野口内科 BLOG

  鹿児島市武岡に開業して43年の野口内科です。
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⑥ 医療関係の情報

新型コロナワクチンを受けさせていただきました。
ワクチンを受けたいけれども、副反応を気にして躊躇している方もいらっしゃいます。
私と当院スタッフが経験した接種後の経過を報告したいと思います。

今後、皆さんが受ける際の参考にして下さい。

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筋肉注射の様子私が1回目の接種を受けたのは4月24日。
接種当日は、注射部位に若干の重みを感じる程度でした。
翌日になり、腕のポジションによって軽い痛みを感じました。
桜島の火山灰まみれになった車を洗いましたが、特に支障はなし。
翌々日まで痛みがわずかに残りましたが、仕事には全く影響はありませんでした。

2回目の接種はは5月15日の昼でした。
4-5時間後には、1回目の翌日に感じたレベルの痛みが出てきました。
翌朝、注射部位はカチカチになって1回目以上の痛みが出ましたが、そんなにつらいものではありません。
また、注射した腕側の腋窩に服で擦れたようなヒリヒリ感も伴いました。
何となく体がだるかったものの、雨の合間に草むしり。
昼頃に体温を測ると37.0℃ちょうどで、背筋に軽い寒気があったので、昼食後に麻黄附子細辛湯を服用しました。
( 麻黄附子細辛湯はあまり熱が高くなく寒気を感じるような風邪に有効な漢方薬で、食後の方が吸収がよくなります。)
すると、体がとても軽くなり、どういうわけか筋肉痛も感じなくなりました。
夕方には体温は36.2℃に。
夜に若干のだるさがまた出てきましたが、薬を服用せずそのまま寝ました。
翌々日はだるさも熱もなく、注射部位の硬さもほぼ消えました。
ただ、しつこく触ると痛がゆい感じが出ます。


一連の副反応を私は全く苦痛に思いませんでした。
むしろ、こうやって体に免疫が付いていくんだな、とその過程を楽しんだくらいです。

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当院のスタッフの状況ですが、副反応は様々で、次のような3段階に分けてみます。

1回目 ① 無症状 ② 軽度の痛み ③ 寝返り起きてしまう程の痛み
2回目 ① 無症状 ② 筋肉痛、軽い倦怠感と微熱、腰痛 ③ 高熱、頭痛、強い倦怠感

筋肉痛両方とも①だけという人もいれば、③が連続した人もいます。
また、1回目は①だったものの 2回目は③になった人もいます。
2回目の②や③は、早ければ接種当日の夜から、遅くて翌日から生じています。

1回目は痛みを軽減させるために薬を使う人はいませんでしたが、2回目はロキソニンなどの解熱鎮痛剤を使った人が多かったです。
解熱鎮痛剤を使うとかなり楽になるようで、仕事もほぼ普通にこなしていました。

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人類が初めて使うmRNAを利用したワクチンですが、抜群の効果があることは既に示されています。
我々のワクチン接種後の体の変化を参考にして、ワクチン接種は恐れることなく受けていただきたいと思います。

全国各地で新型コロナウイルス感染症が猛威を振るっています。
鹿児島県ではゴールデンウイークの始まる前、4月28日までは発症例が10人台に留まっていました。
4月29日に28人、30日に33人、5月1日には過去最多の60人を記録。
以降、40人台を下回ることがありません。
そして、5月7日には2度目となる新型コロナ警戒基準ステージ3の発令がなされました。

実は、昨年4月21日から6月11日の間は、鹿児島県で発症例はゼロだったのです。
それを考えると、今は非常に危機的な状況です。

昨年の今頃は、マスクや消毒液の入手困難な状況で、アベノマスクよりも先に鹿児島市がマスクを各戸に配布したのを有り難く感じていました。

消毒今はどうでしょう。
マスクや消毒液に不自由することなく、マスクを手作りする必要もありません。
そして、店舗の出入り口などで手指消毒をする姿も目立って減ってきています。
変異株が感染しやすいのも一因だと思いますが、我々の気の緩みがあることも疑いようがありません。
今一度、これまで以上に徹底した感染予防を心掛けてほしいと思います。


今年の母の日のプレゼントに、ハンドソープを選びました。
間もなく、鹿児島市でも高齢者を対象とした新型コロナウイルスに対するワクチン接種が始まり、少しずつ状況が変わってくるかも知れませんが、手洗いは感染防御の基本であることは将来にわたって変わることはありません。

潰瘍性大腸炎免疫の異常により腸の炎症を起こす炎症性腸疾患には、潰瘍性大腸炎クローン病という疾患があります。
日本では、潰瘍性大腸炎は16万人、クローン病は7万人いるとされており、消化器内科医をやっていると常に何人かの方を担当しています。


私が医療に携わるようになって、いろんな消化器疾患の病因が解明され、治療に結びついているものがいくつもあります。
ピロリ菌発見による胃・十二指腸潰瘍、C型肝炎治療の進歩による肝硬変・肝がんなどは、患者数が劇的に減り、滅多にお目にかからなくなりました。

一方、炎症性腸疾患に関しては、あまり進歩がみられません。
血球成分吸着除去法や免疫抑制剤、生物学的製剤、便移植などが応用されるようにはなってきましたが、決め手を欠いています。


そんな中、非常に注目すべき研究結果が発表されました。
潰瘍性大腸炎の患者さんの9割に認められる自己抗体が発見されたのです。( → プレスリリース )
これは、インテグリンαVβ6という接着因子に対する抗体で、同じ炎症性腸疾患のクローン病患者さんには認められないようですし、病変の活動性に対応して抗体量も変化するようです。
潰瘍性大腸炎で見られる大腸粘膜上皮障害の説明もできるので、疾患の最大の原因と考えて良さそうですね。
今後は、潰瘍性大腸炎の確定診断や治療薬の開発やその評価などに活用していけるのではないかと思います。

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柿さて、これ以外にもここ1年で面白い報告がありましたのでご参考に。
いずれも日本の大学の研究報告です。

● 亜鉛欠乏で炎症性腸疾患が増悪。( → プレスリリース )
特にクローン病患者さんで血中亜鉛濃度が低下するようですが、亜鉛欠乏で免疫細胞の機能が変化するようです。

● ブルーベリーに含まれるプテロスチルベンの経口投与で炎症性腸疾患モデルマウスの炎症抑制。( → プレスリリース )
プテロスチルベンが免疫細胞の過剰な活動を効果的に抑えるようです。

● 柿渋の経口投与で潰瘍性大腸炎モデルマウスの病態改善。 ( → プレスリリース )
柿タンニンが大腸の環境で発酵され、潰瘍性大腸炎で増加する腸内の悪玉菌と炎症を抑制するようです。

胃・十二指腸潰瘍や胃癌の原因となるピロリ菌は、かなり多くの方に認知されるようになってきました。
このピロリ菌に、近縁の菌がいるってご存知だったでしょうか。

先月末に、そのうちの一つであるヘリコバクター・スイス ( Helicobactor suis: 以下HS ) の分離培養成功とヒトの胃における病原細菌であることの証明がなされました。
非常に画期的なビッグニュースです。( 参考 → プレスリリース  )

菌の培養ができないと、その性質を調べることができませんし、研究も進みません。
今、腸内細菌の研究が盛んですが、調べているのは菌のDNA。
どんな菌がどのくらいの割合で存在しているかを見るのが中心になっています。
ほとんどの菌の培養法が確立していないので、これらの役割についてはほとんど解明されていません。

helicobactor-suisピロリ菌が発見されたのが1982年。
それ以降、近縁の菌の存在はいくつも知られていたのですが、なかなか培養ができずにいました。
HSは、ブタで高い検出率が示され、ヒトの胃MALTリンパ腫との因果関係が強く疑われていた菌です。
分離培養成功で、菌の存在を調べる方法や他の疾患との関わりなど、研究が一気に加速するものと思います。

プレスリリースにHSの電子顕微鏡像が出ていました。
ピロリ菌と比較すると、菌体のねじれが強く、ひときわ長い鞭毛が両端にある点が異なりますね。

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さて、HS以外にもピロリ菌の親戚の菌がいくつか知られており、中にはイヌやネコの口腔内や消化管に存在しているものもあります。
ペットと濃厚に接触していると、ヒトにも感染することが強く疑われています。

そんなこともあって、以前から雑誌などで取り上げられることがありました。 ( → 参考 1参考 2 )
「参考 1」の記事が出る前、私は週刊現代から電話取材を受けました。
この時、私は「培養法が確立していない現状では、推測に過ぎません」と記者に伝えました。
そのためか、記事に名前が出ることはありませんでしたし、内容も不安を煽るような過剰な表現になっていなかったので安堵したのを覚えています。


HS以外の菌についても培養法の確立が待たれます。

本日2月25日、鹿児島県内では新型コロナウイルスの新規発症例が0を記録しました。
これは、昨年11月24日以来のことになります。
ほっと一安心ですが・・。

11月25日以降、クラスターと認定された事例が17もあります。
11月23日以前は9でしたから、第3波の影響の大きさをうかがい知ることができます。
また、死亡者数はこれまで26例ですが、11月24日の前後で13例ずつと同数です。
なお、2月24日までの鹿児島県内での発症は1758例ですから、死亡率は1.48%となります。
ちなみに他の九州各県の死亡率は、最も低い佐賀県で0.78%、最も高い長崎県で2.24%と幅があります。

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手洗い今後、緊急事態宣言は解除の方向に向かうでしょうが、油断してはなりません。
春は移動の季節であり、暖かくなって外出の機会も増えることでしょう。
ようやく始まった新型コロナのワクチン接種の本格化ももう少し先です。


今日、鹿児島中央駅の商業施設に行きました。
皆さんマスクは着用しているのですが、気になったのは、出入り口に設置してある消毒液を活用する人が随分と少ないことです。
新型コロナに対する危機感が1年前に比べて希薄になってきているのでしょうか。
寒い冬で、手を洗う習慣が疎かになってしまってきたのかも知れません。

再び、我々の行動や経済活動が大きく縛られることのないよう
・三密を避けること
・マスクの着用の継続
・そして、手指消毒
これらのことは、今後も身を引き締めて徹底していきましょう。

筋肉注射日本でも、ファイザー製の新型コロナウイルスに対するワクチン接種が2月16日から始まりました。
テレビや新聞で話題になっているものの一つに、このワクチンが筋肉注射であることが挙がっています。

今月上旬、医療関係者向けの新型コロナウイルス接種の説明会がありましたが、その際に会場から、筋肉注射に対する戸惑いとも受け止められる質問がなされていました。
医療従事者でも慣れてないんですよね。

というのも、日本では皮下注射での予防接種が一般的だからです。
これは、戦後の日本で筋肉注射による大腿四頭筋拘縮症という病態が多く報告されたことに起因しています。
その原因とされる注射に予防接種の薬液は含まれていなかったのにもかかわらず、です。
海外では、生ワクチン以外は原則筋肉注射です。

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当院では、ここ10年ほどの間に始まった肺炎球菌ワクチンや子宮頸癌ワクチンは、筋肉注射で行っています。
しっかり資料を読み込んで、筋肉注射の方が腫れや痛みなどの局所症状が少ない、と判断したからです。
普段からこの手技に慣れている当院スタッフは、今回の新型コロナウイルスの予防接種が筋肉注射であることに抵抗も違和感も全く感じておりません。

なお、当院は新型コロナウイルスワクチンの連携型施設に選定されました。
接種体制が整いましたら、このブログでお知らせしていく予定です。

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私はここ数年、インフルエンザの予防接種も筋肉注射で受けています。
注射部位の痛みや腫れがほとんどなく、とても楽です。
皮下注射に比べ、抗体価の上昇も筋肉注射の方が勝るというデータもあるようです。
一般の方にも勧めたいところなのですが、残念ながら厚生労働省がインフルエンザワクチンの筋肉注射を認めていません。
今回の新型コロナ禍を契機に、見直して欲しいなと思っています。

昨年末、小林化工の製造した水虫の薬に睡眠薬の成分が混入していた事実が発覚しました。
昨日、同社に対して116日間の業務停止処分が下されました。
これまでで最も長い処分を下したかったようですが、116という数字はどこから出てきたのでしょうね。
30日単位や7の倍数なら分かりやすいのですが。

製造小林化工が全製品の製造・出荷を停止したため、多方面に影響が出ています。
同社製品を使用していた医療機関や調剤薬局は他のメーカーの医薬品に変更せざるを得ませんが、各製薬会社も容易には増産できません。
入手困難なため、先発品への回帰の動きも出ています。
また、小林化工に製造を委託しているメーカーの製品も供給できなくなっています。

当院でも、製造委託品が1種類だけ影響を受けています。
他社の同成分の薬品が入手困難なため、当院で採用している同系統の薬にシフトして対応しています。

ご迷惑をおかけしますが、何とぞご理解の程よろしくお願いいたします。

本日の地元紙の一面トップに『高齢者ワクチン接種開始 鹿児島市など「4月上旬」』という記事が出ていました。
全国規模の共同通信調査の結果で、鹿児島市は集団接種の会場や接種を行う医師・看護師の確保に概ね目処が立った、としているようです。


新型コロナワクチンしかし、我々が2月4日にワクチン接種説明会で聞いた内容とは若干異なっています。

まず、3月中旬から5週間かけて医療関係者 ( 歯科や調剤薬局、医薬品卸関係も含む ) に接種し、その後高齢者の接種が始まるというものでした。
そうなると、高齢者の接種開始は4月後半になるはずです。
また、当初考えていた集団接種よりも診療所などでの個別接種に軸足を移したい意向がみてとれました。

こういう混乱の最大の原因は、先行して接種開始となるファイザー製のワクチンの保存方法が特殊であることと、ほぼ全国民を対象とした大規模な事業であることにあるでしょう。
超低温で保存しているワクチンをフリーザーから取り出したら、短期間のうちに使わなければならないので、集団接種が効率的だろうと初期には構図を描いたのだと思います。
しかし、効率的にワクチンを配送できれば、少人数での個別接種も可能だし現実的だと考え方が変わってきているように思います。


ともあれ、3月中旬スタートの医療関係者向けのワクチン接種体制をどのように構築するか、今はそれに保健所や医師会が全力で取り組んでいるところです。

1月22日、鹿児島県は新型コロナウイルスに対する警戒基準を感染者急増にあたるステージ3に引き上げ、感染拡大警報を発令しました。
25日から2月7日までの間、鹿児島市・薩摩川内市・霧島市・鹿屋市・名瀬市の飲食店に対し営業時間短縮の要請もしています。

警戒基準警戒基準のレベルを決める項目が7項目あり、そのうちの「病床占有率 (全体) 」が31.3%、「新規感染者数 前週との比較」が増加、と2項目が該当しています。( いずれも1月21日現在 )

1月20日には、鹿児島県過去最高となる59名の感染者確認と介護施設でのクラスターが認定されれ、入院患者の7割を重症化しやすいとされる60歳代以上が占めています。
入院が長期間に及ぶ可能性が払拭できず、医療供給体制が窮する懸念が出ています。

1月8日に国から緊急事態宣言が発出され、都道府県によっては独自の宣言を出しているものの、感染者数は容易には減少していません。
新型コロナウイルス感染症とは全く関係のない緊急を要する患者さんの受け入れ先を決めるのに、手間取るケースも実際に出てきています。
患者さんと話していると、ほとんどの方は最大限の注意を払っているようです。
感染状況が収束に向かうように、より一層の引き締めをお願いしたいと思います。



感染を抑えきらないうちに経済を回し始めた結果、多くの国民が命の危険に晒され続け、医療関係者にクリスマスも正月も期待できないような状況が生じています。
同じ島国のニュージーランドや台湾は、新型コロナをほぼ征圧しています。
日本もやればできるはずです。

今年に入って、新型コロナウイルスに対するワクチンについて尋ねられることが多くなりました。
しかし、お答えできるような情報を全く持ち合わせていないのが実情です。

本日、新型コロナウイルスワクチン接種体制に係る説明会に参加してきましたが、一般の方に役立つ情報には乏しい内容でした。

主な説明は、
・ワクチンの流通や保管法について
・医療従事者向けの接種体制について
・医療機関での接種の実施体制について
・接種が予定されているワクチンの特徴や有効性、安全性について
でした。

ワクチンの保管や実施体制についてはこれから詰めていく作業が本格化します。
皆様にお伝えできる情報を得ましたら、当ブログなどで発信していく予定です。

新型コロナワクチン

12月4日、菅総理大臣が記者会見を開き、「現在コロナ感染者数や重症者数が過去最多となり、きわめて警戒すべき状況が続いている。既に先週から重症者向けの病床が逼迫しており、強い危機感を持って対応している」と述べました。
これが、9月16日以来の記者会見というのですからあきれたものですが、新型コロナ対策に明確な方向性を示さなかったことに本当にがっかりでした。
新型コロナウイルス感染が拡大してから最悪の情勢にある中、緊急事態宣言を出すこともせず、Go To 関連事業を止めることもなく、国は一体何を見据えているのでしょうか。

また、多くの方々も連日報道される数字の大きさに慣れたというか、感覚が麻痺したというか、初期のころに比べると危機感が希薄になってきている印象です。
私は、鹿児島県のコロナの発生数をツイッターで連日伝えています。
最初の頃は、閲覧数やリツイート数も多かったのですが、最近はかなり落ちてきています。
大騒ぎしていた春先よりも、今がはるかに厳しい事態であることを、下のグラフを見て真剣に受け止めて下さい。
1~2週間後がどうなっているのかを想像してみて下さい。
グラフ


感染を抑えきらないうちに経済を回し始めた結果、多くの国民が命の危険に晒され続け、医療関係者にクリスマスも正月も期待できないような状況が生じています。
同じ島国のニュージーランドや台湾は、新型コロナをほぼ征圧しています。
日本もやればできるはずです。

2008年から始まった特定健診 ( いわゆるメタボ健診 ) 及び特定保健指導について、その効果を検証した報告がありました。( → こちら )

腹囲測定2014年にメタボ健診を受けた男性のうち、腹囲が85cmを少し超えて保健指導となった人と、少し下回り対象とならなかった人それぞれ2万人を抽出。
1年後、保健指導となった集団で体重が0.29kg、BMI ( Body mass Index, 体格指数 ) が0.1低下したに留まっただけで、3年経過するとその差も消えてしまうという内容でした。
その原因として、保健指導を受けたのが16%だけ・指導内容が効果的とは言えない・腹囲85cmだと健康な人が多く含まれる、といったことが挙げられています。

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メタボ健診が始まった時の問題点を、以前このブログで書きました。

こんないい加減なことでいいの ? 1

こんないい加減なことでいいの ? 2

「2」の方で書いた腎機能の検査項目については、すぐにBUNがクレアチニンに改められました。
しかし「1」で指摘した腹囲を85cm ( 女性は90cm ) で区切った根拠は曖昧なままです。
血圧や血糖値、中性脂肪や善玉コレステロールがいくら基準を外れていても、腹囲が基準範囲なら指導の対象になりません。

まず腹囲ありきの健診なのですが、今回のデータ解析でその根幹に疑問が投げ掛けられました。
そろそろ、制度設計の見直しも必要な時期にさしかかっていると思います。

入浴介助鹿児島県の新型コロナ発症例はやや小康状態ですが、全くゼロにはなっていません。
懸念されたお盆休みの影響はあまり大きくなかった印象ですね。
これまでいくつかのクラスターが発生しましたが、鹿児島市内で起こった高齢者施設でのクラスターについての分析結果が発表になっていました。

その結果によると、食事の際に利用者同士の間隔が不十分であったことや入浴介助時に職員がマスクを装着していなかったなどがクラスター発生の要因として考えられるようです。
また、感染が疑われた場合にそうでない人とを分けるゾーニングなどの指導が行われたようです。

限られたスペースでどのように間隔を確保するか、夏場の入浴でスタッフの健康状態も留意しつつ感染防御対策をどのように進めるか、実行するには困難を伴うかも知れません。
でも少しでも抜け道があってはたちまち感染を広げてしまう現実があるわけです。

終わったことと済まさずに、こういった報告をこまめにチェックして、明日は我が身と今後の感染対策に活かすことが何よりも大事だと思います。

うがい液8月4日に、吉村大阪府知事がポビドンヨード ( イソジン ) でのうがいで唾液中の新型コロナウイルスが減少することを記者会見で発表し、各方面から大きな批判を受けています。

批判の主な中身は次のようなものです。
・発表の根拠となった研究は症例数が少ないこと
・口の中だけウイルスがいなくなるとPCR検査で陽性と出なくなる可能性がある
・ヨードアレルギーの人に使えない
・長期使用で甲状腺機能低下症を招いたり、妊婦・授乳婦には使いにくいこと


大阪はびきの医療センターが発表した内容の最大の問題点は、ポビドンヨードうがいの比較対象が、うがいをしていない人だったこと。
これは、水でうがいをした人と比較すべきだったと思います。
うがいという行為そのものでも、口腔内から新型コロナウイルスが消える可能性があるかも知れませんからね。

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うがいするカエルヨード系のうがい薬を使っても風邪の予防効果がないと発表があったのはもう15年前のこと。
( Satomura K. Am J Prev Med. 2005;29:302-7 )  ( 参考 → うがい )
しかし、このことを知らない医療関係者が未だに多いことにはがっかりします。

細菌やウイルスに対する殺菌・殺ウイルス作用は確かにしっかりあるのに、このような結果になるのは、組織傷害性があるからだと考えられています。
傷口から出てくる滲出液の中には、白血球・免疫グロブリンや細胞を増やして傷の修復を進める細胞成長因子などが含まれています。
その白血球や細胞成長因子がポビドンヨードによってダメージを受けてしまうのです。( 参考 → 傷は消毒しない ( 湿潤療法 ) )

そういう研究報告を踏まえ、当院でポビドンヨードうがい薬を採用しなくなって久しくなりますし、「無意味なヨード系うがい薬」を当ブログで書いたのは2013年のことでした。

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 さて、今回はポビドンヨードが手術の際の消毒薬としてネガティブな結果発表が相次いでいることに注目してみたいと思います。


カテーテル米国疾病予防管理センター ( CDC ) は2011年にカテーテル関連感染予防ガイドラインを発表しています。
様々なデータを基に、中心静脈・末梢動脈カテーテル挿入前の消毒薬として0.5%以上のクロルヘキシジンアルコール ( ヒビテン ) を第一選択とするよう推奨しています。( → 参考 )

CDCの発表以降になりますが、2015年にランセットに掲載された論文がクリアカットなので見てみましょう。( → こちら )
カテーテル検査時の術野の皮膚消毒で、クロルヘキシジンとポビドンヨードで比較検討しているのですが、術後感染が少なかったのはクロルヘキシジンです。
カテーテル関連感染で6.3倍・カテーテル関連血流感染で4.7倍・カテーテルへの菌の付着は5.6倍、クロルヘキシジンに比べてポビドンヨードの方で高かったのです。


手術2017年に発表された論文では、子宮摘出時において同じようにクロルヘキシジンとポビドンヨードによる術野消毒を比較していますが、やはりクロルヘキシジンに軍配が上がっています。 ( → こちら
術後感染は、クロルヘキシジンで消毒した場合は1.5%であったのに対し、ポビドンヨードの場合は4.7%だったという報告です。

 本年6月には、消化器外科領域の手術の際に、ポビドンヨードと日本で開発された新しい消毒薬オラネキシジン ( オラネジン ) による術野消毒の比較検討した研究発表が慶應大学からありました。 ( → こちら )
オラネキシジン使用群で、ポビドンヨード使用群よりも術後感染発生率が半減いています。


このように、ポビドンヨードを術野の消毒に使った場合、他の消毒薬に対して全く優位性がないのです。
研究報告に基づいてより良い消毒薬を使っていけば、術後感染が減少し医療費抑制にも繋がっていくはずです。
日本の外科手術では当たり前のようにポビドンヨードが使われていますし、中心静脈栄養の穿刺キットにポビドンヨードが同梱されてたりしますが、そろそろ改めていく時期にさしかかっています。

個人的には、ポビドンヨードは将来的に医療現場から駆逐されていくものと思っています。

鹿児島県で、新型コロナウイスル新規発症例が続いており、本日でついに200例を超えました。
7月22日に与論島で1例見つかったのをきっかけに、合計23例が確認されています。
小さな島だけに、皆さん大変な思いをされていることと思います。


今月に入り、合計77例というショーパブ関連の大規模なクラスターが発生しました。
県外客が4割を占めるという人気店で、県外客からスタッフを介して利用客に拡がったという見方がなされています。
また、第二のクラスターと認定された例では、介護事業所を利用している方が神奈川県から来た家族と接触履歴があり、利用者とその家族、そして介護職員の計9人の感染が確認されています。

今回の与論島の件も恐らくクラスターに認定されると思いますが、最初に感染が判明した看護師が複数の県外の知人と会食をしたようで、院内感染も疑われています。

gotoトラベルこのように、県外の人との接触で新型コロナの感染・拡散がみられるようです。
「Go To トラベル」の始まったこの4連休で多くの人が行き交っており、これで全く無傷というわけにはいかないでしょう。
鹿児島県のみならず、全国的に爆発的に感染者が増えると私は予想しています。
4月とは桁違いの数値も連日発表されても、感覚的に麻痺してしまっている部分もあるかも知れません。
三密は避けましょう。
手洗いとマスク着用は絶対に怠りなく。

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