2008年から始まった特定健診 ( いわゆるメタボ健診 ) 及び特定保健指導について、その効果を検証した報告がありました。( → こちら )

腹囲測定2014年にメタボ健診を受けた男性のうち、腹囲が85cmを少し超えて保健指導となった人と、少し下回り対象とならなかった人それぞれ2万人を抽出。
1年後、保健指導となった集団で体重が0.29kg、BMI ( Body mass Index, 体格指数 ) が0.1低下したに留まっただけで、3年経過するとその差も消えてしまうという内容でした。
その原因として、保健指導を受けたのが16%だけ・指導内容が効果的とは言えない・腹囲85cmだと健康な人が多く含まれる、といったことが挙げられています。

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メタボ健診が始まった時の問題点を、以前このブログで書きました。

こんないい加減なことでいいの ? 1

こんないい加減なことでいいの ? 2

「2」の方で書いた腎機能の検査項目については、すぐにBUNがクレアチニンに改められました。
しかし「1」で指摘した腹囲を85cm ( 女性は90cm ) で区切った根拠は曖昧なままです。
血圧や血糖値、中性脂肪や善玉コレステロールがいくら基準を外れていても、腹囲が基準範囲なら指導の対象になりません。

まず腹囲ありきの健診なのですが、今回のデータ解析でその根幹に疑問が投げ掛けられました。
そろそろ、制度設計の見直しも必要な時期にさしかかっていると思います。