● 薬の説明書のイラスト 296 ●


彩りの鮮やかな鳥をたまに見かけることがあります。
一番目に付くのがイソヒヨドリで、今シーズンは我が診療所の近辺に巣を作っていた気配がありますが、オスの背中の藍色と腹部の赤銅色のコントラストがきれいです。
以前は当ブログのタイトル画像にも使っていました。( → こちら )
冬季になると庭先でたまに見かけるのがジョウビタキ。
これもオスの腹部の明るいオレンジ色が印象的です。

この時期に郊外に行くとマヒワの集団に出くわすことがあります。
オスは明るめの黄緑色をしていますが、そのものズバリ「鶸色 ( ひわいろ ) 」とも呼ばれます。
現代では神主さんが着用している狩衣の色の一種として、鎌倉時代の書物に登場する色の名称です。
藍で下染めして更に黄蘗 ( きはだ ) で重ね染めをするとか。
黄蘗の樹皮は地味なのにその内側がとても鮮やかな黄色をしていることで知られますし、オウバクと音読みされる漢方薬の原料でもあります。

そう言えば、10月のイラストに用いたイワシ ( → こちら ) は漢字で魚偏に「弱」ですが、ヒワは「弱」が偏の方に来て鳥は旁になっています。
漢字の成り立ちのこういった違いはどこから来ているのでしょうね。

12月前半の薬の説明書のイラストはマヒワです



ヒワ