鏡〖 今月のつぶやきから 151 〗


梅雨が明けてから暑い日々が続いています。
明日7月29日から先、鹿児島の最高気温は37~38℃の予報が出ています。
南国とはいえ36℃を超えることは滅多にないので、今から戦々恐々としています。
熱中症には気をつけましょうね。


今回の「今月のつぶやきから」は、個人的に興味を持った専門的な情報ばかりです。
既存の処方薬に、全く新たな活用法があるという報告が複数あり、非常に興味深いです。


共感覚とは、ある1つの刺激に対して、通常の感覚だけでなく 異なる種類の感覚も自動的に生じる知覚現象のことで、当ブログでは「中井久夫 精神科医のことばと作法」の中で触れています。

② 高血圧症に対して使う薬にレビー小体型認知症を予防する効果があるという情報です。起立性低血圧という副作用が懸念されて使用頻度は高くないのですが、今後見直されるかも知れません。

③ 中性脂肪を下げる薬を使っても心血管イベントリスクは減らないというデータが出ているので、治療にあまり積極的ではないのですが、糖尿病の方には糖尿病性網膜症予防のために処方するのがいいのかも知れません。

④ Clostridium sporogenesという細菌が、大腸菌と競合してトリプトファンを有益な物質に変化させるという情報。

⑤ 日本では高尿酸血症に対する薬が安易に使用される傾向が強いのですが、私は欧米の考え方に同調してあまり積極投与はしていません。しかし、別の視点からは有用な薬のようです。

⑥ 抗精神病薬のオランザピンに「抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)投与に伴う消化器症状 (悪心、嘔吐)」の適応がありますが、カルボプラチンでも有効であるという報告です。

⑦ 授乳中の雌マウスの骨量や骨の強度の維持に役立っているCCN3というホルモンが、年齢や性別にかかわりなく効果があるという報告。

⑧ 私は男なので分からないのですが、女性の皆さん、どうなのでしょう。

⑨ 筋肉から出る「マイオカイン」については、一つ前のブログ「シニアのための筋肉の新常識」で触れたばかりでした。