野口内科 BLOG

  鹿児島市武岡に開業して43年の野口内科です。
  医療・健康に関する情報はもちろん、近隣の話題、音楽・本のことなどを綴ってまいります。

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 診察室のBGM

Little-Boy's-Eyes【診察室のBGM 182】


先月飛び込んできたニュースにとてもショックを受けました。

この1年、あまりにも多くのミュージシャンが亡くなっています。
神戸のジャズ界では、ビブラフォンの重鎮
鍋島直昶が1月に新型コロナで亡くなりましたが、まさか 土岐英史 までもが他界するとは夢にも思いませんでした。

5月に新譜
「Little Boy's Eyes」を出したばかりだったので尚更信じられませんでした。
このアルバム、サックスと2本のギターのみという珍しい編成。
荻原亮井上銘、この二人のギタリストを招いて、事前の打ち合わせもないぶっつけ本番のレコーディングだったようです。
譜面を渡された二人は、どちらがテーマを弾くかをじゃんけんで決め、その場で紡ぎ出されるアンサンブルにサックスを乗っけて行く。
そうやって自由に遊びながら出来上がった作品を、私は手にしています。

アルバムのラストはスタンダード曲
「You'd Be So Nice to Come Home to」
これが土岐英史が残した最後の演奏となりました。
彼がテーマからアドリブを一気に吹いた後、そのアイデアを引き継いでギターの二人が交互にアドリブ。
その絶妙な対話を楽しみながら演奏を終えたに違いありません。


Chickenshackのアルバムを手にして以来、ずっと彼のサックスを聴いてきました。
私のiPhoneからはほぼ毎日のように曲が流れてきます。
土岐英史のサックスは永遠です。

ご冥福をお祈り申し上げます。



折重由美子【診察室のBGM 181】


クラビオーラ
そんな楽器が存在するなんて全く知りませんでした。
パッと見はピアニカのような鍵盤楽器ですが、何ともふくよかな音色をしています。
すっかり気に入ってしまいました。

この楽器を駆使する
 折重由美子 のニューアルバム「夜空ニ春想フ」
希少な楽器を存分に味わえる作品です。

オープニングの
「月雪花」は、月の光やそれに照らされる雪などをイメージして作った曲なのでしょうか、絵が浮かんできます。
バックを私の好きなピアニスト
小野塚晃やベーシスト納浩一、ドラマー加納樹麻が固めているとは思えないような癒しを極めた一曲です。

下のYouTube映像で、その不思議な包まれるようなクラビオーラの音を確かめてみて下さい。



桑原あい【診察室のBGM 180】


私が最初に 桑原あい のピアノを聴いたのは、2013年の東京Jazzの番組でした。
その躍動する衝撃的な演奏に目も耳も釘付けになったのを覚えています。

そして2018年、Shihoとのデュオで鹿児島に初見参。
あいちゃんのピアノの前に陣取って、疾走するサウンドをしっかりと浴びてきました。
ヴォーカルのShihoにずっと視線を送りながら、意図を汲み取ってその瞬間に浮かんだ音を奏でる。
事前に大体こんな風に弾いてみようとは全く考えていないんだそうです。
彼女の素晴らしいイマジネーションに触れると、人生が豊になります。

4月に発売されたばかりの
「Opera」は、東京オペラシティのリサイタルホールで録音されたソロアルバム。
様々なジャンルの曲が取り上げられていますが、ホールに響く鍵盤の音は、ライブハウスの箱とは違った雰囲気を持ち、桑原あいの新しい一面を垣間見たように思います。

「星影のエール」は、昨年の朝の連続ドラマ「エール」の主題歌として多くの方がご存知だと思います。
ドラマに出演していた山崎育三郎のリクエストで演奏することになったようです。
桑原あい流に解釈され、ドラマチックな躍動感を持った新しい命のように聴こえます。
是非、また生で聴きたいものです。

All-My-Strings【診察室のBGM 179】


今回紹介するのは Mariea Antoinette 
これ、マリー・アントワネットと読むのでしょうか。
ホームページを覗いてみると、Urban-jazz harpist と自称しています。

興味津々で彼女の曲を聴いてみると、結構ハマってしまいました。
ハープのイメージを覆す、闊達で一つ一つの音を際立たせた弾きっぷり。
このコロナ禍にあって元気をもらうサウンドです。
なかなか面白いアーティストに出会えたな、と思ってます。

昨年リリースされた
「All My Strings」のジャケットは、アース・ウインド・アンド・ファィアーのそれを何となく彷彿とさせますが、中身も重厚でファンクな独創的空間が展開される点で共通しているように思います。

「Loving You」ミニー・リパートンの大ヒット曲。
早世したのが非常に惜しまれるきれいな声の持ち主でしたね。
Mariea と本拠地 ( サン・ディエゴ ) を同じくするジャズグループ、
ファットバーガーとの共演でこの曲をカバーしています。
きらびやかな世界が、なぜか病みつきになってしまいます。


青紀ひかり【診察室のBGM 178】


2016年に一度紹介している 青紀ひかり 。( → 青紀ひかり 「やっぱ好きやねん」)
その時も男性ヴォーカルの曲を集めたアルバムでしたが、今回も昨年にリリースされた「Otokouta」シリーズの第三弾
「Otokouta...Nostalgia」をピックアップしてみました。
今回の作品では、森進一、布施明、石原裕次郎といった昭和中期のヒット曲が集められています。

このアルバムで彼女の魅力的なヴォーカルに絡むベースは
ロン・カーターです。
彼のベースが一番際立っているのが、内山田洋とクールファイブを代表するヒット曲
「そして神戸」ではないでしょうか。
彼の弦捌きで見事にジャズのテイストに仕上がった昭和のムード歌謡。
元歌の奥深さを改めて噛みしめることができました。

作曲した
浜圭介には、この他にも素晴らしい作品が多いですよね。
奥村チヨの「愛の終着駅」や三善英史の「雨」、八代亜紀の「雨の慕情」などはジャズの素材としても十分魅力的です。


Brian-Simpson【診察室のBGM 177】


スムーズジャズ系のアーティストを紹介することが多くなってますが、今回もそのうちの一人、ピアニストの Brian Simpson です。
センス溢れる醇美なメロディはドライブのお供に最適。
私の大好きなサックス奏者、
ディヴ・コーズとの共演が多いのも、お気に入りになっている理由の一つでもあります。

2018年リリースのアルバム
「Something About You」
ジャケットの写真が一昔前に流行った言葉で言うとちょいワルおやじ風で決まってますが、彼のピアノをメインに据えた一貫性のある内容になっています。
どの曲を聴いてもハズレがありません。
ラストを飾る
「The Rainbow」という曲は、ミュートトランペットがさりげなく彼の演奏を引き立てていて、疾走感を持ち合わせたバラードの佳作だと思います。

大人の雰囲気のある曲も、診察室ではさりげなく流れています。


Kisses-On-The-Bottom【診察室のBGM 176】


映像付きで音楽を聴くと、気にも留めていなかった曲を見直すきっかけになることがあります。
今回紹介するアルバムが出た2012年当時は全く興味がなかったのに、YouTubeでバックミュージシャンに
エリック・クラプトンダイアナ・クラールを見つけ、それに関心を抱いて最近になって買ってしまった一枚です。

それは
 Paul McCartney のジャズアルバム「Kisses On The Bottom」
Paulのアルバムを買うのはWings時代の「Back To The Egg」以来だと思います。
Paulと言えば、曲ごとに表情の変わる変幻自在の歌声で知られますが、このアルバムでは楽器に溶け込むような一貫性がみられます。

私にはあまり馴染のなかった
「Get Yourself Another Fool」という曲の中では、エリック・クラプトンとダイアナ・クラールのご両人がセッションに参加しているのがYouTubeでわかります。
モノクロの映像と相まって、渋みのある大人の格好良さが感じ取れる一曲ですね。




MISIA【診察室のBGM 175】


12月は診察室に流れる音楽がクリスマスソングに替わるのが恒例です。

毎年、少しずつクリスマスアルバムを買い増していますが、今年の目玉は
 MISIA 
実家が病院ということもあるのでしょうが、コロナ渦にあって医療従事者支援を目的としたライブを行なった彼女が、次に届けてくれたのがこの
「So Special Christmas」
今回の収益の一部は、知的障害者のスポーツを支援する組織に寄付されるそうです。


オープニングを飾る
「Gloria - glorious evolution -」は「荒野の果てに」という日本語タイトルでも知られる賛美歌。
優雅なストリングスに始まり、Misiaのスキャットが続き、オルガンが入った所から彼女の唄い上げるクリスマスワールドが展開されます。
途中で絡むソプラノサックスが何とも魅力的です。


満ち足りた気持ちで、最後まで聴き通せる素晴らしい出来栄えのアルバム、皆さんも是非。




Rick-Braun【診察室のBGM 174】


スムーズジャズ界の名トランペッター Rick Braun 
ミュートを使って情熱的でありながら繊細でシルキーな音色が高い評価を受けています。
トランペットだけでなく、トロンボーンやヴォーカルまでやってしまうオールラウンドな活躍も目を引きますね。

彼が2019年にリリースした
「Crossroads」はジェントルでメロウなサウンド満載のアルバム。
収録された10曲はいずれも完成度が高く、耳に心地よくて、私のお気に入りの一枚です。

オリジナルのバラード曲
「The Moment I Saw You」では彼の馥郁としたフリューゲルホルンが堪能できます。
印象的なメロディを奏でるキーボードも彼が弾いているようですね。
まあ、何という多才ぶりでしょうか。




Brian-Bromberg【診察室のBGM 173】


インターネットラジオでたまたま出合ったアーティスト、ベーシストの Brian Bromberg を今回紹介します。

ラジオで聴くまで全然知らない存在でしたが、様々なアーティストのサポートメンバーとして活躍するだけでなく、オリジナルアルバムも複数リリースしてるんですね。

2018年にリリースされた
「Thicker Than Water」の中の「Land of the Rising Sun」では琴と尺八をフィーチャーしたオリエンタルムードたっぷりの一曲です。
この中で、彼はアコースティックピッコロベースにフレットレスベース、ウッドベースを使い分けてます。
途中、ギターソロのように聴こえる部分はピッコロですね。
琴や尺八とも自然に融合して、彼のベースのテクニックを存分に堪能できる素晴らしい曲です。

なお、参加アーティストのクレジットを見ると、琴は日本人のようですが、尺八は外人さん。
尺八をジャズに取り入れる海外の方、案外多いものです。



He-Had-a-Hat【診察室のBGM 172】


最近、いわゆるジャズらしいジャズから離れて、スムーズジャズを聴く機会が増えました。
いろんなアーティストの曲に触れるうちに、お気に入りになったのがベテランの
 Jeff Lorber 
2018年には、彼の率いる
The Jeff Lorber Fusionが、アルバム「Prototype」でグラミー賞初受賞となったのは記憶に新しいところです。

彼の作品を遡っていくうちに、ブルーノートレーベルから2007年にリリースされた
「He Had a Hat」というアルバムにハマってしまいました。
私の大好きなフルート奏者
ヒューバート・ロウズをフィーチャーした曲もあったりして、グラミー賞受賞作品とは趣の異なるアコースティクな作品群です。( → ヒューバート・ロウズは【診察室のBGM 61】で紹介しています )

診察室では、男女のデュエットしている曲を何曲か使っています。
例えは、
TOKU × 多和田えみKeiko Lee × 玉置浩二、ブログで紹介したものでは【診察室のBGM 151】、【診察室のBGM 160】などもそうです。
今回のアルバムにも男女のヴォーカル曲
「The Other SIde of the Street」が収録されています。
聴くほどに味わいの増す彼のピアノもまた素晴らしいです。


The Film Birth Of The Cool【診察室のBGM 171】


インターネットラジオから Miles Davis の曲が流れてきました。
現代風のノリノリのサウンドに戸惑いましたし、アドリブは自身なさ気の部分もあるし明らかにリズムを外してるところもあるし・・、何しろ初めて聴く曲です。
調べてみると、彼のドキュメンタリー映画に合わせて、未発表音源を元にして新たに録音された「Hail To The Real Chief」という曲でした。

なぜか耳に残ってしまい、アルバム
「birth of the cool」のを購入してしまった次第。
彼の代表作品を収録しているだけではなく、接点のあったアーティスト達のコメントが添えられているという内容です。

「It Never Entered My Mind」は、元々は「Higher and Higher」というミュージカルで使われてきた曲ですが、数々の有名なミュージシャンによってカバーされてきました。
どこまでも優しく心に染みるマイルス・デイヴィス・クインテッドの名演奏と、今回発表の新曲をYouTubeから拝借して並べてみました。
もちろん、診察室で流しているのは前者の方ですよ。



才恵加【診察室のBGM 170】


百花繚乱とも言うべき、若手女性サックスプレイヤーの活躍ぶりには目を見張るものがあります。
それに対して、男性で思い浮かぶのはベテランばかり・・。

今回は、昨年取り上げた米澤美玖同様、テナーを操る 
才恵加 
彼女は、ソプラノもアルトも吹ける上、自ら曲を作ってしまうという多彩ぶりを発揮しています。

今年4月にリリースしたばかりの
アルバム「Pastel」のは全9曲オリジナルで、ややポップス寄りながらいろんな曲調のものを揃えていて、飽きさせない内容になっています。

診察室で聴いているのは、最初は歌を入れようかとも考えたという
「DAYS.acc」
明るめのアコースティクギターの音色を背景に、彼女の唄うようなテナーが絡み合う世界が展開され、後半にピアノとコーラスが加わってくるという構成。
バリッとした低音が好きだというテナーの魅力を存分に活かしたメロディと演奏、素晴らしい一曲です。

We-Are-Leif【診察室のBGM 169】


インターネットラジオを聴いていて、とても印象的なサウンドとヴォーカルに出会いました。
静謐な中から色彩が溢れる不思議な響き。
澄みわたりどこまでも穏やかな歌声。
居心地のいい空間にいつの間に引き込まれていました。
グループ名もとても不思議な
We Are Leif 

あんまり情報量が多くないのですが、とにかく聴いていただきたいと思います。
アルバム「Breathe」の中から「Skip To Love」
下のYouTubeをを是非。



【診察室のBGM 168】
Spirit-of-St-Louis

1980年、雑誌 TIME に注目の女性ロックシンガーとして4人のアーティストが取り上げられました。( → こちら )
キャロライン・マス、エレン・フォーリー、エレン・シップリーパット・ベネター
この中でパット・ベネターは超メジャーとなり、4年連続でグラミー賞を受賞するなどの大活躍でした。
あとの3人に馴染みのある方はほとんどいないかも知れませんが、私が大好きだったのは
Ellen Foley です。

1977年、ミート・ローフの作品でオペラロックとも呼ばれる傑作「Bat Out Of Hell」( 地獄から出てきたコウモリという意味なのに日本語タイトルはなぜか「地獄のロックライダー」) に女性ヴォーカルとして参加して注目を集め、1979年のデビューアルバム「Night Out」では女ブルース・スプリングスティーンと称されます。

今回紹介するのは、1981年にリリースされた2枚目のアルバム
「Spirit of St. Louis」
セントルイス出身の彼女は、当時一世を風靡したパンクロックバンド、ザ・クラッシュのギタリスト&ヴォーカリストミック・ジョーンズと恋仲になって渡英し、バンドメンバーのバックアップの元、このアルバムを作ります。
アルバムタイトルは、同じセントルイス出身で大西洋単独無着陸飛行を成し遂げたチャールズ・リンドバーグの飛行機名に由来します。( でも日本語のタイトルはなぜか「悲しみシアター」)
大半の曲はザ・クラッシュのメンバーが提供したものですが、パンクの匂いが全くしない仕上がりになっています。
ちなみに、5月21日は「リンドバーグ翼の日」という記念日になっています。

オープニングの曲
「The Shuttered Palace」もミック・ジョーンズとジョー・ストラマーの共作とは思えないとてもキャッチーで親しみやすい曲です。
下のYouTubeを一度聴いてみて下さい。

彼女はその後、女優としても活躍し、ダスティン・ホフマン主演の「トッツィー」やロバート・デ・ニーロ主演の「キングオブコメディー」等にも出演します。


非常事態宣言の中、暇つぶしに懐かしんでいましたが、彼女の近影も確認できたりしてあっという間に今年の連休は過ぎていったのでした。


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