( イラストでは向かって右側 ) に大きく張り出していますが、この張り出しが左側臥位だと下になります。
この部分に胃液が溜まるのです。
よって逆流しにくくなります。
右端のイラストの右側臥位だと、逆流を助長してしまうのは説明するまでもないでしょう。
胃食道逆流症 ( 逆流性食道炎 ) でお悩みの方が就寝される際は、左側臥位を意識して下さいね。