野口内科 BLOG

  鹿児島市武岡に開業して43年の野口内科です。
  医療・健康に関する情報はもちろん、近隣の話題、音楽・本のことなどを綴ってまいります。

    診療時間 午前  9:00〜13:00
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 最近のニュースから

8ogt7j2r.gif10万人あたり3.9人。
これは最近発表された2007年の鹿児島県における気管支喘息での死亡の割合を示しています。
2004年は5.6人でしたから 3割も改善している・・・と喜んではいられません。
というのもこの数字、2004年は都道府県順位で最下位、2007年でも46位なのです。
ちなみに2007年の 1位の県は1.2人ですから 3倍以上の開きがあります。

原因は様々なことが言われています。
元々南国は喘息の罹患率が高いとか、鹿児島は高齢の患者さんが多いからとか。
しかし喘息の患者さんが不十分な治療で発作をしっかりコントロールできていないのではないか、そういうことも考えられます。
万年下位を返上すべく、鹿児島の呼吸器科の医師たちを中心に鹿児島ぜんそくネットワークなるものを立ち上げ、医療連携などを通しての努力を行なっています。

喘息は吸入ステロイド薬による日々の予防が基本中の基本。
この吸入薬の使用率の低い県ほど喘息の死亡率が高いこともはっきりしています。
医師も頑張っていますので、治療を中断することなくしっかりコントロールしていきましょう。
喘息は放置すると死につながることのある怖い病気ですから。


grtowoik.gif医療情報をかき集めるため、多くの雑誌やあちこちのサイトに目を通すようにしています。
その中から、一般の方にも興味を持ってもらえそうな普段の食生活に関することも医療情報 Pick Up で多く紹介しています。

さて最近 CNN でこんな記事を見かけましたけれど、皆さんはどう思われますか ?


http://www.cnn.co.jp/science/CNN200808280029.html

http://www.cnn.co.jp/business/CNN200808300001.html


追記) 上記の記事に既にアクセスできなくなってしまいました。
一つはニューヨークでの寿司ネタ偽造の問題。
もう一つはほうれん草とレタスに放射線殺菌が認められたという記事でした。
(10月14日文章追加)


5f9d2xnu.gif「ムカムカする」「胃が重い」「胃がもたれる」「酸っぱいものが上がってくる」・・・。
胸やけとは具体的にどのような症状を言うのかを患者さんに聞くと、実は胃のもたれや吐き気、腹部膨満感などを表現していることもあるため、真の胸やけ症状であるかどうかを判別するのも医師の問診上の大切なポイントとなります。
このことは先日紹介した本にも記載されています。

先週参加した講演会では、この点について面白い話がありました。

それは、胸やけについて看護師や医学部の学生にもアンケートをとったところ、消化器医との間に認識の開きがあるというものでした。
胸やけを起こす代表的な疾患である胃食道逆流症 (逆流性食道炎)の病態から考えて、胸やけとはこのような症状だろうと医師の間では概ね共通した概念を持っているのですが、医療現場にいる人たちとの間にもズレがあるというのは大変興味深い話でした。

また今月上旬に新聞にも載った胃癌の内視鏡的術後の除菌についても話がありました。
早期胃癌を内視鏡で治療した後にピロリ菌の除菌をする群としない群に分け、3年間経過をみたものです。
除菌した群で癌の再発が4%にみられたのに対し除菌しない群ではその3倍の12%に達したということでした。
除菌しても再発があるのは、ピロリ菌感染で既に癌が生じた人を対象としており胃粘膜の状態が相当悪いからだと考えられます。
除菌しても 5年くらいは年に 1回の内視鏡で経過をみていくことが望ましいだろうという意見で、これは日常の診療に大いに参考にすべきものでした。


gn8afksn.gif何かと問題視されている後期高齢者医療制度。
その中でも特に評判が悪い「終末期相談支援料」を7月から凍結するよう、厚生労働大臣が中医協に諮問したことが報道されました。

この仕組みを簡単に説明すると、
・終末期を迎えた75歳以上の高齢者と65歳以上の障害者に対して
・医療スタッフと患者及びその家族が今後の治療内容などを相談
・その内容を文書化すること
となっています。

この制度のキモは、患者本人に急変時に救急車を必要とするのか、延命治療を望むのか等を決定してもらい、署名入りの文書を残すことにあると思います。
医療費抑制に主眼があることはもちろんのこと、文書化により、本人が望んだことだから、と後々のトラブルを回避することも狙いの一つと考えます。

医療サービスを提供する側と受ける側との間の行き違いから裁判まで発展するケースが年々増えています。
そんな中、この10年余で医師には診療に当たり様々な文書を作成することが求められるようになってきました。
入退院数の多い病院では医師の書く書類は半端な数ではなく、これも勤務医を疲弊させている一因となっています。

皆さんが生命保険の診断書を始めとして色々な診断書を病院に依頼すると手数料を支払いますが、あれはすべて病院の収入になり、書いた医師には一切お金は回ってきません。
少しでも給料の足しになるのならいいのですけれど。

さて、終末期相談支援料での保険医療機関の収入は2000円。
入院患者に関しては 1時間以上にわたり話し合いを持つことも規定されているため、時間的にも金銭的にも割に合わず実際にはほとんど運用されていないと思います。

多忙を極める医療現場に更なる負担増を強いるような仕組みは作らないで頂きたいことですね。
もちろん必要とされるシステムなら労を惜しみませんけれど。


d7mn47cn.gif「こんないい加減なことでいいの ? 1」の続きです。


いわゆるメタボ健診でもう一つ問題になっていること。
それは検査項目から血清クレアチニンが外されたことです。
これはとても大事な検査項目なのです。
慢性腎臓病という概念が提唱され、年齢と血清クレアチニンからおよその糸球体濾過量を計算することで早期に腎臓の機能低下を拾い上げていこうというのが世界的な流れ。

メタボ健診の草案段階ではこの血清クレアチニンは検査項目に挙がっていたのですが、尿検査がありませんでした。
その点を指摘したら尿検査は復活したものの、代償として血清クレアチニンが外されたという顛末らしいのです。

ここで見え隠れするのは要するにコストの問題。
前回指摘した腹囲計測も含めて、国民の健康を真剣に考えているのか疑問といわざるを得ません。

外すならBUNという項目ではなかったでしょうか。
BUNと尿蛋白だけで、どう患者を指導していけばいいか現場では非常に難しい判断を迫られています。

ちなみに日本人のGFR推算式 (eGFR) が新しくなります。
6月からはこちらが使われるようになります。

eGFR = 194 × (年齢の -0.287乗) × (血清クレアチニンの -1.094乗)
    女性はこれに × 0.739


相変わらず難しい式です。


4kdpk5lt.gifいわゆるメタボ健診で話題の中心になっているのが、腹囲測定。
この腹囲測定について厚生労働省からこんなお達しがありました。

・着衣のままや自分での測定も認める
BMI が 20以上 22未満の人は医師の判断で自己申告もOK
・BMI が 20未満の人は測らなくてもかまわない

未然に成人病発症を防ごうという目的でこの腹囲という項目を新たに取り入れたはずなのに実にいい加減な話です。

先日、BMI が 22なのに腹囲が90センチという男性もいました。
腹部肥満に関する身体測定値は BMI にかかわらず実測値が大事であるとする研究報告もあります。

大体、「メタボ健診は健康保健組合には実施する義務があるのに、受診者には腹囲測定を受ける義務はない」ということからしてどれだけ本気なのか疑問に思います。

男性 85センチ以上、女性 90センチ以上と決めた数字には根拠があると言えばあります。
CTでおヘソの位置で内臓脂肪の面積が 100 ㎠ となるときの腹囲です。
しかし、数字をはじき出すのに対象とした人数があまりにも少ない (男性 544人、女性 194人) こと、そしてなぜ 100 ㎠ なのかということ。
このあたりには問題がないとは言えないでしょう。

健診で多くの人のデータをとることで新しい知見が得られたり、基準値が見直されたりするのではないでしょうか。
一体何のための検査項目なのか、実施するのなら全員を対象にしなければ意味がないと思います。

2 に続く


qqdkjqds.gif4月から始まった後期高齢者医療制度の新しい保険証が本人に届いていない人数、不名誉ながら都道県別で鹿児島県は4位でした。

昨夏の建築基準法改正もそうでしたが、最近の国は、周知・準備期間を十分確保せずに事を進めていこうとする傾向が強く、それが現場に混乱を招いているように思います。
新しい保険証が手元になくても、従来通り医療機関を受診できるよう措置を取りましたが、現場ではレセコンをまた対応させなくてはいけません。

何かと問題点を指摘されているこの医療制度を「姥捨て山」になぞらえた人もいます。
小説「楢山節考」等で知られる姥捨て伝説ですが、そんなものは存在しなかったとする説を「『姥捨て伝説』はなかった」という本で読んだことがあります。
長野にある姥捨山も実は霊験あらたかな場所であったという事を著者と上岡龍太郎の対話形式で説いていきます。
興味ある方は読んでみてください。


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