野口内科 BLOG

  鹿児島市武岡に開業して43年の野口内科です。
  医療・健康に関する情報はもちろん、近隣の話題、音楽・本のことなどを綴ってまいります。

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 最近のニュースから

トウガラシトウガラシを口に入れてもすぐには辛さを感じませんが、なぜでしょう。
これには、今年のノーベル医学生理学賞を受賞したDavid Julius氏が発見した温度を感知するセンサー TRPV1 ( トリップ・ヴィ・ワン ) が絡んでいます。

辛さは舌で味覚として感じるのではありません。
口の粘膜の内側にある TRPV1 は43℃以上の温度を感じるだけでなく、トウガラシの辛味成分 カプサイシン にも反応します。
カプサイシンが粘膜を透過して TRPV1 に届くのに少し時間がかかるので、辛いと感じるまでにタイムラグがあるのです。

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TRPV1 は痛みの刺激センサーでもあります。

私の専門分野の消化器疾患の一つに、非びらん性胃食道逆流症 というものがあります。
心窩部の痛みや胸やけなど、逆流性食道炎と同じような症状があるのにもかかわらず、内視鏡検査で何も異常が見つからない場合に診断されるものです。

この疾患の原因の一つとして、食道と胃のつなぎ目部分の知覚過敏が考えられています。
この知覚過敏に絡んでいるのも酸にもはんのうする TRPV1 とされています。

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TRPTRPV1 を含むTRPチャネルについて簡単に触れておきましょう。
TRP は transient receptor potential の略でトリップと読むのが一般的です。
外部の環境温度を感知するセンサーで哺乳類では9種類が知られており、それぞれ担当する温度領域が異なります。

43度以上を感知する TRPV1 と17度以下を感知する TRPA1 が活性化すると、温度を感じると同時に痛みというシグナルにもなります。
生物が至適温度で生きていく上でとても大切な仕組みです。

TRPチャネルは温度だけでなく、植物由来の成分等でも活性化されることがわかっており、メントールはおおむね25度以下を感知するTRPM8 を活性化しますが、高濃度だと TRPA1 を抑え込んで痛みを感じにくくしてしまいます。
ちなみに、TRPV1 はトウガラシや酸などで、TRPA1 はワサビやシナモンなどでも活性化されます。

体が温まる食材や冷える食材がありますけど、私はTRPチャネルが絡んでいるものと勝手に推測しています。

また、TRPV1 や TRPA1 をコントロールできる薬ができれば、究極の痛み止めになるのではないかと期待されていますが、実用化には至っていないのが現状です。

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今年のノーベル医学生理学賞受賞理由となった研究、結構身近に感じていただけたのではないでしょうか。

さて、トウガラシを食べて辛さに飛び上がり、すぐさま水を飲んでも辛さが続きますよね。
水は口の粘膜を透過しませんから、粘膜の内側に入り込んだカプサイシンはどうすることもできません。
ただ、口の中に残っていてこれから粘膜に入り込んで TRPV1 を刺激するであろう予備軍を洗い流す意味はあると思います。

どうにか開催にこぎ着けた東京オリンピック
7月23日の開会式をテレビで見ましたが、まとまり感に欠ける中、ピクトグラムのパフォーマンスは面白かったですね。

ピクトグラムピクトグラムは、言語に依存せず、視覚に訴えることで内容が直感的に伝わるようにした図柄のことです。
オリンピックとしては1964年の東京大会で初採用され、その利便性が注目され世界中に広まったとされています。

2002年の日韓ワールドカップ開催に合わせてJIS規格が制定され、更に今回の東京オリンピック開催を前に、国際標準化機構で定められているピクトグラムとの整合性をとるために、JIS規格の見直しがなされました。

スマホなどで使われる絵文字は「emoji」として世界に広まっていきました。
世界に誇れる文化であり、今回のオリンピック開会式でピクトグラムに焦点が当てられたことは喜ばしいことです。

選手村のエアコンのリモコンが日本語表記のままで各国の選手が戸惑ったという笑えない話がありますが、ピクトグラムを上手に活用してほしかったと思います。

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ピンク東京五輪は、コンセプトの一つとして「多様性と調和」を掲げています。
にもかかわらず、配慮に欠けているものがあります。
それが色覚の多様性に対するもの。

大会関係者専用の車線にピンク色のラインをペイントしたようですが、赤または緑の光を識別しにくいタイプの色覚の人にはピンクがグレーに見えてしまいます
そのため、アスファルトの上のピンクのラインを引いても認知・判別しづらいのです。


また、サッカー日本代表のユニフォームですが、名前や背番号が読みづらいと思いませんか ?

ユニフォームその最大の原因は、ユニフォームの青地と背番号の赤の明度差があまりないことにあります。
そのため、色覚の問題と関係なく非常に読みづらいのです。
背番号には白いアウトラインを施していて、多少は見えやすくなっているのは、名前のアルファベットと比較してもらえばわかると思います。
しかし、その太さが十分とは言えず、青と赤のセパレーションの意味をあまりなしていません。
テレビ越しに見ると、選手が大映しになる時以外判読困難です。

学会や講演会などのプレゼンテーションで、ブルーをバックに文字を赤色で強調したスライドをちょくちょく見かけますが、チラチラして見にくいだけです。


色の選択方法については、もっと学ぶ必要があると思います。
学校の必修科目に取り入れてもいいのではないでしょうか。
そうすれば、深緑の黒板に赤いチョークを使うなんてことも起こらなくなるでしょう。


当院の待合室のデジタルサイネージで流している情報では、情報量や文字の大きさだけでなく、しっかり色彩計画を立てて見やすさを追求しています。
普段から気をつけていることなので、東京オリンピックでは余計気になってしまうのでした。 

梅雨の後半や台風による大きな被害が毎年のように起っています。
今年は熱海市で土石流が起こりました。

土砂崩れ今回の土石流被害で異例だったのは、安否不明者の氏名を速やかに公表したこと。
個人情報保護が叫ばれるようになってから、死者や安否不明者の公表についての対応が自治体によってバラバラな状態が続いています。
個人的には今回の公表を評価しています。
安否の確認情報によって捜索の迅速化・省力化につながります。
また、親族や知り合いなどの安否を確認しようとする多くの人々の行動の無駄を省き、通信関係の負荷の軽減にもなります。

今回の氏名公表に対する批判はほとんど起きていません。
先月の知事会では災害時の死者や不明者の発表に関するガイドラインを策定していたようですが、適切な個人情報への配慮のあり方を国民全体で考え直したいものです。

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今回の土石流の原因として起点となった場所の盛り土がクローズアップされています。
そして、国土交通相は全国の盛り土の総点検を考えていると発言しました。
全国に5万ヶ所以上あるようですが、果たして現実的な対応でしょうか。

私の住む鹿児島市の武岡地区は、鹿児島に多い丘陵地帯を切り開いて出来た造成地で、あちこちに盛り土があります。
以前谷だった所が次々に埋め立てられていく様を知っている住民も多いです。
また、盛り土の部分を高速道路や新幹線のトンネルが貫いているという、他の場所ではみられない特殊な事情を持っています。

で、一体何の点検をするつもりなのでしょうね・・。
トンネルの安全性を調べてくれたらありがたいですが。

昨年末、小林化工の製造した水虫の薬に睡眠薬の成分が混入していた事実が発覚しました。
昨日、同社に対して116日間の業務停止処分が下されました。
これまでで最も長い処分を下したかったようですが、116という数字はどこから出てきたのでしょうね。
30日単位や7の倍数なら分かりやすいのですが。

製造小林化工が全製品の製造・出荷を停止したため、多方面に影響が出ています。
同社製品を使用していた医療機関や調剤薬局は他のメーカーの医薬品に変更せざるを得ませんが、各製薬会社も容易には増産できません。
入手困難なため、先発品への回帰の動きも出ています。
また、小林化工に製造を委託しているメーカーの製品も供給できなくなっています。

当院でも、製造委託品が1種類だけ影響を受けています。
他社の同成分の薬品が入手困難なため、当院で採用している同系統の薬にシフトして対応しています。

ご迷惑をおかけしますが、何とぞご理解の程よろしくお願いいたします。

2008年から始まった特定健診 ( いわゆるメタボ健診 ) 及び特定保健指導について、その効果を検証した報告がありました。( → こちら )

腹囲測定2014年にメタボ健診を受けた男性のうち、腹囲が85cmを少し超えて保健指導となった人と、少し下回り対象とならなかった人それぞれ2万人を抽出。
1年後、保健指導となった集団で体重が0.29kg、BMI ( Body mass Index, 体格指数 ) が0.1低下したに留まっただけで、3年経過するとその差も消えてしまうという内容でした。
その原因として、保健指導を受けたのが16%だけ・指導内容が効果的とは言えない・腹囲85cmだと健康な人が多く含まれる、といったことが挙げられています。

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メタボ健診が始まった時の問題点を、以前このブログで書きました。

こんないい加減なことでいいの ? 1

こんないい加減なことでいいの ? 2

「2」の方で書いた腎機能の検査項目については、すぐにBUNがクレアチニンに改められました。
しかし「1」で指摘した腹囲を85cm ( 女性は90cm ) で区切った根拠は曖昧なままです。
血圧や血糖値、中性脂肪や善玉コレステロールがいくら基準を外れていても、腹囲が基準範囲なら指導の対象になりません。

まず腹囲ありきの健診なのですが、今回のデータ解析でその根幹に疑問が投げ掛けられました。
そろそろ、制度設計の見直しも必要な時期にさしかかっていると思います。

誰もが知っている液状糊「アラビックヤマト」の容器を使った蜂蜜「はちみつアラビックリ!? ヤマト」が明日から発売されるようです。
手を汚さずにムラなく蜂蜜を塗り伸ばすことができるというのがウリ。

アラビックリ

アイデアのとしては非常に面白いものですが、危ないと思いませんか ?
糊と蜂蜜の色がそっくりで、ラベルを剥がすと区別が全くつきません。
ラベルがあったとしても、そのラベルがそっくりなので、その辺りに置いておくとほとんどの方が糊と勘違いして使ってしまうのではないでしょうか。
それなら、まだ笑い話で済むかも知れませんが、蜂蜜と勘違いして本物の液状糊をパンに塗って食べてしまったらどうなるでしょう。


我々の業界では、外見や名前の似通った医薬品・医療機器での誤用による医療事故が度々問題になってきました。
例えば、注射ができないのにアンプルに入った薬品。
ついつい、アンプルは静脈投与する薬品という先入観を持っているため、誤って静脈内に投与してしまうヒューマンエラーが幾度か起こりました。
「注射禁」のラベルを貼ったり、アンプルとは全く異なる容器に改善したりするなどで再発を予防する工夫がなされてきました。
経腸栄養に使う薬品が誤って静脈に投与される例もありました。
現在は、経腸栄養と静脈用のラインの太さを変えたり、使用する注射液の先端の太さや色を変えるなど様々な工夫を加えてエラーを起こさないようにしています。


安全工学の観点から、非常に懸念材料が多い今回の商品。トラブルが起こらないことを祈るばかりです。
新型コロナウイルスに罹っていたら、匂いや味で糊か蜂蜜か区別はつかないでしょうし・・。

最近新聞に載っていた記事を2つ並べてみましょう。


まずは、8日の新聞に載っていた「日本の医学部卒業生、人口比最少」という記事。
日本は人口10万人あたりの医学部卒業生数が、比較可能な35カ国のうちで最も少ない ( 6.8人 ) ということ ( 最高はアイルランドの24.9人 ) と、医師に占める55歳以上の割合が37%で平均 ( 34% ) よりも高いというものでした。
更に女性医師の割合についても最低の21%と平均48%の半分以下だったようです。
( 最高はエストニアとラトビアの74% )

もう一つは7日に掲載された「鹿児島市立病院で違法残業」というニュース。
労使間協定で「月45時間以上の残業は年6回まで」という労使間協定を超える違法残業をしていた職員が28人もいたとか。
そこで「月80時間以上の残業を年10回まで」と改めたそうです。( 改悪なのか現実に即したのか‥?? )


医療スタッフ先月の診療所ライブラリー「病院は東京から破綻する」で、国は予定通りに医学部の定員を増やす気配がないことや、医師の献身的な残業で医療現場が成り立っていることなどを書いたばかりでした。
医師が増えると医療費が更に増えるという考えがあるようです。
しかし、もう少しゆとりを持って医師が働ける環境がないと、国民の健康を安心して維持できないのではないでしょうか。

風疹の拡大防止策として、対象年齢の男性に無料で抗体検査や予防接種を受けていただけるクーポンが配られています。
このクーポンの利用率が低迷しているという報道が先週ありました。( → こちら )
鹿児島市でこの制度の開始が7月1日からと遅かった影響もあり、鹿児島県での利用者数は九州の中でも2番目に少ない数字となっています。

採血風疹で最も問題なのは、妊娠20週頃までの妊婦さんが罹った時に胎児に先天性風疹症候群 ( CRS ) を起こす可能性があること。
風疹を蔓延させないためにも、クーポンがお手元に届いた方は必ず検査を受けて、小さな命を守りましょう。
19年度の対象者は、昭和47年 ( 1972年 ) 4月2日から昭和54年 ( 1979年 ) 4月1日の間に生まれた男性です

詳しくはこちらの記事を参考にして下さい。( → 「鹿児島市の成人男性の風疹抗体検査について」)



参考 → 「鹿児島市の19年度の予算案に風疹対策」「流行中の風疹、鹿児島でも」「風疹予防摂取の重要性

現在、全国には82の医学部があります( 防衛医科大学も含む ) 。
医学部人気は相変わらずで、入るのに敷居が非常に高い状態が続いています。

医師以前から地方の大学に都会出身の学生が押し寄せて、卒業すると都会に戻っていくので、地方での若手の医師確保が問題になっていました。
それを解決する手段の一つとして「地域枠」という制度があります。
これは、地域の医師確保を目的に都道府県が大学医学部の学生に奨学金を貸与する制度で、特定の地域や医療機関に計9年勤務すれば奨学金の返還が免除されます。
鹿児島県でも、既にこの地域枠から誕生した医師が県内各地で活躍しています。


先日、お隣の宮崎県からこんなニュースが飛び込んできました。

地域枠4人に1人が県外流出 宮大医学部卒業

制度に強制力がなく、県外で働く場合は奨学金を一括返済しなくてはなりません。
しかし、制度の主旨を理解して入学したはずですから、返済すればいいという話ではありませんよね。
本年度からは、地域枠の学生は卒業後に県内の病院でしか研修が受けられなくなるようですが、研修施設の質の向上も求められます。

さて、地域に医師の頭数だけ揃えばいいという話ではありません。
診療科によっては医師不足は相変わらずです。
鹿児島県では、産婦人科・小児科・麻酔科・救急科・脳神経外科・整形外科を目指す学生にも修学資金を貸与しています ( → こちら ) 。

個人的には、地域枠同様、入学時に特定の診療科の医師になることを前提とした枠を設けてもいいのではないかと思っています。
産婦人科医や小児科医になりたいという強い意志を持ちながら、なかなか入学できないでいる人たちがいます。
医師になるのに、大学入試の際の学力はそれほど役に立ちませんから。

鹿児島市では、19年度から風疹の追加対策を始めています。
風疹の予防接種を受ける機会のなかった昭和37年 ( 1962年 ) 4月2日から昭和54年 ( 1979年 ) 4月1日の間に生まれた男性が対象です。

採血3年間かけて行われる対策で、本年度は昭和47年 ( 1972年 ) 4月2日から昭和54年 (1979年 ) 4月1日までに生まれた方に対して、6月下旬にクーポン券が発送されました。
届いたクーポンを指定された医療機関に提出し、まず風疹抗体検査を受けていただくことになります。

当院では、風疹 IgG, CLEIA法で調べます。
この数値が 20 IU/ml 以上あれば、免疫が十分にあると判断されます。
20IU/ml 未満なら、免疫をつけるための予防接種をMRワクチンにて行ないます。
抗体検査も予防接種も無料で受けられます。

風疹で最も問題になるのは、妊娠20週頃までの妊婦さんが罹った時に胎児に先天性風疹症候群 ( CRS ) を起こす可能性があることです。
CRSは、心臓の奇形・白内障・難聴を三大症状としますが、血小板減少や動脈管開存症、発育遅滞、精神発達遅滞なども起こし得ます。
この疾患は根本的な治療がありません。
風疹自体にも治療法がありませんので、予防接種が非常に重要となります。

風疹を蔓延させないためにも、クーポンがお手元に届いた方は必ず検査を受けて、小さな命を守りましょう。


参考 → 「鹿児島市の19年度の予算案に風疹対策」「流行中の風疹、鹿児島でも」「強力な麻疹 ( はしか ) の感染力」「風疹予防摂取の重要性

IB-Stim-CloseUp-Palcement-Web先日、アメリカ食品衛生局 ( FDA ) が、耳の後ろに弱い電気刺激を与えて過敏性腸症候群 ( irritable bowel syndrome : IBS ) の腹痛を緩和させるというデバイスを認可しました。

          FDAのニュースリリース ( → こちら )
          メーカーのサイト ( → こちら )

このデバイスを3週間使うと、少なくとも3割は激痛から開放されるようです。
右の写真はメーカーのHPにあったものです。

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正確なメカニズムはわかっていないようですが、電気刺激が脳の扁桃体と呼ばれる場所や脊髄をコントロールするようです。
扁桃体は、情動反応の処理や記憶形成などに重要な役割を持っていて、生命を脅かすような恐怖や苦痛を学習し、危険を予知・回避する行動に結びつける働きがあります。
慢性的に痛みが繰り返されると、痛みを学習した扁桃体が興奮しやすくなります。
また、痛みだけでなく抑うつや不安などの情動も扁桃体で処理されるので、これらの陰性の情動が痛みに大きく関わってきます。



さて、最新のIBSの診断基準を示します。
ROME IV基準によると、

週に1回以上の腹痛が3ヶ月以上続き、

 ① 排便により症状が改善すること
 ② 排便頻度が症状の変化に関連するこ
 ③ 便の形状 ( 外観 ) が症状の変化に関連すること

以上3つの排便異常のうち2つの以上の項目を満たし、症状は6ヶ月以上前から出現していること

となっています。
やや理解しにくい文章ですが、簡単に表現すると「腹痛を伴う慢性的な便通異常」となります。

腹痛症状の強い人になると、職場や学校にたどり着くまでに何度もトイレに駆け込んだり、腹痛のため不登校になってしまう場合もあります。
このように、IBSは生活の質にも大きく関わってくる疾患です。
今回米国で認可されたデバイス、確実性はないものの、痛みの軽減で救われる方が増えるようなので期待したいです。

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IBSは日本においては15%近くの方が罹っているとされていますが、日常生活に支障をきたしているのに病院を受診されないままの方が多いです。
ありふれた疾患なのに関心を持つ医師が少ないのも残念なことで、不必要な検査を繰り返したり、IBSでない患者をIBSと診断したりするケースも見受けます。


日本には、有り難いことにIBSにみられる腹痛や便通異常をコントロールしてくれる漢方薬が存在します。
正しく診断し、これらの漢方薬を中心に既存のIBS治療薬を上手に組み合わせると、とても楽に過ごせるようになります。
IBSに悩んでおられる方は、一度当院にご相談下さい。



なお、耳を刺激するデバイスは、最初にオピオイドの離脱症状を軽減させるために使われ始めたようです。
また、耳から迷走神経を電気刺激して、心房細動を治療しようというデバイスも開発中とか。( → こちら )
耳にはたくさんのツボがありますから、今後いろんな症状を緩和するデバイスが続々と出てくるかも知れませんね。

マイナンバーカード今月初めに、2021年からマイナンバーカードが健康保険証として利用可能になる、というニュースがありました。

マイナンバーカードに健康保険証の機能を持たせることについては2014年の「世界最先端 IT国家創造宣言」の中に盛り込まれており、翌年に厚生労働省から素案が発表されていました。
若干古いようですが、医療分野でのマイナンバー活用についての中間報告のPDFを見ることができます。( → こちら )

保険者間で特定検診のデータなどを連携できたり、予防接種履歴管理ができたりするなどのメリットもあるようですが、私が一番気にしているのは報道にあったこの部分です。

「2021年3月から健康保険証として使えるようにし、22年度中に全国のほぼすべての医療機関が対応するようシステムの整備を支援する」

カメラ付きの顔認証システムを組み込んだマイナンバーカード読み取り装置を病院の窓口に用意しなくてはならないようなのです。
報道では「支援する」とあるので、装置購入費用を補助するという意味だと思いますが、国が全額負担するようにしないと医療機関側での普及が進まないのではないかと思います。
日本医師会も「医療機関においては、読み取る設備を用意していなければ、患者がマイナンバーカードを持ってきたとしても保険資格を確認することはできず、その場合、当然、窓口ではこれまでのように保険証を提示する必要がある」と説明をしています。( → こちら )

東京オリンピックでは本人確認に顔認証システムが導入されるようですが、その装置の写真を見ることができます。 ( → こちら )
この位の大きさになると、小さな医療機関では受付や待合室に空間的ゆとりがなくて装置を置くスペースが確保できないとか、配線に苦慮するような問題も出てきそうです。

果たして、目標としている22年度中までに全ての医療機関が対応できるようになるのか、私は疑問に思います。

連休中に気になるニュースが。

学校で心停止になった子供に対し、救急隊が到着するまでに自動体外式除細動器 ( 以下 AED ) が装着されたかどうかを調べたところ、高校では男子生徒に比べ女子生徒で30ポイントの差 ( 男子 83.2%、女子55.6% ) があったという調査結果が公表されました。
小中学校では男女差はなかったようです。

すぐ側で人が倒れる場面にはなかなか遭遇しないと思いますが、平成20年から27年にかけて全国の学校で心停止になった子供が232人いたとか。
この数字、少ないと感じるか多いと感じるか‥。

人は緊急事態に遭遇した時に、それを楽観視して合理的な行動ができないことが知られています。
これを正常性バイアスと言います。

自動体外式除細動器人が目の前で意識を失って倒れた時に、すぐにAEDを思い浮かべることができるかどうか。
周囲の人達にも協力を仰ぎながら、AEDを取り寄せ、ためらわずに装着できるかどうか。
日頃から講習などを受けて、一刻を争う状況にしっかり対応できるようにしておかなくてはなりません。

女性の肌を露出させることに対しても、正常性バイアスが影響して躊躇するのかも知れません。
AEDをもっと普及させる上で、今回の報告で浮かんだ課題をどう克服するかも改めて考えなければなりませんね。

なお、装着する以前に使い方がわからない方も多いと思いますが、AEDは蓋を開けると音声ガイダンスが流れ、電極パッドを貼る位置なども教えてくれますし、電気ショックが必要な状態かどうか自動的に判断してくれます。

ゼンリンとの契約解除をきっかけにして、Googleマップの不具合が相次いで報告されています。
鹿児島でも、鹿児島湾上にトイレが表示されたり、山中に巨大な湖が出現したりしていたことがニュースになっていました。
いずれも改善されているようですね。

さて、当院はどうなっているでしょうか。
下の地図をご覧下さい。( クリックで拡大 )
野口内科周辺の地図

全く問題なく表示されています。

これで安心していたのですが、別のところでとんでもないことが起きていました。
それはストリートビューです。
当院の西側を南北に走る道をストリートビューで見てみるとこんなことになっています。( クリックで拡大 )
九州自動車道

真っ暗で、当院の影も形もありません。
どうやら、当院の東端のほぼ真下を走っている九州自動車道のトンネル内部が表示されているようなのです。
これでは劣化したと言われても仕方ないですね。

当院にGoogleマップを利用して来られる際、もしかしたらトンネルの途中で目的地だと示されるかも知れませんが、くれぐれもお気を付けて。

3月11日は東日本大震災から8年目となり、テレビや新聞などでは様々な特集が組まれました。
私が阪神淡路大震災を経験していることは、既にこのブログでも繰返し取り上げています。
阪神淡路大震災では火災が、東日本大震災では津波が、被害に更なる拍車をかけましたけど、同じ地震が原因になっていても個々で異なる問題が生じます。


map鹿児島では桜島の大噴火の可能性があります。
3月9日には鹿児島救急医学会等が中心となった座談会が行なわれ、大規模な噴火の際の入院患者の安全確保についての議論が行なわれたようです。

噴火時の直下型地震や津波なども想定されていますが、一番の問題はやはり火山灰でしょう。
火山灰はその時の風向きによっても堆積量が異なって来るものの、一番の人口密集地である鹿児島市は灰に埋もれてしまうのは必至。
大正噴火クラスの規模の爆発があり風向きが鹿児島市内方面だと、当診療所のある武岡地区では約1mも火山灰が降り積もる予測がなされています。
鹿児島の方ならよくご存じでしょうが、火山灰が水分を含むとセメントのように固まってしまいます。
50cm積もったまま水を含むと家屋が倒壊してしまう可能性もあるようですね。

通常の災害などでは比較的早期から行われるであろう救助活動や支援物資の供給が、降灰に阻まれてかなり遅延してしまうことは間違いありません。
3日は備えておくべきと言われている食糧や燃料も十分とは言えないでしょう。
4月になれば熊本地震の話が盛んになってくると思いますが、こういう機会を捉えてでもいいので、大噴火を見越した備えを真剣に考えてみて下さい。

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