大腸内視鏡を行う意義 日本人に大腸がんが増えています

男性の2人に1人、女性の3人に1人ががんに罹る現代日本においてとりわけ増えているのが大腸がんです。

その大腸がんを検診で見つけるのに有効な手段として評価されているのが 便潜血反応検査。この簡便な検査を受けた人は受けない人に比べて、大腸がんによる死亡率が7割も低いという調査結果も2007年に報告されています。苦痛を伴わない効率的な検査にも関わらずこの検診を受けられる方は対象年齢の15% ほど。鹿児島県では受けられる方が全国平均に比べると若干多いのですが、それでも19% ほどです。

2009060914141725181.gif便潜血反応検査で陽性となった場合、大腸内視鏡などの精密検査を受けなくてはがんの有無の診断はできませんが、検査せずにほったらかしにしている方が鹿児島県でみると2割ほどいるようです。これでは便潜血反応検査を行なった意味がありません。実際にがんが見つかるのは陽性の中の3% 程 ( 陽性反応的中度 ) に過ぎないのですが、自覚症状のない早期のうちに見つけて適切な治療をすると、予後が良いのも大腸がんの特徴です。特に鹿児島県では集団健診によって見つかった大腸がんの5年生存率は9割を超えるという成績が出ています。

 私が大腸内視鏡に取り組むようになったきっかけ

当院でも 大腸内視鏡検査 を積極的に実施しております。小さな診療所ながらポリープ切除も行なっておりますし、数多くの症例経験をもとに苦痛の少ない検査を心がけております。
2017年4月からは、フジの最新鋭の内視鏡「EC-L600ZP7」を導入しました。この機種は操作性や観察にすぐれ、苦痛も少なく受けていただける、大腸内視鏡史上最高傑作との評価の高い内視鏡です。

野口内科の大腸内視鏡

そもそも学生時代は消化器病にはあまり興味を持っていませんでした。ところが、研修医時代、平成になりたての当時に年間2000例は大腸検査を行なうという関西では最も症例をこなしていた先生の下で、その華麗なるテクニックに魅せられて内視鏡医としての道を選んだ経緯があります。

他の施設との比較で大きなアドバンテージといえば、土曜日の午後も検査を行なっているという点でしょうか。
便潜血にしろ大腸内視鏡にしろ少々恥ずかしさを伴うものかもしれませんが、非常に有用な検査です。 日頃忙しい方も、当院の土曜日などを活用して是非大腸内視鏡検査を受けていただきたいと思います。

検診での便潜血陽性の方のみならず、

  便通異常や下血など大腸疾患を疑う症状のある方
  糖尿病 ( 根拠 ) やメタボリックシンドローム ( 根拠 ) の方
  40歳以上の方で大腸検査を一度も受けられたことのない方

などでも検査をお勧めします。

 大腸内視鏡の検査スケジュール

検査は 月・火・水・金・土の午後に実施しております。
お問い合わせ・ご予約はお電話で → 099-281-7515

(新型コロナウイルスワクチン接種業務で中断していた土曜日の検査は、2021年10月30日より再開しています。)

( 2023年6月30日 更新 )
 

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