梅雨が明けてから暑い日々が続いています。
明日7月29日から先、鹿児島の最高気温は37~38℃の予報が出ています。
南国とはいえ36℃を超えることは滅多にないので、今から戦々恐々としています。
熱中症には気をつけましょうね。
今回の「今月のつぶやきから」は、個人的に興味を持った専門的な情報ばかりです。
既存の処方薬に、全く新たな活用法があるという報告が複数あり、非常に興味深いです。
① 共感覚とは、ある1つの刺激に対して、通常の感覚だけでなく 異なる種類の感覚も自動的に生じる知覚現象のことで、当ブログでは「中井久夫 精神科医のことばと作法」の中で触れています。
「ミラータッチ共感覚」
— 野口内科_日々の独り言 (@washi_omu) June 27, 2024
知りませんでした。勉強になった。
自分を犠牲にして他人を助ける精神の働きとは https://t.co/jCmHKFfQoA
② 高血圧症に対して使う薬にレビー小体型認知症を予防する効果があるという情報です。起立性低血圧という副作用が懸念されて使用頻度は高くないのですが、今後見直されるかも知れません。
解糖系亢進作用を有するα1遮断薬は、脳のエネルギー供給を増やして神経変性疾患の予防または進行抑制に寄与する可能性。
— 野口内科_日々の独り言 (@washi_omu) June 27, 2024
α1遮断薬でレビー小体型認知症リスク低下 https://t.co/KpGD9NT9Yo
③ 中性脂肪を下げる薬を使っても心血管イベントリスクは減らないというデータが出ているので、治療にあまり積極的ではないのですが、糖尿病の方には糖尿病性網膜症予防のために処方するのがいいのかも知れません。
中性脂肪を下げても心血管イベント低減に繋がる明確なエビデンスに乏しく、フィブラートを投与する意義が見出せていなかったけど、この報告には注目したいです。
— 野口内科_日々の独り言 (@washi_omu) July 4, 2024
フェノフィブラートが糖尿病網膜症の進行抑制に寄与?-英研究 https://t.co/Djr5pcmW2q
④ Clostridium sporogenesという細菌が、大腸菌と競合してトリプトファンを有益な物質に変化させるという情報。
「腸内細菌はトリプトファンをめぐって競争している」ってとっても分かりやすい表現ですね。
— 野口内科_日々の独り言 (@washi_omu) July 10, 2024
食物繊維が腸内細菌を健康にする https://t.co/LCD98jY3ib
⑤ 日本では高尿酸血症に対する薬が安易に使用される傾向が強いのですが、私は欧米の考え方に同調してあまり積極投与はしていません。しかし、別の視点からは有用な薬のようです。
XOR阻害薬、ヒポキサンチン、ペントースの同時投与が神経変性疾患に有用である可能性。
— 野口内科_日々の独り言 (@washi_omu) July 16, 2024
神経変性疾患、痛風治療薬が脳のエネルギー枯渇防ぎ細胞を保護-東京薬科大ほかhttps://t.co/Z0RWGizI5o
⑥ 抗精神病薬のオランザピンに「抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)投与に伴う消化器症状 (悪心、嘔吐)」の適応がありますが、カルボプラチンでも有効であるという報告です。
興味深い報告です。
— 野口内科_日々の独り言 (@washi_omu) July 17, 2024
カルボプラチンに伴う悪心・嘔吐予防にオランザピン併用が有効-浜松医大ほか https://t.co/BtSgTZyoZF
⑦ 授乳中の雌マウスの骨量や骨の強度の維持に役立っているCCN3というホルモンが、年齢や性別にかかわりなく効果があるという報告。
CCN3 (cellular communication network factor 3)
— 野口内科_日々の独り言 (@washi_omu) July 22, 2024
覚えておこう。φ(._.)
骨粗鬆症や骨折を早く治すのに役立つ可能性のある新たなホルモンを同定-米研究 https://t.co/19JNmDbive
⑧ 私は男なので分からないのですが、女性の皆さん、どうなのでしょう。
意外にも、調べられていなかったのですね。
— 野口内科_日々の独り言 (@washi_omu) July 23, 2024
健常女性の睡眠覚醒リズム、月経周期ステージで変化-明大ほか https://t.co/FluuhVh2xg
⑨ 筋肉から出る「マイオカイン」については、一つ前のブログ「シニアのための筋肉の新常識」で触れたばかりでした。
PEDFという因子が細胞の老化を抑制。
— 野口内科_日々の独り言 (@washi_omu) July 24, 2024
発表した人は、藤井聡太七冠の師匠と同姓同名ですね。
運動による細胞老化抑制、筋組織から産出の重要分子をマウスで発見-都長寿研ほか https://t.co/jkQf7BbQBn