野口内科 BLOG

  鹿児島市武岡に開業して43年の野口内科です。
  医療・健康に関する情報はもちろん、近隣の話題、音楽・本のことなどを綴ってまいります。

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インフルエンザ予防接種は10月1日から。65歳以上の方、60歳~64歳以上で心臓や肺に疾患のある方を優先します。



 医療に関する雑学

0dobqbs5.gifノロウイルスによると考えられる嘔吐下痢症の患者さんもかなり減り、先月後半よりインフルエンザの患者さんもちらほらと散見されるようになったものの、比較的平穏な外来が続いています。

最低でも3日に一度は当ブログを更新するようにしているのですが、コンピュータ画面に向かっても何も浮かばず、ただ時間を浪費してしまうばかりということもままあります。
今回はまさにそれ。
そんな事態に備えて以前から用意しておいたネタが日の目を見る時がやって来ました。


● 胃潰瘍もう良いかい ? (イカイヨウモウヨイカイ)
● 右葉の膿瘍  (ウヨウノノウヨウ)
● 悪いイレウス数例いるわ (ワルイイレウススウレイイルワ)


お気付きかもしれませんが、回文となっておりますので右側のカタカナでご確認ください。
いずれも消化器疾患に絡んだ文章になっています。
最初の文は10年ほど前、ある雑誌に載っていたものです。
後の二つは私のオリジナル作品です。

肝臓は左葉より右葉の方が大きく、当然肝膿瘍 (肝臓にウミが溜まる疾患) も右葉にできやすいことになります。
イレウスとは腸閉塞のこと。
イレウスと一言で言っても、絶食にして輸液をしていれば改善するものから、手術を要するものまで様々です。

お粗末でした。


jufp2epz.gif普段の血液検査の結果から、簡単な計算式を用いて他のデータを推量することをよく行います。
代表的なのが悪玉コレステロールであるLDL-コレステロールを算出する方法で

(LDL-コレステロール) = (総コレステロール) - (HDL-コレステロール) - (中性脂肪)/5

という式を用います。ただし中性脂肪の数値が 400を超えないことが条件です。
脳を老化させないためにできるだけ暗算で出すように心がけています。

さて最近、日本人の推算 GFR (eGFR) を算出する簡易式が日本腎臓病学会から提唱されました。
GFR とは糸球体濾過量といって腎臓の働きを知る目安になるものです。

eGFR = 0.741 × 175 × (年齢の -0.203乗) × (血清クレアチニンの -1.154乗)
    女性はこれに × 0.742


これはどこが簡易なのか、容易に覚えられませんし普通の電卓では計算できません。
もっとも計算図表があるのでそれを使えばすぐに eGFR が求められるようにはなっています。
これまでは Cockcroft-Gault の式等が用いられていました。

eGFR = (140 - 年齢) × 体重 ÷ (72 × 血清クレアチニン)

これなら計算図表がなくても算出できるのですが、日本人では数値が高めに出る傾向があったようです。

慢性腎臓病という疾患概念が提唱され、eGFR を計算して早い段階で腎臓病を予防することで、人工透析や脳血管障害を未然に防ぐことが可能であることがわかってきました。
昨日の講演会で、鹿児島は人口あたりの透析患者数が全国で 7番目に多いことが紹介されていました。
我々が頑張って少しでも早い段階で患者さんを拾い上げていく必要があります。
そのためにも、計算も頑張ります。



e4mp0v2f.gif左側のカラムに先日より BMI のチェックができるブログパーツを追加しました。
皆様の健康管理にどうぞご活用下さい。

BMI ( Body mass index ) とは

BMI = 体重 (kg) ÷ 身長 (m) ÷ 身長 (m)

で算出される数値のことですが、
考え方としましては右のような底面が正方形の直方体を考えていただければ
わかりやすいかと思います。

直方体があなたの体としますと、その容積が体重です。
直方体の容積は、身長 × 身長 × BMI で算出されますよね。
身長が一定であれば、その底面積は変わらず、体重の増減により高さであるBMIも変化するというものです。
また、異なる身長の方同士でも BMI という指標で肥満度の比較ができるというわけです。

理想的な直方体の高さ、すなわち BMI は 22 で、18.5 ~ 25 の範囲であれば標準的であろうと言われています。
従来から知られている、身長から 100 を引いて 0.9 を掛けるという簡単な標準体重算出法では、
身長が低い方で標準体重が軽めに、逆に高い方で重めに出てしまう傾向にありました。


来年度からは、健康診断時に腹囲測定が加わります。
BMI だけではわからない隠れ肥満を見つけ出し、生活指導することで、
メタボリック症候群から引き起こされる様々な疾患を防ごうという目的のようです。


k4r7cxax.gif今日の朝のテレビ小説「芋たこなんきん」で
「腹腔鏡で胆嚢結石を・・・」というセリフがありました。
この「腹腔鏡」を「フクコウキョウ」と言っていましたが、
医者はこれを通常「フックウキョウ (またはフククウキョウ)」と呼びます。

「腔」の字は漢和辞典で調べると「コウ」という音読みしかありません。
しかし医学用語では鼻腔、口腔、胸腔、腹腔などすべて「クウ」と読んでいます。
なぜ医学の分野でそのように読むことが慣例化しているのかわかりません。
一説に、「鼻孔」と「鼻腔」を区別するために読み分けされ始めた、というのがありますが真相はいかに。

ただ、元来ない漢字の読み方がいつの間にか定着して正式に認められることも多々あるようです。
例えば消耗の「耗」。これは元々「コウ」としか読まなかったそうです。
体力を「ショウコウ」した、と言ったら誰にも通じないと思いますが、
それと同じように「ビコウ」だの「コウコウ」だの言われても医者にはピンと来ないくらい
「腔」は「クウ」としてこの業界に定着しています。

解剖学用語のいくつかは約 230年前に刊行された「解体新書」の時代に作られています。
杉田玄白や前野良沢など、学生時代に歴史で名前を覚えたことのある人たちが、
オランダ語で書かれた「ターヘルアナトミア」を苦労して和訳する一方で、
「神経」「軟骨」といったそれまで存在しなかった日本語をひねり出し、それが現代でも使用されているのです。
その当時は「腔」が何と読まれていたのか興味あるところです。


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