野口内科 BLOG

  野口内科は鹿児島市武岡に開業して46年を迎えました。
  当ブログでは、当院からのお知らせ、医療・健康に関する情報の他に、近隣の話題、音楽・本のこと等を綴ってまいります。

    診療時間 午前  9:00〜13:00
         午後 14:30〜18:00 (金曜は〜18:30)
    休診   日曜・祝日・木曜午後
    電話   099−281−7515
    住所   鹿児島市武岡二丁目28−4
    院長   野口 仁

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⑥ 医療関係の情報

胃の模型写真に撮ったのは、胃潰瘍の説明に使ってくださいともらった胃の模型。
裏側には別の模型があり、逆流性食道炎にも使えるようになっています。

これに限らずほとんどの胃の構造模型にみられる間違いがあるのですが、わかりますでしょうか。
それは胃の中全体に気持ち悪いくらいに作られているヒダです。

周囲が赤く真ん中が白いの胃潰瘍のある部分を胃角部と言います。
これよりも左側、胃の出口である幽門にかけての部分は幽門前庭部と名付けられていますが、内視鏡で観察すると縦方向のヒダはこれほどはっきりと存在しません。

胃のヒダ実際の内視鏡画像を提示します。
上の弧を描いている部分が胃角部です。
その真下の部分から手前の胃体部にはヒダが確認できますが、その奥の前庭部ではヒダが追えなくなるのがおわかりでしょう。

ヒダにはどのような役割があるのでしょうか。
特殊な検査で確認されているのは、胃体部では食べ物が行ったり来たりしていること。
ヒダが食べ物の流れをガイドしている可能性があります。 
また、食べ物の有無で胃の大きさが変化しますが、 その際の蛇腹のような役割もあるのでないかと思います。
内視鏡検査では胃の動きを止める注射をしますし、食べ物があると視界不良なので絶食の状態で観察をします。
なので、検査中に消化の際の動きを肉眼で観察するのはまず無理。


前庭部では歯磨き粉チューブを絞るようなとでも表現しましょうか、砂時計のようなくびれができてそれが幽門へ向かって動いていきます。 
この動きは、注射していても観察できる場合があります。
幽門に近いほど輪状筋と呼ばれる胃の筋肉が発達していて、次の十二指腸へ内容物を送り込むような運動をするわけです。
この途中で縦方向のヒダが一時的に現れますが、普段はつるんとしています。
胃は入り口付近と出口付近で運動だけでなく、粘膜の細胞レベルでも随分違った性格を持っています。

胃の動きが乱れることが機能性ディスペプシアと呼ばれる疾患の一因とも考えられています。
消化管の運動と症状との関連性が簡単に調べられる検査法が開発されると面白いのになと思っています。 

インフルエンザの患者さんが増えています。

ただ、症状が出て数日経ってから来院されるケースもちらほら。
抗インフルエンザ薬はウイルスの増殖を抑えるものなので発症して48時間を過ぎると有効性に期待が持てません。
判定キット逆に発症後間もないとウイルス量が少なくて、判定キットによる検査で陰性となってしまうことが多いです。
学校や職場で出校・出勤停止期間が設けられていることなどから、インフルエンザであるかどうかを判定する意義はあると考えます。
理想を言えば発症後24時間ほど経っているとありがたいのですが、仕事の都合や休日の関係などでタイミング良く医療機関を受診できるかどうか難しいところです。

さて、本日テレビ番組で正しい体温計の使い方をやっていたようです。
体温計は脇の斜め下から脇に突き刺すように当てて、肌に十分密着させる必要があります。
詳しくは、こちらのサイトにイラストがありますので参考になさってください。

 → 正しい体温の計り方

ところで、 体温計や血圧計は「計」なのに、体温や血圧をはかるという場合「測」という漢字を使いますよね。
日本語、難しいです。 

先週までせいぜい1日に一人だったインフルエンザ。
今週に入って急に増えてきました。
基本的な予防法に徹し、罹った場合は周囲に広げない努力もお願いします。
学校の出席停止期間の基準が、今シーズンから
「発症した後5日を経過し、かつ、解熱したあと2日 (幼児にあっては、3日) を経過するまで」
と変更がありました。

インフルエンザさて、iPhone アプリで大変重宝するものがあります。
「インフルエンザ情報」です。
インフルエンザに関する基本的な情報のみならず、流行情報を都道府県別や市町村別に見られるマップ、学級閉鎖情報などが簡単に入手できる仕組みは秀逸。
地元新聞には学級閉鎖になった情報は出るものの解除の情報は出ないので、閉鎖中であることがリアルタイムにわかるのはありがたいですね。
お勧めです。 

先日も記事にしましたが、ポリオの不活化ワクチンの接種が始まっています。
予防接種の種類が増えて接種スケジュールが複雑になってきていますので気をつけたいところですが、便利そうな iPhone アプリを見つけました。
予防接種
いくつかあるようですが、評価が高いのが「予防接種スケジューラー」。
子供別に管理できますし、何より母子手帳にはないワクチンの詳細な解説が載っているのは優れもの。
不活化ポリオワクチンに早速対応しています。
予定を組んだり記録を残したりするのに重宝するのではないでしょうか。


アレルギーついでに他にも面白そうなアプリを紹介しておきますね。

商品バーコードから気になる食物アレルゲン成分がチェックできる「アレルギーチェッカー」。
子供の気管支喘息の記録を付けていくことができる「喘息ダイアリー」なんかも便利そうですね。
喘息
医療関係のアプリは圧倒的に iPhone アプリが数に勝りますけど、最近は Android 版も増えていて、
喘息ダイアリー以外は Android バージョンもありますね。
健康管理に役立つものが次々に登場してくるのは本当にありがたいことです。

元気な胃先月末にピロリ菌の除菌療法について、胃炎の段階でも保険適用がなされるように製薬メーカー各社が申請を出したというニュースがありました。
これは嬉しいニュースです。
今のところピロリ菌の感染が確認できても、胃や十二指腸潰瘍がある場合、胃MALTリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病、早期胃癌内視鏡治療後胃でないと保険が使えないのです。( → 参考 )

日本人の胃癌の9割はピロリ菌が原因とされています。
つまり、ピロリ菌が日本人の胃からいなくなれば胃癌の発症は今より10分の1に減ることになります。
内視鏡検査が日常的に行われている現在、 我々は早い段階で癌を見つけて可能ならば内視鏡治療を行なって胃を切除しなくてすむように努力しています。
でも将来、こんな努力もしなくてもいい時代が来るのかも知れません。
もしかしたら胃の内視鏡検査自体もあまり行われなくなるかも。

とにかくピロリ菌感染胃炎段階での治療が実現することを望みます。


話は変わりますが、業界用語で「保険適応」と「保険適用」という言葉が混在しています。
昔は前者がよく使われており私も何の疑問もはさまずに使っていましたが、日本語として正しい後者を最近よく見かけるようになってきました。
お役所のほうでしっかりと用語の統一を図ってもらいたいなと思います。

ついでに言っておくと「癌」と「がん」は実は使い分けがあるようで、特に年配の先生方はしっかり区別されています。
しかし最近は「ガン」と表記するケースもあり、知らない方も多いようです。
どういう使い分けかは自分で調べてみましょう。

既にご存知かと思いますが、9月1日からポリオの予防接種がこれまでの生ワクチンを2回飲む方法から不活化ワクチンを4回注射する方法に変わっています。
接種スケジュールがややこしくなっていますので整理してみましょう。


ポリオ平成24年7月31日以前に生まれたお子さんが対象です。
・既に生ワクチンを2回接種された方は注射の必要はありません
・既に生ワクチンを1回接種された方は注射を3回打つ必要があります。接種間隔に気をつけて予定を立ててください。
・生ワクチンを一度も接種していない場合は注射を4回打つ必要があります。接種間隔に気をつけて予定を立ててください。

平成24年8月1日以降に生まれたお子さんは、従来の3種混合ワクチンにポリオを加えた4種混合ワクチンを4回接種する方法で対応します。これは11月1日以降で接種が始まる予定です。
 

♦♦♦♦♦ 温水で肛門を洗い過ぎることの弊害 ♦♦♦♦♦

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患者さんから聞いて初めて知ったのですが、最近の洗浄付き便座には「便意リズム」というボタンがあるようです。

最近、家電が売れない世の中になってきたせいか、メーカーが何らかの付加価値をつけて物を売ろうとする必死の姿が伝わってきます。
しかし、肛門を温水で刺激して排便が促されるというのは科学的に根拠はありません。
体には排便反射という仕組みがあるのですが、直腸の内圧が高まる結果生じる反射です。
肛門が刺激されるたびにいちいち便意を催していたら、日常生活が大変じゃありませんか。

体温より高い温水で過剰にお尻を洗っていると「温水便座症候群」と呼ばれる肛門周囲の炎症を起こす場合がありますので十分ご注意を。
10秒以内の短時間なら問題ないとされていますが、必要以上に洗うと、皮脂を洗い流してしまいます。
皮脂が失われると乾燥して炎症を起こしやすくなります。
肛門も含め皮膚には常在細菌がいますが、これも皮膚を守るバリアとしての大切な役割があります。

私は、排便後に洗い落とすという本来の目的でしか使いません。
ちなみに、冬の寒い時期でも常温の水を使っています。
暖い時期から使っていれば慣れますし、逆に温水の方が気持ち悪く感じるようになります。

また、強く拭き過ぎるのも問題です。
表面を傷つけ、刺激物質や細菌の侵入を容易にしてしまいます。
洗い流したら、力を入れないで水気を取り除くだけにして下さいね。
肛門だって自分の体の大切な一部なんですから、やさしく拭いてあげて下さい。


♦♦♦♦♦ 便意を促すマッサージ ♦♦♦♦♦

ツボ便の貯留してるS状結腸付近にマッサージを施すと、便意を促すのに有効なことがあります。
私の子供たちが赤ん坊の頃、しばらく便が出ない場合に使った方法を紹介しておきます。
その名も「ウンチが出る出るマッサージ」。
おへその左下付近を1-2分軽くさすってやると10分もしないうちに排便がみられましたよ。
よくよく調べてみると、天枢大巨と呼ばれる便秘のツボがあって昔から活用されているようですね。
ツボを指圧して寝たきりの方の排便の一助にしているという報告もあります。( → こちら )
過敏性腸症候群に対して腸管のねじれた部位をマッサージすることを臨床に取り入れている先生もいます。 

排便に苦労しているのなら、水や電気を無駄遣いするより、とりあえず自分のおなかをさすってみてはいかがでしょうか。
全くコストはかかりません。
それでもダメなら、便秘薬を上手に活用することをお勧めします。( → 参考 )

なでしこジャパンの澤穂稀選手の体調不良の原因が良性発作性頭位めまいであることが報道されていました。

BPPV-2典型的な症状は朝起きたときに回転性のめまいが30秒前後続き、その後も特定の体位で同様の症状が出現するというもの。
この疾患の原因なんですが、イラストをご覧ください。
耳の奥にある三半規管の中はリンパ液で満たされていますが、頭を動かすと液体がずれるというのはわかりますね。
三半規管の一方の根元は膨らんでいてそこにうちわの様な形をした神経があります。
これがリンパ液の動きをキャッチして脳に情報を送ります。
この三半規管の中に普段は前庭部にある耳石が迷い込んだり、このうちわにくっついたりして正しい情報が送れなくなるのが原因とされています。

私の外来でも月に1~2例は必ずお目にかかる決して珍しい疾患ではありません。
あまりに多く遭遇するので内科医ながら眼振検査と治療法を体得し、なおかつ患者さん用にパンフレットを準備しているくらい。
生涯有病率は2.4%とされています。
問診と簡単な眼振検査で診断が可能で、それに引き続き Epley法や Lempert法と呼ばれる頭と体をくるくる動かしていく理学療法を実施します。
この方法で細い
三半規管から耳石が逃げてくれれば症状は消失します。

頭部に強い衝撃を受けるのもこの疾患を引き起こす原因の一つとも言われていますので、ヘディングなどが影響したのかも知れませんね。
以上、内科医の即席解説でした。

さて、彼女の所属する INAC神戸は今週末から鹿児島でキャンプを行ないます。
元気な姿でグラウンドを駆け回っていることを期待して私も練習の様子を見に行こうかな。 

WHO鳥インフルエンザに関する研究論文の掲載が米政府の横槍で見送られた事に関して18日にWHOで緊急会議が行なわれ、全文を掲載するように勧告がなされました。
鳥インフルエンザがヒトへ感染しやすくなる遺伝子の変異を見いだした論文なのですが、これは今懸念されている致死性の高い鳥インフルエンザの脅威に抗する手がかりとなるものでしょう。
一方で米政府の言うようにテロへの悪用の不安もあります。

問題なのはネイチャーやサイエンスといった超一流の科学誌が、 掲載前に米政府にお伺いを立てていること。
ということは鳥インフルエンザについての論文提出がなされたら報告するような仕組みを事前に作っていたとしか考えられません。
学術誌側が政治圧力に屈しているのも残念ですが、自由を謳歌しているはずの米国がテロの恐怖におびえながら研究や論文発表の自由を制限していることは皮肉としか言いようがありません。 

科学の発展が我々に恩恵をもたらすことは紛れもないことである反面、使う人間のよこしまな考えから不幸が生み出されることもまた事実なんですけどね。

ISSこの前、勉強会で某MRさんにブログのネタにどうでしょうかと振られたので、折角ですから記事にしてみますね。

宇宙飛行士若田光一さんが国際宇宙ステーションに長期滞在中、色々な実験を行なっていたことはご存知だと思いますが、そのうちの一つに無重力空間での骨密度の低下を防ぐための研究を行なっていたようです。( → こちら )
通常 1ヶ月で 1~1.5%減少する骨密度が、2時間の筋力運動とビスフォスフォネート製剤を服用することでむしろ増えていたそうです。
運動と薬剤のどっちが良かったのか、あるいは併用が大事なのか若田さんの実験だけでは判断は難しいですね。

ところでビスフォスフォネート製剤は服用上の注意事項があります。
「服用後少なくとも30分は横にならず、飲食 (水を除く) 並びに他の薬剤の経口摂取も避けること」
これは食道に薬が引っかかって粘膜傷害を起こすことがあるのでその予防のための注意なんですが、無重力では意味をなしません。
実際のところこの注意事項、どこまで必要なんでしょうか ?

HbA1cヘモグロビンA1c ( HbA1c ) という検査項目は、糖尿病の治療を受けられたりあるいは定期的に検診を受けたりされている方はご存知の検査項目だと思います。

この数値、これまで糖尿病診断の補助的位置づけだったものが2010年の診断基準改定時に診断基準の1項目として格上げされました。
その際に従来日常的に行われている日本独自の測定法による値 ( JSD値 ) から欧米で行われている測定法による値 ( NGSP値 ) に変更されることも宣言されていました。それがいよいよこの4月から実施されることになりました。
JSD値にブラス0.4することでNGSP値になるのですが、見かけの数字が上がることで糖尿病治療中の患者さんに混乱が起こるのではないかと懸念しています。
実はJSD値の方がより正確な数字を反映していると言われていて、今回の改定でわざわざ不正確な方に移行するわけです。

日本人はこういう基準を相手方に合わせることにあまり抵抗がない民族です。
数字を区切るカンマの位置は欧米の数字の読み方には合理的ですが、日本人は不便さを甘受して使っているのがいい例です。
本来なら正確さを誇る日本の測定法を世界に広めてスタンダードを勝ち得るべきだと私は考えます。
だいたい日本で使っている限り臨床医も患者さんも全く困ることはないのに、一時的ではあろうけれど現場が混乱することを実行に移す意味は一体どこにあるのでしょうか。
あるとすれば、海外雑誌に論文を出す時に数値が異なるためほんの一部の日本の研究者が頭を悩ます点だけだと思います。

日本人よ、世界のスタンダードを確立する努力をせよ。
普段から思っていることですが、今回の改定のニュースに改めて思いを強くする私でした。

心臓ネズミの心拍は速く寿命が短い。
対してゾウは心拍が遅く寿命が長い。
哺乳類では生涯の心拍数は皆一緒、といった内容の文章を昔読んだ記憶があります。
だったら心拍数の多い人は短命なのではないかと密かに思いながら臨床にあたっていた時期もありますが、この点に着目したのでしょうか、面白いスタディがJAMA ( Journal of the American Medical Association ) に報告されました。
安静時の心拍数が高くなると総死亡リスクや虚血性心疾患により死亡リスクが高くなるというものです。( JAMA. 2011;306(23):2579-2587.)
心拍数が70以下だった人が10年程に間に85以上に増加した人は変化のなかった人に比べ心疾患による死亡リスクが90%も高かったとのこと。
心拍数の変化の一因として肥満などが考えられているようです。 あくまでノルウェーにおける研究ですから、ただちに日本人に当てはまるとは限りません。
脈拍は誰でも自身で調べられる簡単な指標ですけど、うまく手首の脈を探り当てることが出来ない方がたまにいらっしゃいます。
親指一本を手首にあてる方にそういうケースが多いのですが、人差指・中指・薬指の三本を使うことをお勧めします。
いずれかの指で脈を感知できると思います。


話は変わりますが、血圧の治療薬「アルマール」が糖尿病治療薬の「アマリール」とよく取り違えられる事故が多いことから名称を変更するという発表がありました。
どんな名称になるかは承認が取れ次第発表するらしいですが、アルマールの方が歴史が古いのでこれまで使ってこられた患者さん等が混乱しないような配慮がなされた名称だといいですね。

鬼の目にも涙まもなく、胃薬の目薬が出ます。

普通に読んだらよく分からない文章ですが、元々胃炎・潰瘍治療薬として発売されているレバミピド ( ムコスタ ) がドライアイ用の点眼薬となって登場するのです。
元々胃粘液が増えることが知られていたのですが、角膜や結膜でも粘液を増やす作用が確認されたとのこと。
面白いですね。
ただ白濁した液体なので点眼後しばらく目がかすむのと苦味があるのが玉に瑕のようです。

元来ドライアイ治療薬の王道はヒアルロン酸の点眼薬でした。
ヒアルロン酸分子内に水分子を保持する作用があるのです。
ヒアルロン酸は医療用に昔から使われてはいますが、点眼薬の他は関節への注射薬しか存在しません。( 注射薬は内視鏡治療時の粘膜下注入剤としても応用されています。)
なぜ内服薬がないかというと、内服では効果の程がはっきりしないからです。
最近ヒアルロン酸を含んだサプリメントの宣伝を盛んに見聞きしますが、どういう利点があるのか明確でないことはしっかり理解しておいてください。

さて、胃薬の中には唾液の分泌を促すものもあります。
ニザチジン ( アシノン ) という胃炎・潰瘍治療薬ですが、ドライマウス症状のある胃炎や潰瘍、逆流性食道炎の方には喜ばれることが多いですね。

HPV.gif夏休みの期間は子宮頸癌予防ワクチンを接種される方が多数いらっしゃいました。

子宮頸癌予防ワクチン接種事業に基づき、鹿児島市では対象年齢の方は無料で予防接種を受けていただくことが可能であることはご存知かと思いますが、注意点があります。( 事業の詳細はこちら → 子宮頸癌予防ワクチン接種について )

① 現高校2年生は特例として、9月までに1回目の接種を受ければ事業の対象として無料となります。10月以降は一切対象となりません。

② その他の対象年齢の方については来年3月末までに接種する分については無料となります。ワクチンは合計3回接種していただく必要があります。3回目は初回接種の6ヶ月後に受けていただきますので、初回はやはり9月中に受けていただかないと、全てが無料の対象となりません。

以上の点を十分ご留意下さい。


9月15日からはこれまでの「サーバリックス」に加えて「ガーダシル」というワクチンが接種可能となります。
サーバリックスは 2価のワクチンで、子宮頸癌の原因となる HPV ( ヒトパピローマウイルス ) の16型・18型の感染を予防します。
そして新しい免疫増強剤が付加されているためワクチンの効果が長く、20年は続くのではと推定されています。( → 参考 )
これに対し、ガーダシルは 4価のワクチンで、16型・18型に加え、6型・11型にも有効です。
6型・11型は子宮頸癌には関係しませんが、尖圭コンジローマという皮膚疾患の原因となるもので、このワクチンにより HPV疾患を広くカバーすることができます。
有効期間は 5年となっています。

9月15日以降に初回接種を受けられる方は、どちらかを選択していただくことになります。


いずれにせよ、この予防接種事業での無料接種の恩恵を最大限に享受していただくためには 1回目を今月中に受けていただく必要がありますので、希望される方は早めにご予約くださいね。

2011070621475322935.gifカルテを記載しながら一瞬、この名称で良かったっけ ? と思ったので近くのスタッフに確認したけれども、誰も知らない。
誰でもそのその存在を知っているのに、使っている漢字はどちらも小学一年生で習うものなのに。

鼻と上唇の間にある縦の溝、「人中 ( じんちゅう ) 」と言います。

よくよく考えてみるとこのような形状をした人中、人間だけにしかありません。
チンパンジーやゴリラといった近縁の霊長類にもないのです。

なぜ存在するのか諸説があるようですが、これは構造物を補強するためでしょうね。
舌とともに巧みに使って言語を操るために、上唇を発達させてきた進化の証しだと思っています。

そう思ってあれこれ調べていたら、人中について深く考察しているサイトがありましたのでご参考までに。
人間の鼻の下の伸縮性が高くて口をすぼめる動作ができることや、脳の運動野で唇に関わる部分がとても発達していることなどが解説してあります。

 → 鼻の下の溝(人中)は何のため?

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