野口内科 BLOG

  野口内科は鹿児島市武岡に開業して46年を迎えました。
  当ブログでは、当院からのお知らせ、医療・健康に関する情報の他に、近隣の話題、音楽・本のこと等を綴ってまいります。

    診療時間 午前  9:00〜13:00
         午後 14:30〜18:00 (金曜は〜18:30)
    休診   日曜・祝日・木曜午後
    電話   099−281−7515
    住所   鹿児島市武岡二丁目28−4
    院長   野口 仁

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④ 連載

 ● 薬の説明書のイラスト 403 ●


鹿児島が誇る夏のイベント、霧島国際音楽祭が現在開催中です。
我々は鹿児島県内各地で連日のように開催されるコンサートを格安の料金で堪能できますし、マスタークラスには国内外から多くの若手が著名な講師の下に集まってきます。

40年以上に及ぶ歴史の積み重ねですっかり定着した感がありますし、今後も長く続いてほしいイベントです。


8月前半の薬の説明書のイラストは霧島音楽祭にちなんで音楽家です。



演奏家

なまこ〖 今月のつぶやきから 139 〗


梅雨が明け、毎日暑い日が続いています。
そして、新型コロナウイルス感染症とインフルエンザの両方が流行している鹿児島。
暑くてマスク着用のつらい時期ですが、周囲の状況を考えると場面に応じた着用が望ましいです。

月末にツイッターでつぶやいた医療情報をいくつかピックアップしてお届けする「今月のつぶやきから」。
今回は9個の情報を振り返ります。


まずは認知症関連の情報を3つです。

① パーキンソン病も腸内細菌との関連が明らかになりつつありますが、将来的に認知症も腸内細菌コントロールで予防できるかも知れません。

② ツイートにも書きましたが、脳容積減少が先か社会的交流低下が先かは更に検討が必要でしょう。

③ 日本では日常的に使われないとは思いますが、鹿児島でもオリーブ栽培が増えてきていますので活用したいですね。


次は、糖尿病関連の話題を3つです。

④ 中国では干しナマコは黒いダイヤとして高級食材ですが、糖尿病にも有益なようです。

糖質制限食についてはいろんな議論がありますが、男性には好ましくないようです。

⑥ 朝食を摂る時間帯が糖尿病発症リスクを左右するようです。


最後に個人的に興味のあるものを3つ。

⑦ 日本では馴染みの薄いマラリアですが、周期的に発熱を繰り返す仕組みにメラトニンが関与していることが明らかになりました。

⑧ 肥満が母乳の出方にも影響しているようです。

⑨ 昔のテレビドラマ「スチュワーデス物語」では、毎回片平なぎさがマネキンのような全く動かない義手を見せるのがお決まりでしたが、自由に動かせる義手が登場したようです。

 ◆ 診療所ライブラリー 207 ◆


実践介護フットケア日本では、足の疾患をトータルで診る点で欧米に大きく立ち後れているとされています。
各地で徐々に足の疾患を専門とする外来が増えてきているようですが、まだまだ手探り状態。
整形外科・循環器科・血管外科・皮膚科・糖尿病科・リハビリテーション科などによるチーム医療が必要ですから、いかに人員を確保して協力していけるかが鍵となりそうです。

今回紹介するのは、介護の現場でできるフットケアに役立つ本。
加齢に伴う足の変化に始まって、足や爪のチェックの仕方、足浴・爪切り・保湿・清拭などのケアのポイント・靴の選び方などをイラスト入りで分かりやすく解説しています。
介護の現場で、すぐに実践に移せるヒントが満載です。
足のケアは自分自身でも疎かになりがちだと思いますが、ご高齢の方がいないご家庭であっても一冊揃えておいて損はないと思います。


ちなみに、この「診療所ライブラリー」で一番最初に紹介したのは「腰痛・下肢痛のための靴選びガイド」という本でした。
足に注目していち早く本を紹介したのは、先見の明があるということでしょうか。

 ● 薬の説明書のイラスト 402 ●


まだ梅雨明け宣言は出ていませんが、九州南部は今週はじめからそれほど雨が降っていません。
ムシムシする日本独特の暑い日もだいぶ増えてきましたね。

そんな中、福岡で世界水泳選手権が始まりました。
大会が終わった後、福岡・熊本・鹿児島を舞台に世界マスターズ水泳選手権が開催されます。
鹿児島は、昔シンクロナイズドスイミングと呼んでいたアーティスティックスイミングの舞台となります。
かつてのオリンピアンなどが多数参加する予定らしいので、今から楽しみです。

ということで、7月後半の薬の説明書のイラストはプールです。



プール

Chris-Botti【診察室のBGM 206】


昔からちょっと興味を持っていたトランペット界の貴公子 Chris Botti 
リー・リトナーやボブ・ディラン、ポール・サイモン、スティング、ヨーヨー・マ等、多彩なアーティストたちと共演しているので、その唯一無二のトランペットの音色はどこかで聴いたことがあると思います。
還暦を過ぎても、若々しさが漲るイケメンぶりは相変わらずです。

ひょんなことからベスト盤である「This is Chris Botti」を手に入れて、繰返し聴いている最中です。
様々なアーティストとのコラボ作品がふんだんに入っていますが、とろけるような滑らかなサウンドはどうやったら吹きこなせるようになるのでしょうか。
アルバムの中から紹介するのは、診察室でも聴くことができる「Estate」
下に貼ってある You Tube で是非聴いてみてください。


 ● 薬の説明書のイラスト 401 ●


今年は6月後半から梅雨前線が活発で全国のあちこちで線状降水帯が発生し、水害が多発しています。
ここ数年は、どこかで必ず大きな被害が起こるようになっており、家での備えや避難場所の確認などは怠りなくやっておきたいものです。

明日から7月ですね。
前半のイラストには梅雨前線を選びました。



梅雨前線

筋肉〖 今月のつぶやきから 138 〗


奄美地方では6月19日から21日にかけて大雨に見舞われ、集落が孤立した地域もありました。
本土の梅雨はこれからが本番。
避難場所の確認や災害グッズの点検は今のうちにやっておきましょう。

ツイッターでつぶやいた医療関係の情報をピックアップして振り返る「今月のつぶやきから」ですが、
今回は10個の情報を振り返ります。


最初は腸内細菌を含む細菌関連の情報を5つです。

① 細菌だけでなくウイルスまで含まれると複雑な組合せになってしまいますが、理想のバランスがわかるといいですね。

神経性食思不振症の腸内細菌の報告はこれまであまり目にしませんでした。

人工甘味料にはネガティブな報告が多いです。

④ 傷を治すのに乳酸菌由来の物質が有用だとする報告です。


⑤ いい腸内細菌を定着させる生分解性プラスチック、興味深いです。


次は、筋肉に絡んだ2題です。

⑥ 飲酒では肝疾患や膵疾患だけでなく、筋肉にも注意する必要がありそうです。

⑦ 最近は、ビタミンDの血中濃度に着目した報告が多いです。。


最後は、個人的に興味のあった3題で締めくくります。

子宮内膜症が感染症であるという報告です。

⑨ 消化器内科の医師にも認知度が低い食物蛋白誘発性胃腸炎、甲殻類が主要な原因となっているようです。

⑩ 縮れた頭髪が人類の脳の発達に寄与した可能性を示唆する報告です。

 ★ 診察室のデスクトップ 109 ★


ネムノキの花が開く季節ですね。

夜になると葉が閉じて垂れるのが眠るように見えることから名前が付いたようで、英語でも「sleepy tree」と言うようです。
合歓木」は何かの当て字なのかと思っていたのですが、中国の表記をそのまま使ったもののようです。

道路の横の数メートル下を川が流れていて、その斜面から生えていたネムノキがちょうど目の高さの所で花開いていたのをパチリと撮った一枚。
今回の診察室のデスクトップの写真はネムノキです。


合歓木

 ◆ 診療所ライブラリー 206 ◆


医学をめぐる漢字の不思議医学を学びながら、医学用語の表記に疑問を持つことがいくつかありました。
例えは、一般の方にはコラーゲンでおなじみの「こうげんせんい」。
これを「膠原線維」と書きます。
「繊維」と書かないのは素材の繊維と区別するためなのだろうと漠然と思っていました。
また、口腔や腹腔などの「」を「クウ」と読みますが、辞書では「コウ」の読みしか記載されていません。

一体どういう経緯でそうなったのか疑問をはさむ暇もなく、次々に医学用語を頭にたたき込まなければならない日々を過ごしているうちに、それを気にしなくなってしまいました。

今回手にした本では、いくつかの医学用語をピックアップしてその成り立ちをひも解いていきます。
過去にはいろんな試行錯誤があったようで、生薬名を漢字一文字で表そうと新たな漢字を作ったり、近視と漢字というテーマの元に簡略化した当て字を使ったりした経緯が書かれています。

漢字にスポットを当てた新しい視点の医学歴史書として興味深い内容盛りだくさんです。

 ● 薬の説明書のイラスト 400 ●


1年のうちで昼が最も長い夏至
今年は6月21日です。

「長い」というつながりで、夏至は世界キリンの日に制定されています。
絶滅の危機に瀕しているキリンの現状を知ってもらうためのものだそうです。

キリンの外観上の特徴は何と言っても長い首ですが、注目してほしいのは背骨。
肩の位置が高くお尻は低くなっています。
首からお尻にかけて無理のないラインを描いていますが、恐らく重心をうまく取るためでしょう。

また、首の骨は我々と同じ7個ですが、胴の部分にある第一胸椎に可動性があって首の運動に関与していることがわかったのは2016年のこと。
日本人の研究グループによる発見でした。

6月後半のイラストにはキリンを選びました。



キリン

Blue-Giant【診察室のBGM 205】


上映期間でなくても好きな時に観られるようになった映画。
いつでもいいやと思っていたものの、迫力の音響で楽しんだ方がいいと聞いて足を運んだのが「BLUE GIANT」。
確かに、全体の4分の1を占めるというライブシーンでは、本物のライブに行ったような演奏を聴けて大満足でした。
こんなにエネルギーに満ち溢れた映画は他に類をみません。

音楽を担当したのは
 上原ひろみ 
主人公のテナーサックスを吹いたのは、昨年の鹿児島ジャズフェスティバルにも参加した
 馬場智章 
指揮者として
 挾間美帆 も迎えられていて、そういう豪華メンバーを見渡してもかなりの熱量で作られた作品であることがわかります。
特に主人公のサックスのアドリブは、口や指がくたびれてしまうのではないかと心配するくらいの長時間の超絶プレイで凄かったです。

そのオリジナルサウンドトラック「BLUE GIANT」を聴くと映画のいろんな場面が思い出されます。
アルバムの中から紹介するのは、診察室でもじっくり聴ける「Another Autumn」
ドラムの
 石若駿 との息もピッタリで、他の曲とは異なる落ち着いた雰囲気を持つ佳作です。


 ● 薬の説明書のイラスト 399 ●


5月30日、九州南部の梅雨入りが発表されました。
当日、鹿児島市内は雨は降らなかったものの、台風2号の影響か、30度近くの気温と高い湿度の鬱陶しい気候でした。

6月1日は麦茶の日。
6月は原料となる大麦の収穫時期であることと、衣替えで麦茶のシーズン始まりにふさわしいということで制定されたようです。

本格的な暑さはまだかも知れませんが、水分補給はしっかり行いたい季節到来です。
6月前半のイラストには麦茶を選びました。



麦茶

ヨーグルト〖 今月のつぶやきから 137 〗


朝はひんやりするのに日中は汗ばむ陽気。
気温差が大きいこの季節は衣服の調節も大変ですね。

普段収集している医療関係の情報の中からいくつかをピックアップして振り返る「今月のつぶやきから」。
つぶやきをまとめてタイトルを付けたら七五調になってしまいましたが、今回は10個の情報を振り返ってみます。


最初は日本人の食事と疾患に関連した興味深い情報を4つです。

① 妊娠中の食事が、子どもの疾患に影響を及ぼす一端が見える報告です。

② 偏りのない食事が認知症予防になりそうです。

③ 4万人近くの日本人を対象にした報告です。

④ いい腸内細菌を育てると感染症も防げる可能性を示唆しています。


次に、手を使うことの重要性がわかる話題を2つ。

⑤ 人間は巧みに手を使うことのできる唯一の動物。せっかくの能力は十分に発揮しましょう。

⑥ 手を使っていると認知機能が改善するという報告。


続いて、喫煙と疾患に関連する話題2つ。

⑦ 腎機能の低下している人が喫煙によりがんになりやすいとする情報です。

⑧ 受動喫煙と小児の近視の意外な関連性。


最後に、運動に関連する情報を2つです。

⑨ 少しでも体を動かすことの重要性がわかると思います。

⑩ 同じ時間の運動でもでも、途中少し強めの負荷がかかる運動を取り入れると効果的です。

 ◆ 診療所ライブラリー 205 ◆


漢方撲滅の実相江戸時代、漢方と蘭学が中心だった日本の医療に大きな変化が出てきたのは、幕末から明治初期に各地で戦乱が増えたことが最も大きな要因です。
戦場で傷つく兵士の対応には、外科学に大きくアドバンテージのあった西洋の医学は欠かせないものになっていきます。
明治の世になって富国強兵を進める政府には、細菌学などで先進的であったドイツの医学が魅力的に映り、兵制に組み込む形でドイツ医学を模範に近代化を進めていくのです。

その過程で、西洋の文明とは成り立ちを異にする漢方がないがしろにされ、明治28年の医師免許規則改正法案の議論の中で漢方が完全否定されます。
国会が漢方を蹂躙したのです。

当時はアスピリンすら存在しなかったので、熱が出ても西洋医学では太刀打ちできませんでした。
一方、漢方は昔から葛根湯や柴胡桂枝湯などで熱を下げる手段を持っていたのですけれどもね。

幕末から明治にかけてのその過程を詳細に調べて書かれた本書。
医療者がもっと漢方に一定の評価をもつきっかけにしていただきたい良書です。

 ● 薬の説明書のイラスト 398 ●


5月後半のイラストは電柱広告です。

133年前の5月28日に電柱に広告が日本で初めて許可され、これを記念して電柱広告の日が制定されています。

当院も数か所に電柱広告を出しています。
無電柱化が大幅に遅れている日本ならではの広告スタイルだと思いますが、電柱広告は案外認知されやすい広告形態のようです。


電柱広告

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